3大ブランディはコニャックを筆頭にアルメニャック・カルバドスの3つです、これ以外の果汁を原料とした熟成蒸留酒をブランディと表するとしています。
このジェラスはアルメニャックという位置づけでアルメニャック地方で作られたブドウを原料にアルメニャック規則に則って造られたブランディブランドの一つです、現行商品も勿論出しておりアルメニャックファンにはよく知られた存在です。
何故このジェラスが保管されていたかは解りませんがウイスキーの保管箱から出てきました、早々に試飲してみましたが当時の味のままでコニャックに比べて若干渋めの甘さでこれはこれで大変美味しく飲めました。
ちなみにナポレオンとは熟成年数のランクを示しており最上級のXOと次点のVSOPの間にあるランクであり名称ではありません、よく名称と間違えられますがあくまでも熟成年数ランクを表しています。
当時日本でよく買われたコニャックやアルメニャックはXOやナポレオンでした、現在ではおそらくVSOPが最も売れているランクだと思います、80年代とはそういう時代だったのです、高級で高価なものほど売れたのです。
その意味ではコニャックのXOものよりもランクはかなり下がりますが、ジェラス・ナポレオンもある意味ではバブル時代の普及ブランディとしてバブルの申し子と言えるでしょう。

70年代から変わらぬ美味さで愛され続けているロングランなジンといえばビフィーターでしょう、昭和の時代のジンと言えばギルビーとこのビフィーターです。
ギルビーは2000年ごろからショットバーから消えていきましたが、このビフィーターはいまだにカクテルベースのジンとしての座を守り続けています、現在でもおそらく日本で最も消費量の多いジンだと思います。
ジンといえばビフィータのガツンとくる味で記憶している人は多いかと思います、マイルド系の高級ジンが幅を利かせている今でも懐かしの味を好む人は多いと思います。
ビフィーターはラベルに書かれたロンドン・ドライジンの如しで、いまだに製造をロンドン市内で行っている数少ない本格的なジンです。
価格がリーズナブルなのですがレモンピールの風味が強く、カクテルベースとして柑橘系のジュースとは最高にマッチするジンだと思います。

私は昔からジンの好きな飲み方として、腰の強いジンをジンジャーエールで割るジンバックというカクテルで飲むのが好きです。
多くのショットバーで使っているジンジャーエールはカナダドライでありジンジャーが軽く甘すぎるので好きではありません、私はジンバックが飲みたいときには必ずウィルキンソンのジンジャーエールを置いているショットバーで飲みます。
ただウィルキンソンにも2種類あり鮮やかな赤のラベルは甘口でカナダドライとほぼ一緒です、やはりドスンとショウガを感じるエンジ色のラベルの辛口でないと物足りません。
私は夏場に冷やしてそのまま飲むこともあるくらいに大好きなジンジャーエールで、辛口は喉がヒリヒリするほどショウガをモロに感じます、これを飲んでいれば夏バテ知らずです。

左:ウイルキンソン・ジンジャエール 右:コロナエキストラビール
どちらも私のウイスキーを飲むときのチェイサーです
ウイスキー派の私も昔からときにブランディが飲みたくなることがあります、特に〆の一杯で飲むことが多いです、そんなブランディの家飲み用として置いているのがマーテルのVSOPです。
マーテルは五大コニャックブランドの一つでVSOPはXOに次ぐ長期熟成の品質ランクとなっています、XOほどではありませんが甘くトロンとした口当たりを感じられウイスキーとは一味も二味も異なる美味さを堪能できます。
私が家飲み用にマーテルVSOPを選んでいる理由の一つにボトルデザインがあります、多くのブランディは一目でブランディと解るようなデザインですがこのマーテルはウイスキーと並べても違和感が無いデザインをしています。
五大コニャックともなればそれほどブランドによる味の違いは感じられません、それであれば違和感が無いデザインで注ぎやすいストレートなロングボトルを選ぶのが私流です。
そして封を開ければ1ヶ月も持ちませんから、紫外線防止の黒い擦りガラス製のボトルも不要で中身が見える透明なロングガラス瓶が好ましいのです。
ブランディは眠れない夜に脳を沈静化させてくれる薬代わりとして、ウイスキーと共に私の人生には必須のアイテムと言えるでしょう。

ブランディと言ったらコニャック、コニャックと言ったら五大コニャックブランドのヘネシー・レミーマルタン・マーテル・クルボアジェ・カミュです、なかでもカミュは当時から面白い企画物を多数出していました。
ウイスキーの保管ダンボールを整理中に何とも懐かしいボトルを見つけました、80年代に香港やパリの免税店でのみ5年間ほど数量限定で販売されていたカミュのハーフサイズ(350ml)のコニャックスリムボトルです。
発売順は覚えていないのですがジャズ・ジョセフィーヌ・ベルの三種でボトルの形状もラベルもそれぞれ特徴的なデザインが施されています、これが合わせて16本も見つかりました、当時珍しさもあってお土産用に行くたびに買ったのでしょう。
中身はコニャッククラスで言うナポレオンでVSOPとXOの中間に当たる熟成年数が高いコニャックです、見かけ倒しではなく中身は憧れの高級コニャックなのです。
このカミュ・スリムボトルシリーズ3種を知っているのはおそらく70歳以上で若いときに香港やパリに行ったことがある人だと思います、国内発売はされていないものの私のように珍しさもあって保管している人は多いようでアンティークリカーショップにも定期的に持ち込まれるようです。
おそらくですが父親が保管していたものを遺品整理でリサイクルショップにまとめて引き取ってもらうケースが多いのではないかと思います、いずれは一巡して枯渇すること間違いなしです、気になる人はアンティークリカーショップで見つけてみてはいかがでしょう。
1本を開けて風味を確認してみましたが現行のXOと同じくらいの熟成度を感じる芳醇な香りでトロっとした甘さがしっかりあります、風味が壊れてないので行き付けのショットバーに3種を1本づつプレゼントしました。

左:ジャズ 中:ジョセフィーヌ 右:ベル