昔からショットバーやキャッシュオンバーで飲むビールはコロナです、世界中で飲まれているビールですがコロナだけは瓶のままでカットライムを入れて出すのが暗黙のルールとなっています。
先日キッチンカフェでランチビールにコロナを頼んだら同じように瓶のままでライムが入っていました、世界中でいつどこで飲んでもコロナだけは瓶のまま同じスタイルで出してくれるので安心して頼めます、疑うわけではありませんが特に海外ではグラスやジョッキで出されても中身が本物か判りません。
このコロナですが私はアルコール飲料として飲むのではなくショットバーではチェイサー代わりにレストランではお冷代わりに飲んでいるのです、ショットバーではアルコール度数が高いウイスキーをストレートでグイグイ飲みますので確実に消化器官の粘膜が焼けてしまいます、それを防ぐ意味でコロナを飲みながらウイスキーを飲むのです。
ショットバーでもレストランでもミネラル水は昔から飲んだことがありません、それは私の身体の消化器官の一部が無いために確実に下痢を起こしてしまうからです、したがって三十代での消化器官の摘出手術後はミネラル水を飲めなくなってしまったのです。
不思議に思われるでしょうが実は理にかなっていてどうもミネラル水の浸透圧に原因があるようです、ミネラル水は浸透圧が低いので身体内部に摂り込まれにくいのです、まして消化器官の一部が無い私には言わずもがでしょう。
麦汁を醗酵させたビールは有機物が豊富でアルコールが入っていますから浸透圧が高く私にとっては重要な水分補給飲料なのです、しかもウイスキーと原料が同じですので合わないわけがありません、こうして水代わりに昼間からでもビールを飲むのが日々のルーティンになっているのです。
アードベックを飲みながらチェイサー代わりのコロナとジンジャーエール
左:ウイルキンソン・ジンジャエール 右:コロナエキストラ
手前:ショットバーでの定番おつまみのブルーチーズ・ドライフィグ(ホワイトイチジクのドライフルーツ)・無塩クラッカー、いつもワンプレートに盛り合わせてもらいます
ファッションに音楽のジャンルといい価値観と同様に時代と共に大きく変化していきます、スコッチウイスキーも例外ではなく大きく変化していきました。
私がスコッチウイスキーを飲み始めた70年代では今のようにシングルモルトは日本にはほとんど入ってきていませんでした、そもそもですがスコットランドでも蒸留所の多くがオフィシャルのシングルモルトはほとんど出してなく多くの蒸留所がブレンデッド用に造っていました。
当時でスコッチウイスキーといえばブレンデッドを指していました、特に日本で早くから人気があったのはジュニーウォーカー、ホワイトホース、ディンプル(ピンチ)、オールドパーなどです、今でこそシーバスリーガルの日本市場開拓作戦が成功して日本で最も売れているスコッチブレンデッドになっていますが当時はジョニーウォーカーがダントツの人気でした。
そして80年代に入るとブレンデッドの新ブランドの誕生ブームと高級化に火がつきますが、同時にアイラではボウモアとスペイサイドではグレンフィディックが海外の免税店で大々的に売られるようになったのをきっかけにしてなのか徐々にシングルモルトの価値が認められるようになってきます、また街の小さな酒屋でもシングルモルトが買えるようになりました。
90年代に入りバブル景気が落ち着き出した頃にUD社(現ディアジオ社)から花と動物シリーズが売り出されるや否や一転してシングルモルトブームが巻き起こります、この頃にスコッチウイスキーをショットバーなどで飲み始めた人の多くは現在も尚ブレンデッドウイスキーには目もくれない傾向があるのは面白い事実です。
そして時が流れて現在では再度スコッチウイスキーブームが巻き起こり、ありとあらゆる蒸留所からオフィシャルのシングルモルトが売り出されています、またブレンデッドも負けず劣らずで次々と新しいブランドが誕生し日本で買えるスコッチウイスキーの種類は数えたことはないのですが500種以上はゆうに超えているのではないでしょうか。
今の時代はいろいろなスコッチウイスキーが飲めるのはいいのですが逆に自分の好みを探すのに苦労するのではないでしょうか、私の時代は数種類しかないので選べないけど好みがはっきり解ります、そして同じウイスキーを飲み続けたことによって味のリファレンスができているので新しいウイスキーの味を評価しやすいと思います。
これはオーディオや健康などにも通じる事項です、情報過多で選択肢が多いだけが幸福ではないと思うのです、いつの時代においても在りものに感謝し自分流で生きることに満足できる人が一番幸せだと思います。
ハイランドに存在する14の蒸留所で造られたシングルモルトだけをブレンドしたウイスキーがあります、それがザ・グラッドストンアクスのアメリカンオークです、ヴァッティング後にバーボンカスクで再熟成しています。
