
現在ほぼ日本のシングルモルト及び高級ブレンデッドウイスキーが店頭から姿を消しているのをご存知でしょうか、サントリーの山崎・白州・響などは店頭から姿を消し定価の2倍~3倍でオークションにかけられている状態です。
この理由は明確で、80年代の日本におけるジャパニーズウイスキー離れが進んだジャパニーズウイスキー氷河期にあります。
世はまさにバブル全盛期でそれまで高価で影を潜めていたワインやスコッチウイスキーが飲まれるようになり、各種のワインや高級ブレンデッドウイスキーがどんどん輸入されました。
これを受けて日本のウイスキーメーカーは生産を一気に控えるようになります、90年以降も徐々に回復傾向に向かったとはいえ減産は継続されウイスキーブームが再び沸き起こる2015年くらいまで続いたわけです。
シングルモルトは熟成に最低12年はかかります、この結果現在のニーズに合わせてどんどんボトリングして出荷したくても原酒が枯渇して無いのです。
冒頭の3種は現在既に生産中止状態です、加えてニッカウイスキーの余市・竹鶴も生産中止に追い込まれました。
これが解消するまでにおそらく10年はかかるでしょう、この間に国産ウイスキーが無いならスコッチウイスキーということでスコッチウイスキーのニーズが急速に高まり今度はスコッチウイスキーの価格が大幅に高騰しているというわけです。
加えてスコッチウイスキーの原材料であるモルト自体がウクライナ情勢の余波で価格高騰しており、世はまさにウイスキーバブルに突入しているのです、ちなみに品薄銘柄は1年前の価格の2~3倍にまで高騰しています。
私の不安は今のウイスキーブームが去った後、今度は国産ウイスキーやスコッチウイスキー余りという逆転現象が起こることです。
この10年ほどは世界中がウイスキー蒸留所の新規設立ブームで沸いています、日本でもこの数年で国産シングルモルトウイスキーを造ろうという蒸留所の設立ラッシュが起きています、また多くの焼酎メーカーまで国産モルトウイスキーの生産を開始しました。
いつの時代も世の現状を冷静に把握し5年・10年先に起こるべく状況を正確に読んで行動した人が勝者になります、今の状況をどのように思考しどのような行動を起こすべきなのでしょうか。
少なくても10年後には今の状況は確実に一変しています、一つ言えることは歴史は確実にリズミカルに陰陽状況を繰り返すということです、「昇りエスカレーターを確認したら即乗り頂上手前で降りる」、これはビジネス常勝の心得です。

このラガヴーリンのスペシャル版は、ラガヴーリンフリークとして有名なアメリカのコメディアンであるニック・オファーマンとラガヴーリン蒸留所がコラボレーションして生まれたオファーマンエディション第二段のギネス(ビターで濃口の黒ビール)カスクフィニッシュ版です。
第一弾は購入漏れしているので内容は定かではないのですが、第三弾はチャードカスク(内側を焦がしたカスク)版で、アメリカンオークとヨーロピアンオークのチャードカスクのヴァッティングのようで、こちらも買えるうちに早々に手に入れて飲んでみたいと思います。
ただどちらも価格が急上昇してしまっているので気楽に飲めるアイラモルトではなくなってしまいました、2015年ごろから始まったスコッチブームが落ち着いてきたと思っていたら、再度2年ほど前から再燃しているように感じます、とにかく品薄ブランドが多くなってきています。
本品も1年程前は1万5,000円前後で購入できたのですが、なんと1年で50%以上も販売価格が上昇していたのでびっくりです、それでも何ともいえないビターで甘い後味のラガヴーリンをなんとしても飲んでみたくて先日購入してしまいました。
ただアイラモルトとして美味しいかと問われると私の感覚では答えは微妙です、価格からしてみても同じ限定版なら断然ダブルマチュアードのほうが美味しいです。
品名 ラガヴーリン11年 オファーマンエディション ギネスカスク
熟成年数 11年
カスク シェリーカスク~ギネスカスク(ラスト4ヶ月)
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 750ml
価格 25,000円~30,000円(2023年9月時点)
特記事項 ダブルマチュアード・ギネスカスクフィニッシュ、特別限定版
アラート 品薄状況で価格上昇中

