本坊酒造(マルス蒸留所)のアンティークウイスキーが保管しているウイスキーの中から見つかりました、おそらく80年代から90年代のブレンデッドウイスキーだと思います、何故なら私が大事に保管しているウイスキーの多くは70年代後半から90年代後半にかけてコレクションしていたウイスキーだからです。
あまり記憶が無いのですがマルス蒸留所でこういうブレンデッドウイスキーがあったのですね、プレミアムリカーショップで1万円超とけっこう強気の価格で売っています、マルス蒸留所は頑ななファンが多いので懐かしんで買っていく人がいるのでしょう。
当時は現在のツインアルプスと同じ程度のグレードだと思うのですが、風味はドライフルーツのような甘みの中に酸味が香る上品な風味です、現在のものと比べるとまったり感があるのは時代の流れというものでしょう、その意味では当時のマルスの味を伝える大変貴重なボトルだと思います。
買った記憶がないカナディアンウイスキーが保管用段ボール箱から出てきました、もしかしたら当時お土産に頂いたのかもしれません。
ちょっと気になって調べてみました、高級なボトルに詰められたキャプテンズテーブルというカナディアンウイスキーは80年代前半に輸入されていたもので当時の販売価格は1万円だそうです。
この安定した形は船の中でも倒れない設計らしく、名前のキャプテンズテーブルの由来になっているようです。
栓はガラス製でボトル側も栓側も擦りガラスになっており薬品などを詰めるガラス容器と同様の仕組みで蒸発するのを防いでいます、かなり手の込んだボトルです、飲み終わった後にもラベルを綺麗に剥がせばナイトキャップ用の替えボトルに使えそうです。
味的には当時の高級ブレンデッドウイスキーの定石どおりにまったりした甘口の風味です、時代的にノンエイジですが15年くらいではないかと推測します、これはこれで気分転換用のウイスキーとして充分に楽しめます。
もう10年近く前になるでしょうか、30数年前のバブル経済期の頃にヒースロー国際空港で買ったボウモア飲み比べ200mlボトルセットをみんなで飲み比べしました。
このセットはボウモア8年、12年、15年、17年、21年で当時出されていたボウモアの全オフィシャルの200mlボトルで現在では二度と手に入らないものです。
味と香りの違いを楽しむための免税店限定セット、もし今オークションに出したら購入価格自体が2万円ほどだったのでどれほどの金額で売れたでしょうか、おそらく世界でも現存していないのではないかとというほど極めて貴重なセットだったのです。
味と香りは当然楽しめたのですが、そういうことよりも貴重な経験をしたこと自体が宝だと思うのです、それをみんなで共有できるのはすばらしいことです。
貴重なボトルを持っていることは一つの誉れ、でもそれを手放してしまったらそれを再度手にするのには数十倍のお金を払わなければならないのです、貴重であろうが高額であろうが今それを楽しめることに大きな価値があると思うのです。
そのときの写真をスタッフがこっそり撮って残してくれていました
ちなみに左のボウモア12年は現在プレミアムが付いている激レアのカモメラベル
このボトルを見たことがあるという人は多いのではないでしょうか、クラウンローヤルはそれほど昔から日本人にとっては馴染みの深いカナディアンウイスキーだと思います。
ウイスキーを保管していたダンボールから何本かのカナディアンウイスキーが見つかりました、その中にしっかりとクラウンローヤルも入っていました。
再確認してびっくりしたのは80年代のボトルなのに現行のボトルと区別が付かないほどほぼ同じだということです、きっと100年以上も変わらぬデザインなのではないかと思います、ちなみに本ボトルは通常の750mlではなく1,000ml版です。
このウイスキーはカナダを訪問したイギリス国王ジョージ6世に献上するためにシーグラム社によってカナダ国内で作られたものです、上品でマイルドな風味に仕上がっています。
昔も今もカナディアンウイスキーといったらクラウンローヤルが一番に思い浮かびます、それほどカナディアンウイスキーを代表するウイスキーなのです。
イギリスのカントリーの一つである北アイルランド及びアイルランドで作られるウイスキーをアイリッシュウイスキーといいます、そのアイリッシュウイスキーの伝統製法のシングルポッドスチルでの3回蒸留を200年以上継続させているレッドブレストはアイリッシュウイスキーを代表する銘柄の一つです。
レッドブレストとはコマドリを意味し、オロロソシェリーカスクの中でウイスキーが徐々に赤みを増して行く過程を表現しています。
オロロソシェリーカスクとバーボンカスクでのヴァッティングで複雑な味と香りのバランスがすごくいいです、スパイシー感もありますがスムースで飲みやすいウイスキーです。
ショットバーでときどき思い出したように飲むウイスキーの一つです、フルーティな余韻がずっと口の中に残ります、アイリッシュウイスキーの世界も深いです、今後は少し手を広げてみようと思います。