2025年7月25日 08:00
アンティークウイスキーブームということもあって始めてリサイクルリカーショップを覗いてみました、そこで大きな発見がありました、それはバーボンがほとんど無いことと意外にも高値が付いていたということです。
店員さんにも聞いてみたのですが、アンティークバーボンは持込が少なく並べればすぐ売れていくのだそうです、アンティークバーボンのニーズはそう高いとは思えないのですが私なりに理由を考えてみました。
バーボンがブームだったのは70年代後半から90年代前半くらいです、この頃は国産ウイスキーからバーボンやスコッチブレンデッドにニーズが移り大量に輸入され消費されていきました。
輸入税の緩和などからそれまで高額だった海外の酒類の価格がどんどん下がっていき国産ウイスキーよりも安くなってバーボンやスコッチブレンデッドブームが起きたのだと思います、スナックなどでのキープウイスキーの半分以上がバーボンという時期もあったほど一時期は日本人の多くがバーボンを飲んでいました。
ただ贈答用となるとスコッチブレンデッドのケースの豪華さもあって高級感が好まれました、つまり高級スコッチブレンデッドは贈答用などで保管されているので現存数が多くバーボンの多くが既に消費され当時の流通品はほぼ枯渇してしまっているのだと推測します。
これがバーボンのアンティークボトルがほとんど出ない理由だと思います、時代が変われば価値対象が変わるというのはこういうことです、当時1万円以上もしたアンティークのスコッチブレンデッドが6,000円で買える時代に当時3,000円だったスタンダードバーボンが恐ろしいことに軒並み1万円以上しているのです。
希少価値があるとはいえ10万円以上も出してアンティークバーボンを買う心理は理解できないかもしれませんが私には理解できます、狂喜乱舞した異次元の世界で浴びるように飲んだバーボン、当時を思い出して再度当時の風味を味わいたいという願望は私には正常だと受け入れられます、スコッチもそうですが同じ銘柄でも今のものはマイルドな傾向ですが狂った時代の尖った味とは別物なのです。
同じように当時は1,000円で買えたスタンダードスコッチブレンデッドのJ&Bやホワイトホースなどもノンエイジでありながらも高級スコッチブレンデッドよりも高値で取引されています、これもバーボンと同じで当時買われては消費されていったウイスキーであり現存数が極めて少ないからです。
未来に何が起きるのかを正確に読んで今の行動に繋げている人はなかなかいません、過去のオンタイムのリアル情報と日本のウイスキートレンドなどあらゆるウイスキーに関する正確な情報を得て10年後のウイスキー事情はどうなっているかという予測はそれほど難しいことではありません。
解る人には正確に10年後のウイスキー事情は既に解っていることと思います、今ここで言えることは世界中でウイスキー蒸留所の新設ブームが巻き起こっていることと現存のウイスキー蒸留所が昨年辺りから増産に切り替えているということです、そして人の趣向はそう長くは続かないということです。