私の個人的な嗜好ですがウイスキーを楽しむときに無くてはならないおつまみがブルーチーズとクラッカーです、最近はチーズもクラッカーも価格が一気に倍ほどになり非常に高くつくおつまみになりましたががショットバーでの定番おつまみとしています。
ブルーチーズにも拘りがあって一番好きなのが癖が強烈な羊の乳を使ったフランス産のロックフォールです、二番手はイタリア産のゴルゴンゾーラですがセミハードタイプのアオカビが多く癖の強いピカンテを必ず選びます。
自分の目で見てできるだけアオカビが多く入ったものを選びます、またブルーチーズ意外ではハードタイプのパルメジャーノ・レッジャーノやコクのあるミモレットがウイスキーには最高に合うチーズだと思います。
チーズと合わせるクラッカーは減塩タイプか無塩タイプにします、チーズの旨さを倍増させてくれます、ウイスキーもクラッカーも麦が原料ですから基本的に合わないわけがありません、癖の強いウイスキーもクラッカーでリセットできるので数種類を飲み比べるように楽しむ人には必須おつまみです。
奥・手前左:ロックフォール 手前右:ゴルゴンゾーラ・ピカンテ
一緒にドライチーズやサラミチーズもよく買います
大学時代に先輩に飲ませてもらったジョニーウォーカー・ブラックラベル(通称ジョニ黒)があまりにも美味すぎて一発で虜になってしまった記憶があります、その当時は同じランクの国産ブレンデッドウイスキーの5倍もする1万円ほどの価格で大卒初任給が5万円の時代には手軽に買えるウイスキーではありませんでした。
その後日本は高度成長を成し遂げ円がどんどん強くなり、また輸入税もかからなくなり国産ウイスキー並みの価格に下がり、今ではポケットマネーで買えるウイスキーになりました。
ところでジョニーウォーカーは1909年から100年以上続くスコッチウイスキーの老舗ブランドであり、日本では60年代頃からレッドラベルと共に高級ウイスキーブランドとして親しまれてきたスコッチを代表するブレンデッドウイスキーです。
1990年以降はゴールド・ダブルブラック・グリーン・ブルーと上級だったブラックラベルの更に高級版が次々に誕生しましたが、私を含めて同年代のスコッチウイスキーファンはいまだにジョニーウォーカーと言えばこのブラックラベルであり常飲ボトルとしているファンも多いです。
ちなみにジョニーウォーカー・ブラックラベルのキーモルトはアイラ島のラガヴーリン、スカイ島のタリスカー、スペイサイドのカーデュやダルユーインをメインに40種ほどのモルトを贅沢にも使っています、ラガヴーリンとタリスカーの名前だけでもありがたみを感じるのは私だけでしょうか。
それぞれのキーモルトとジョニーウォーカー・ブラックラベルを飲み比べてみたら非常に興味深い結果になりました、以前はカーデュが強く感じたのですが現在流通しているジョニーウォーカー・ブラックラベルはタリスカーのエッセンスがかなり高いことが解りました。
しかもブラックラベルは12年ですからタリスカーの12年以上が使われているということです、この経験を通して更に大好きなウイスキーになってしまいました、私の家飲み常飲ウイスキーとしては筆頭格です。
今も昔も私の中でのスコッチウイスキーのナンバーワンはジョニーウォーカー・ブラックラベルです、スコッチウイスキーを飲みなれているファンと同様にグリーンやブルーラベルには目もくれずにきっとこれからも常飲し続けることでしょう。

年代ごとにしっかり保存しています、いつの時代も変わらぬ美味さ
昔からショットバーやキャッシュオンバーで飲むビールはコロナです、世界中で飲まれているビールですがコロナだけは瓶のままでカットライムを入れて出すのが暗黙のルールとなっています。
先日キッチンカフェでランチビールにコロナを頼んだら同じように瓶のままでライムが入っていました、世界中でいつどこで飲んでもコロナだけは瓶のまま同じスタイルで出してくれるので安心して頼めます、疑うわけではありませんが特に海外ではグラスやジョッキで出されても中身が本物か判りません。
このコロナですが私はアルコール飲料として飲むのではなくショットバーではチェイサー代わりにレストランではお冷代わりに飲んでいるのです、ショットバーではアルコール度数が高いウイスキーをストレートでグイグイ飲みますので確実に消化器官の粘膜が焼けてしまいます、それを防ぐ意味でコロナを飲みながらウイスキーを飲むのです。
ショットバーでもレストランでもミネラル水は昔から飲んだことがありません、それは私の身体の消化器官の一部が無いために確実に下痢を起こしてしまうからです、したがって三十代での消化器官の摘出手術後はミネラル水を飲めなくなってしまったのです。
不思議に思われるでしょうが実は理にかなっていてどうもミネラル水の浸透圧に原因があるようです、ミネラル水は浸透圧が低いので身体内部に摂り込まれにくいのです、まして消化器官の一部が無い私には言わずもがでしょう。
麦汁を醗酵させたビールは有機物が豊富でアルコールが入っていますから浸透圧が高く私にとっては重要な水分補給飲料なのです、しかもウイスキーと原料が同じですので合わないわけがありません、こうして水代わりに昼間からでもビールを飲むのが日々のルーティンになっているのです。