創業2005年とアードナッホーの次に新しいアイラ島の蒸留所でアイラ島では124年ぶりに新たな蒸留所を設立したキルホーマンは、自社農場を持ち農場の一角に蒸留所があるというモルトファーム&ディステラリーという大変珍しい形態の蒸留所です。
そのキルホーマン蒸留所の免税店向けに限定発売しているシングルモルトがサイゴベイです、免税店向けの商品ですので日本では並行輸入品のみ購入可能です、尚サイゴベイとはスコットランドで最高の夕焼け鑑賞ができる海岸の名称です。
キルホーマンは各種のカスクや製法を変えたものなど新しい蒸留所特有の多品種の同ブランド製品が出揃っていますので、コレクションとして味や香りの違いを楽しむのも面白いと思います。
また近年では樽出し原酒であるカスクストレングスも手に入りますので、アイラモルトファンなら各種飲んでみるのも良い経験になると思います。
サイゴベイはアイラモルトのエッセンスがすべて詰まってはいますがこれと言った大きな特徴はありません、言ってみればアイラモルトの優等生というところでしょう、このバランスであればむしろバーボンカスク単独の方がアイラモルトファンの受けがいいのではないかと思います。
ただ私的にはキルホーマンをお薦めするのであれば絶対サナイグです、キルホーマンの中に在ってきらりと光る個性的な味と香りが楽しめるからです。
キルホーマンの歴史はこれからです、そのうちに味の傾向も蒸留所独自の一つの方向へ落ち着いていくでしょう、そういう意味では若熟成ものをカスク別に大いに楽しめるのは今のうちかもしれません。
品名 キルホーマン サリゴベイ
熟成年数 5年?
カスク EXバーボン、シェリー
蒸留所 キルホーマン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 6,500円~7,500円(2023年9月時点)
特記事項 2カスクヴァッティング、免税店向け限定販売品

マキヤーベイ(左)とサナイグ(右)、カスクが変われば色も違う
創業2005年とアードナッホーの次に新しいアイラ島の蒸留所でアイラ島では124年ぶりに新たな蒸留所を設立したキルホーマンは、自社農場を持ち農場の一角に蒸留所があるというモルトファーム&ディステラリーという大変珍しい形態の蒸留所です。
そのキルホーマン蒸留所が送り出すシングルモルトのスタンダードともいえるのが味と香りのバランスがよいマキヤーベイですが、そのマキヤーベイよりもピート臭を多めにつけたのがヘビーピーテッドのサナイグです。
キルホーマンは各種のカスクや製法を変えたものなど若い蒸留所特有の多品種の同ブランド製品が出揃っていますので、コレクションとして味や香りの違いを楽しむのも面白いと思います。
サナイグの名称は青く美しい穏やかな海岸のマキーベイに対して、岩がゴツゴツとした海岸であるサナイグからきており、その名のとおりガツンとアイラモルトの骨太な味と香りを楽しめる逸品です。
マキヤーベイもアイラモルトのエッセンスがすべて詰まった逸品でピート臭を強めにしてありますが、サナイグはその上をいくヘビーピーテッドで燻製のような強いピーと臭とスパイシーな味と香りですが後味は甘いジュースのような濃厚で芳醇な味と香りに包まれ不思議な感覚を起こさせてくれるアイラシングルモルトです。
マキヤーベイのアイラモルトらしさを堪能したら是非とも次はサナイグを飲んでみてください、同じ蒸留所でもはっきりと味と香りに対するポリシーの違いが解ると思います。
ちなみにマキヤーベイはバーボンカスクで熟成しているのに対してサナイグは甘口のオロロソシェリーカスクで熟成しているのか桃や杏のような甘酸っぱい後味が広がります、熟成年数は不明ですが一口目のピーティな味と香りからして5年ほどではないかと推測します、それにしても若熟成でこの味のバランスグレードは驚きです。
品名 キルホーマン サナイグ
熟成年数 5年?
カスク オロロソシェリー
蒸留所 キルホーマン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 8,500円~9,500円(2023年9月時点)
特記事項 ヘビーピーテッド

創業2005年とアードナッホーの次に新しいアイラ島の蒸留所でアイラ島では124年ぶりに新たな蒸留所を設立したキルホーマンは、自社農場を持ち農場の一角に蒸留所があるというモルトファーム&ディステラリーという大変珍しい形態の蒸留所です。
そのキルホーマン蒸留所が送り出すシングルモルトのスタンダードともいえるのが価格もリーズナブルで味と香りのバランスがよいマキヤーベイです、ほとんどのショットバーでキルホーマンと言えばマキヤーベイを出してくるのではないかと思います。
キルホーマンは各種のカスクや製法を変えたものなど若い蒸留所特有の多品種の同ブランド製品が出揃っていますので、コレクションとして味や香りの違いを楽しむのも面白いと思います。
マキヤーベイはウイスキー評論家として著名なジム・マレーがウイスキーバイブル誌で94点という高得点を付けて有名になりました、またインターナショナルワイン&スピリッツコンベティションで2012年に金賞を受賞しています。
近年では樽出し原酒であるカスクストレングスヴァージョンも手に入りますので、アイラモルト好きなら各種飲んでみるのも良い経験かと思います。
マキヤーベイはアイラモルトのエッセンスがすべて詰まった逸品で、ピートを強めにしてあり更に熟成年数が若いのでピート臭がバシッと残っており味の粗っぽさも含めてアイラモルトファンには嬉しい逸品です、このマキヤーベイを初めて飲んで美味しいと感じる人は間違いなくアイラモルトフリークに片足を突っ込んでいます。
キルホーマンの歴史はこれからです、そのうちに味の傾向も蒸留所独自の一つの方向へ落ち着いていくでしょう、そういう意味では若熟成ものをカスク別に大いに楽しめるのは今のうちかもしれません。
品名 キルホーマン マキヤーベイ
熟成年数 5年?
カスク バーボン
蒸留所 キルホーマン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 7,500円~8,500円(2023年9月時点)