モルトブレンデッドウイスキー自体が数少なくアイラモルトだけというのは割と人気があるのですが、あえてハイランドモルトだけというのが非常に興味深いです。
私はショットバーで一度飲んですっかり虜になってしまいました、なんといってもエッセンスが多いのです、スモーキー以外と限定するとウイスキーの持つ全てのエッセンスが詰まっているのではないでしょうか。
香りはモルティでバニラのような甘い香りがします、飲み始めは甘みの中にスパイシーさも加わりフィニッシュにほのかにビターを感じます、またグラスに注いで時間が経つとフルーティな香りに変化します、さらにちょっと水を足してトゥアイスアップにするといきなりマイルドでスムースな味に変化します。
よくできたウイスキーなのですが価格が4,000ほどで買えるというリーズナブルな価格も嬉しいです、姉妹品にブラックアクスがありこちらはアイラモルトとハイランドモルトのモルトブレンデッドになりスモーキーでスパイシーな風味に仕上がっています、アイラモルトが好きな人にはブラックアクスがお薦めです。
横道ですが、ボトルの向かって左側だけにえくぼのような凹みがあります、注ぐ時にちょうど親指がすっぽり入ってしっくりします、飲み手の配慮が嬉しいボトルでもあります。
昨年8月に国産ウイスキーが店頭から消え在庫のある多くの国産ウイスキーが値上げしていると伝えましたが、来月4月にまた平均で30%程度の値上げが行われることが解りました。
ショットバーや居酒屋にお酒を卸している業者の告知書を先日行きつけのショットバーで見せてもらいましたが、この2年間で都合3度目の値上げとなり1年前の価格に対して倍以上になっている銘柄さえあります。
現在では既に多くの国産ウイスキーメーカーではシングルモルトのカスク原酒が枯渇しています、更にはシングルグレーンのカスク原酒も枯渇しているという情報があります、つまり何をしても国産のウイスキーが作れない状況になっているのです。
オークションサイトでも信じられない価格で売買されています、ショットバーやクラブでは業者から手に入らないのでオークションサイトで高額でも何とか手に入れているといいます。
私のように手に入らなければ別のもので代用しようということはお酒をビジネスにしている人には通じません、お客さんからの要望で何としても手に入れなければ売り上げにならないからです、国産が無いからスコッチやアイリッシュで代用というわけにはいかないのです。
何に使うのでしょうか、オークションサイトには国産シングルモルトの空瓶が大挙して出展されています、いったいこの状況はいつまで続くのでしょうか、手軽に本物の国産シングルモルトが飲める日が早く戻ってくることを願うばかりです。
週に2回は通うネパール料理レストランのマスターは年に1度はネパールに戻ります、毎回お土産を頂くのですが今回酒好きな私にとネパールで売られている最も有名だというウイスキーを頂きました。
調べてみたらインド産のグレーンウイスキーにスコットランド産のモルトをブレンドしたインド最大のリカー会社が製造販売しているウイスキーでした、ちなみに日本でもネットで購入することができて約4,000円ほどです。
ネパールと日本の平均給与から換算するとネパールでは10倍の4万円の価値換算になります、それは確かに裕福層しか飲めない高級ウイスキーとなるでしょう、日本でいえば4万円でサントリーの最高級ブレンデッドウイスキー響(ひびき)が3本も買えるのですからどれほどの価格なのかが想像できます。
後日詳しく調べてみて驚いたのですが、このマックダウェルズは「No.1」の名前のとおり世界で30%以上のシェアを持つ真にナンバーワンウイスキーだったのです。
世界ウイスキー販売量ランキングで2022年まで4年連続の1位です、おそらく2023年も1位ではないかと思います、またランキング表の1位から4位までインディアンウイスキーだという事実も見逃せません。
どれもブレンデッドですが流石に人口11億人のバックボーンは大きいです、それにしてもウイスキー流通量の世界シェア1位から4位までがインド産のインディアンウイスキーで4社で世界のウイスキー流通量の3分の2以上のシェアとは凄過ぎます。
味と香りは平均的なブレンデッドウイスキーそのもので特にこれといった特徴もなく日本人であれば買ってまで飲みたいというものでもないと思います、ただ癖が無く甘い香りなのでインド料理にはもってこいのバランスに調整されていると思います。
インド料理店にはククリラムというインドの真っ黒なラムと共に置いてある店も多いようですので、チャンスがあったら是非とも世界一売れているウイスキーを飲んでみては如何でしょう?
世界最大の出荷量を誇るマックダウェルズ No1