アードベックを飲みながらチェイサー代わりのコロナとジンジャーエール
左:ウイルキンソン・ジンジャエール 右:コロナエキストラ
手前:ショットバーでの定番おつまみのブルーチーズ・ドライフィグ(ホワイトイチジクのドライフルーツ)・無塩クラッカー、いつもワンプレートに盛り合わせてもらいます

ファッションに音楽のジャンルといい価値観と同様に時代と共に大きく変化していきます、スコッチウイスキーも例外ではなく大きく変化していきました。
私がスコッチウイスキーを飲み始めた70年代では今のようにシングルモルトは日本にはほとんど入ってきていませんでした、そもそもですがスコットランドでも蒸留所の多くがオフィシャルのシングルモルトはほとんど出してなく多くの蒸留所がブレンデッド用に造っていました。
当時でスコッチウイスキーといえばブレンデッドを指していました、特に日本で早くから人気があったのはジュニーウォーカー、ホワイトホース、ディンプル(ピンチ)、オールドパーなどです、今でこそシーバスリーガルの日本市場開拓作戦が成功して日本で最も売れているスコッチブレンデッドになっていますが当時はジョニーウォーカーがダントツの人気でした。
そして80年代に入るとブレンデッドの新ブランドの誕生ブームと高級化に火がつきますが、同時にアイラではボウモアとスペイサイドではグレンフィディックが海外の免税店で大々的に売られるようになったのをきっかけにしてなのか徐々にシングルモルトの価値が認められるようになってきます、また街の小さな酒屋でもシングルモルトが買えるようになりました。
90年代に入りバブル景気が落ち着き出した頃にUD社(現ディアジオ社)から花と動物シリーズが売り出されるや否や一転してシングルモルトブームが巻き起こります、この頃にスコッチウイスキーをショットバーなどで飲み始めた人の多くは現在も尚ブレンデッドウイスキーには目もくれない傾向があるのは面白い事実です。
そして時が流れて現在では再度スコッチウイスキーブームが巻き起こり、ありとあらゆる蒸留所からオフィシャルのシングルモルトが売り出されています、またブレンデッドも負けず劣らずで次々と新しいブランドが誕生し日本で買えるスコッチウイスキーの種類は数えたことはないのですが500種以上はゆうに超えているのではないでしょうか。
今の時代はいろいろなスコッチウイスキーが飲めるのはいいのですが逆に自分の好みを探すのに苦労するのではないでしょうか、私の時代は数種類しかないので選べないけど好みがはっきり解ります、そして同じウイスキーを飲み続けたことによって味のリファレンスができているので新しいウイスキーの味を評価しやすいと思います。
これはオーディオや健康などにも通じる事項です、情報過多で選択肢が多いだけが幸福ではないと思うのです、いつの時代においても在りものに感謝し自分流で生きることに満足できる人が一番幸せだと思います。
ハイランドに存在する14の蒸留所で造られたシングルモルトだけをブレンドしたウイスキーがあります、それがザ・グラッドストンアクスのアメリカンオークです、ヴァッティング後にバーボンカスクで再熟成しています。
モルトブレンデッドウイスキー自体が数少なくアイラモルトだけというのは割と人気があるのですが、あえてハイランドモルトだけというのが非常に興味深いです。
私はショットバーで一度飲んですっかり虜になってしまいました、なんといってもエッセンスが多いのです、スモーキー以外と限定するとウイスキーの持つ全てのエッセンスが詰まっているのではないでしょうか。
香りはモルティでバニラのような甘い香りがします、飲み始めは甘みの中にスパイシーさも加わりフィニッシュにほのかにビターを感じます、またグラスに注いで時間が経つとフルーティな香りに変化します、さらにちょっと水を足してトゥアイスアップにするといきなりマイルドでスムースな味に変化します。
よくできたウイスキーなのですが価格が4,000ほどで買えるというリーズナブルな価格も嬉しいです、姉妹品にブラックアクスがありこちらはアイラモルトとハイランドモルトのモルトブレンデッドになりスモーキーでスパイシーな風味に仕上がっています、アイラモルトが好きな人にはブラックアクスがお薦めです。
横道ですが、ボトルの向かって左側だけにえくぼのような凹みがあります、注ぐ時にちょうど親指がすっぽり入ってしっくりします、飲み手の配慮が嬉しいボトルでもあります。
