70年代から変わらぬ美味さで愛され続けているロングランなジンといえばビフィーターでしょう、昭和の時代のジンと言えばギルビーとこのビフィーターです。
ギルビーは2000年ごろからショットバーから消えていきましたが、このビフィーターはいまだにカクテルベースのジンとしての座を守り続けています、現在でもおそらく日本で最も消費量の多いジンだと思います。
ジンといえばビフィータのガツンとくる味で記憶している人は多いかと思います、マイルド系の高級ジンが幅を利かせている今でも懐かしの味を好む人は多いと思います。
ビフィーターはラベルに書かれたロンドン・ドライジンの如しで、いまだに製造をロンドン市内で行っている数少ない本格的なジンです。
価格がリーズナブルなのですがレモンピールの風味が強く、カクテルベースとして柑橘系のジュースとは最高にマッチするジンだと思います。

イギリスに行くとスコッチバーなどでのおつまみによく乾燥させたタラのような魚を燻ったものがでてきます、なんの魚かは解らないのですが淡白な味は間違いなくタラの仲間だと思います、これがすごくウイスキーに合うのです。
そこで日本でも手軽に同じようにして食べられる魚は無いものかといろいろ探したらありました、それがこのコマイです、小型のハタハタみたいな魚でタラの仲間です。
できるだけ塩味が薄いほうがウイスキーに合いますので無塩の一夜干しとか見つけると必ず買ってしまいます、一夜干しなのでチルドで1週間は日持ちします。
身は柔らかく脂はほとんど無いのですがパサパサせずしっとり感があり手でつまんで食べられるのでつまみには最適です、また骨が自然に剥がれますので綺麗に食べることができます。
年中入るといいのですが季節的には冬の魚ですので水揚げがあるのが11月から3月です、業務用の冷凍庫があれば年中食べることができます、家庭用の冷蔵庫の冷凍室だと乾燥してパサパサになってしまいますので要注意です。

私は昔からジンの好きな飲み方として、腰の強いジンをジンジャーエールで割るジンバックというカクテルで飲むのが好きです。
多くのショットバーで使っているジンジャーエールはカナダドライでありジンジャーが軽く甘すぎるので好きではありません、私はジンバックが飲みたいときには必ずウィルキンソンのジンジャーエールを置いているショットバーで飲みます。
ただウィルキンソンにも2種類あり鮮やかな赤のラベルは甘口でカナダドライとほぼ一緒です、やはりドスンとショウガを感じるエンジ色のラベルの辛口でないと物足りません。
私は夏場に冷やしてそのまま飲むこともあるくらいに大好きなジンジャーエールで、辛口は喉がヒリヒリするほどショウガをモロに感じます、これを飲んでいれば夏バテ知らずです。

左:ウイルキンソン・ジンジャエール 右:コロナエキストラビール
どちらも私のウイスキーを飲むときのチェイサーです

私がアイラモルトウイスキーを初めて飲んだのは26歳の時で、なんとロンドンのヒースロー国際空港内にあったスコッチバーでした。
学生の頃からお酒は何でも大好きで、ほぼ毎日のようにバーボン(ジャックダニエルなど)やブレンデッドウイスキー(ジョニーウォーカーなど)を飲んで未来の自分の姿を想像しては大学に通う以外何もできない現状とのギャップに悶々としていました。
ヒースロー空港での話しに戻りますが、当時私はパリに本社がある外資系のIT企業でフリーランスのSEをしており年に数回パリに出張がありました、そしてその時はたまたま直行便が取れずにロンドン経由になったわけです。
トランジットの為空港外には出られないのですが、せっかくロンドンにいるのだからということで当時日本では1本1万円以上もした本場のシングルモルトウイスキーを飲もうと空港内をぐるぐる回ってやっと探し当てたのがカウンターだけの小さなスコッチバーというわけです。
おつまみはクラッカーとポケットサイズの袋に入ったピーナッツだけしか置いてなかったのですが、その時に飲んだウイスキーが初めて飲んだアイラモルトの「ボウモア」というウイスキーだったのです。
飲み慣れていたバーボンやブレンデッドウイスキーとはまったく似ても似つかない強烈な刺激臭とスパイシーな味で口の中がピリピリします、しかしチェイサーと交互にゆっくりと飲むと口の中にフルーツのような香りや燻製のようなスモーキーな香りが広がり何とも言えない複雑な香りとピリッとした味に包まれ一発ではまってしまったのです。
気が付いたらバーテンダーに薦められるままに、「アードベック」や「ラフロイグ」など小一時間に5~6杯飲んで至福の時を過ごしていました。
日本に帰ってから調べてみるとアイラモルトだけで日本酒まではいかないまでも物凄い種類が在ることが解りました、そして当時でも15種類くらいは輸入されていて「ボウモア」と「ラフロイグ」はすぐ手に入れナイトキャップの座をバーボンウイスキーから奪い取ってしまいました。
それ以来、毎日のように仕事帰りに地元のショットバーでビール(コロナやハイネケン)をチェイサー代わりにアイラモルトを飲むのがルーティン化してしまったのです。
私は大のブルーチーズ好きで特に癖の強いロックフォールは最も好きなブルーチーズです、デパ地下のチーズ売り場に行くとテンションがMAXに上がります。
そんなある日オレンジ色に輝く変わったブルーチーズを見つけました、それがこのシャロップシャー・ブルーです、ミモレットのような色でしっかり全体的にアオカビがびっしりと入っています。
食べてみたところ想像とは違う食感と味に驚きました、食感はチェダーのような食感で味はハードタイプのパルメジャーノ・レッジャードのような風味が入っています、塩味も薄くてかなりアンモニア臭が強いストライクのブルーチーズです。
ロックフォールよりも香りが強いチーズはウォッシュタイプのシャンベルタンくらいかと思っていましたが、ブルーチーズでこの強烈な香りは信じられません。
アイラやアイランズモルトのように個性が強いウイスキーでないとウイスキーが負けてしまいそうな骨太なブルーチーズ、これはこれで合うウイスキー探しで大いに楽しめます、ちなみにお値段ですがロックフォールとほぼ同じ程度でナチュラルチーズの中ではかなり高額の部類です。

全体的に綺麗に広がるアオカビの景色にチーズ魂が騒ぎます