ウイスキーの長期熟成カスク原酒が世界中で枯渇気味でウイスキーメーカではニーズが高まっているにもかかわらず思うようにウイスキーを製造できません、これはモルトだけではなくグレーンも同様に在庫が無くなっている状況のようです。
そこで各社が目を付けたのが熟成の必要が無く蒸留してすぐに出荷できるウォッカやジンなどのスピリッツです。
そんな状況の中、なんとアイラのブルックラディ蒸留所がジンを製造し発売しています、そのジンはボタニストという名称が付けられました、ボタニストとは「植物学者」という意味です。
アニスやコリアンダーに加えてアイラ島で採れる薬草を加えて30種のハーブやスパイスが使われています、味はそれほど濃くはありませんがアルコール度数が46度なのでスピリッツ感は強烈です。
そんなボタニストを使って最近はグリーンアラスカというカクテルを時々飲んでいます、普通はシェークかステアして作るのですが、私は直接氷も入れずにグラスで混ぜるビルドで飲みます。
シャルトリューズ・ヴェールはアルコール度数55度ですから配分比率で計算しても50度近いアルコール度数になります、これをハーフでグイっと一気に飲むのです。
どちらも薬草で作られたスピリッツとリキュールです、元気にならないわけがありません、個人的には勝手にグリーンアラスカ・ビルドを「長寿の薬」と称して注文しています。
右側にあるのがボタニスト
シャルリューズ・ヴェール(写真左側)と合わせてグリーンアラスカ(カクテル)をビルド(原酒のみをグラスに注ぐだけ)をハーフで時々頂きます
私の趣味の一つに将棋があるのですが、応援している藤井聡太棋士に関しては全てのタイトル戦と棋戦を将棋チャンネルで見るくらいです。
藤井聡太棋士に関しては勝負士としてだけではなく人間としても興味があり何を考えているのかと気になったりします、その藤井聡太棋士に対してのマスコミの質疑応答で面白いものがありました。
「好きなことは何ですか?」の質問の回答が「将棋を指すこと」で、まあこれはプロ棋士なので想像通りですが、2番めに「詰め将棋」、3番めに「詰将棋を作ること」と回答したのにはちょっと驚きました、つまり起きているときはほぼ将棋のことを考えているということです。
差し詰め、最近の私のプライベートでの好きなことは「ウイスキーを飲むこと」で2番めに「謎のアイラモルトの謎解き」、3番めは「オリジナルのブレンデッドウイスキー作り」ということになるかと思います。
謎のアイラモルトの謎解き中
謎のアイラモルトとはボトラーの銘柄で蒸留所も熟成年数もカスクも全てが謎となっているアイラモルトを指しており、どこの蒸留所の何年熟成かを当てるのが愉しいのです、ましてはカスクまで当てられたらプロのブレンダーになれるでしょう。
これを行うためにはアイラの蒸留所の幾つかのオフィシャルボトルをブラインドで当てられるくらいに飲んで記憶していかなくてはいけません、また次から次へと新しいオフィシャルボトルを出す蒸留所もあるので特徴的なアイラモルトだけでも常に最低でも50種は記憶する必要があります。
私の場合は試飲しながら味と香りの特徴をマトリックスにして頭に記憶していくようにしています、こうすることで蒸留所の味と香りの傾向が見えてきます、一時期は気を失うくらいに飲むこともありますがこのストイックな時間が愉しいのです、そしてストレスはまったくありません。
ビジネスではないのです、道楽なのですから辛くなったらいつでも止められるのです、その意味では道楽ごとは本当に気持ちが楽で愉しいのです。
ピーマンの肉詰めを大きなパプリカを使って作ってみました、僅かな酸味と甘さ香る美味しいおつまみになりました、パプリカは大きいのでちょうどハンバーグ1人前の肉の量になります。
中身の肉は合挽きのハンバーグ用のミンチにタマネギのみじん切りをバターでローストしたものを合わせています、コショーは使わずにナツメグを使って辛味よりもほんのりとスパイス臭を感じる程度にしています、また塩分もできるだけ抑えて肉の美味しさを引き出すようにしました。
写真のトッピングはイタリアンパセリですがバジルのほうが合うかもしれません、あまり香りが強いものよりもソフトな香りのハーブが良いと思います、ウイスキーのおつまみにはできるだけ素材の風味を活かす薄味にするのが基本です。
プチトマトの酸味とよく合う味ですのでプチトマトを添えると映えると思います、赤パプリカには黄色のプチトマトを黄パプリカには赤色のプチトマトがトッピングのグリーと3色のトリカラーとなり色合い的にもハンバーグよりもいいですね。
ウイスキーといえばスコットランド産のスコッチとかアイルランド産のアイリッシュ、そして日本産のジャパニーズが世界ウイスキーコンテストで各賞を独占しています。
そんな事実からスコッチやアイリッシュは世界中で親しまれているウイスキーだという印象を受けてもおかしくありません、ところが世界のウイスキー販売量ランキングを見るとそれは儚い幻想だということを思い知らされます。
最新の2022年版世界ウイスキー販売数ランキングによると1位はなんとインド産のインディアンウイスキーのマックダウェルズです、2位は同じくインディアンウイスキーのロイヤルスタッグ、3位もインディアンウイスキーのオフィサーズチョイス、4位もインディアンウイスキーのインペリアルブルーと1位から4位までインディアンウイスキーが占めています。
5位になってようやくスコッチウイスキーのジョニーウォーカーが入り、6位はアメリカンウイスキーのジャックダニエル、7位はアイリッシュのジェムソン、8位に再度インディアンウイスキーのブレンダーズブライドが入ります、9位はスコッチのバランタイン、10位もインディアンのエイトピーエム、同率11位にカナディアンのロイヤルクラウンという結果です。
なんとインディアンウイスキーは世界市場の70%を誇る世界一の流通量を誇るウイスキーなのです、次いでスコッチ、アイリッシュ、アメリカン、カナディアンと続きジャパニーズはウイスキー市場で最も少ない販売数なのです。
ただしランキングはあくまでも販売数であって総売り上げや品質を問うものではない性格のものであるという認識が重要です、世界のウイスキー流通量からみると98%がブレンデッドであり味や香りの品質を問われるシングルモルトは僅か2%でしかありません。
その2%の流通量の中でスコッチやジャパニーズの数百在る蒸留所銘柄が味と香りを競い合い最高級ウイスキーを製造しているのです、こういう事実はウイスキーだけではなくオーディオなどの家電品や衣料品にも当てはまります、薄利多売で勝負するのか厚利小売で勝負するのかという国民性やメーカーのスタンスの違いが色濃く反映されているということです。
デパ地下でチーズを買うついでにいつも買ってしまう祇園の老舗パン屋ボローニャのデニッシュ、バター風味のほろ甘くてもちっとした食感がなんとも堪りません、見た目は食パンのようでいて食べるとまるでパイのようなしっとりとした食感と味がする不思議なパンです。
そのまま食べても勿論美味しいのですが軽くローストするとバターの風味が更に引き立ち最高のウイスキーのおつまみになります、スモーキーでスパイシーなアイラモルトやスペイサイドモルイトでも華やかな香りのローランドモルトやキャンベルタウンモルトでもよく合います、原料はどちらも小麦ですから合わないはずはありません。
またチーズとの相性も良いのでクラッカーの代わりにしても最高に美味いです、どのようなサラダドレッシングとも合うしカットと盛り合わせを工夫すれば万能なおつまみになるでしょう、現在ブルスケッタのベースにしたりチーズやハムのサンドウィッチを作ったりいろいろ研究しています。