アイラモルトやスコットランド各地のシングルモルトはナイトキャップや帰宅直前のショットバーで一日の終わりを愉しみ、休日の家飲みでは主にブレンデッドウイスキーやアイリッシュウイスキー(イギリス北アイルランドカントリー及びアイルランドのウイスキー)をゴクゴクと飲んでは楽しみます。
また外食でもキープしているボトルは各種の焼酎に加えてブレンデッドウイスキーにしています、やはりアイラモルトやスコットランド各地のシングルモルトは私の中では常飲ウイスキーではなく特別な存在なのかもしれません。
そんな常飲用ブレンデッドで最近気に入っているのがモンキーショルダーです、モンキーショルダーの意味は「肩こり」です、英語圏では「肩こり」という単語が無いらしいです。
まあ、「これでも飲んで身体の血流を良くして肩こりを治しましょう」という意味が込められているのかもしれません、それにしても肩に3匹の鋳造のサルが乗ったボトルは捨てるのがもったいないほどお洒落です。
ブレンデッドウイスキーに関しては美味しく飲める自分の嗜好にマッチしているかが重要であり、私的には味や香りを云々と語りたくないというのが正直なところです。
すごく失礼で嫌な言い方をしてしまうと、個人的にアイライモルトやシングルモルトには強い拘りと興味が沸くのですが、同じウイスキーでもブレンデッドウイスキーやグレーンウイスキー(バーボン含め)は別のお酒として認識しているのか何の拘りも無く、ただただ美味しく飲めるものが好きです。
ちなみにこのモンキーショルダーはブレンデッドといってもモルトだけのモルトブレンデッドであり、スペイサイドにある有名なグレンフィディックをはじめバルヴェニー、キニンヴィの3つの蒸留所のモルト原酒だけをブレンドした贅沢過ぎるモルトブレンデッドウイスキーです。
価格もグレンフィディック12年とほぼ同じ価格であり、グイグイ飲めるとはいえ本来はストレートで味と香りを楽しめる本格的なウイスキーであることを忘れてはいけません。
オフィスの飾り棚にオブジェ風に鎮座させたモンキーショルダー
最近肩こりが激しいのでウイスキーで洒落た神頼み
イギリスのカントリーの一つである北アイルランド及びアイルランドで作られるウイスキーをアイリッシュウイスキーといいます、その代表格の一つであるブッシュミルズはモルトウイスキーを50%使ったブレンデッドウイスキーで癖が無く万人受けするウイスキーです。
このブッシュミルズ・アメリカンオークフィニッシュは、ブレンデッドではなく各種のシングルモルトをヴァッティング後にアメリカンオークカスクで再熟成したシングルモルトです。
北アイルランドで400年続くという最古の蒸留所で世界中にファンも多いブッシュミルズ、なかでも私の好きなのがこのブッシュミルズ・アメリカンオークフィニッシュです、他に各種のカスク版があり価格も4,000円程度とスコッチウイスキーに比べるとリーズナブルな価格です。
伝統技法そのままにノンピートモルトをバーボンカスクで再熟成しているので、バーボンカスクの味と香りのベースとして記憶でき大好きなアイラモルトの味と香りのカスクリファレンスにもなります、アイラモルトファンとしてウイスキーの原点に迫る探求がまた楽しいひと時なのです。
特に謎のアイラモルトのカスク当てにはこういったカスク独特の味のベースとなるリファレンスに使えるウイスキーは重要です、とはいえ飲みやすいので味を確認しつつ結局何杯も飲んでしまうので要注意です。
この1年ほどのウイスキーの値上げが物凄い勢いです、銘柄によっては倍以上にもなっているものもありますが概ね50%以上は値上がりしています。
ロシアのウクライナ侵攻によって大麦の価格や蒸留するための燃料費が高騰し、さらには日本においては急速な円安によって輸入価格が跳ね上がっています。
また加えて輸送コストや日本国内の人件費の大幅アップなどでの価格反映が加わり、同じボトルでも買うたびに値段が上がっておりウイスキーファンとしては忍び難い日々を過ごしております。
でも考えてみるとこれまでのウイスキーが安すぎたのです、たとえば50年前の大学生の頃はスコッチウイスキーは最高級酒でそうそう気軽に買えるものではありませんでした、ちなみに当時の大卒初任給が5万円だとして今では4,000円で買えるジョニーウォーカー赤ラベルが1万円近くもしていました、今では信じられない時代だったわけです。
その後他国からの圧力によってアルコール類の輸入税の緩和が続き、日本の急速な経済力向上による円高となりこれまで手が出なかった高級ウイスキーが毎年のように値下がりしていったのです。
20代後半からの海外出張では必ず限度の3本を買っていたのですが、バブルの頃はおかしなもので日本で買うのとあまり違いが無くなり海外で買うこともなくなりました、しかし最近の日本国内価格の値上がりによって海外の空港免税店で購入して帰るウイスキーファンが増えたようです、常に時代は繰り返すということでしょう。
価格が上がれば一杯のありがたみも感じることができますので私個人としては歓迎こそしませんが悲観することでもありません、ただ毎日のように帰宅直前に行くショットバーでの1杯の価格が上がりちょっと気を緩めると1万円を超えてしまうのはなんともはやな気分なのです。
最後になりましたが国産ウイスキーも異常な価格にまで上昇しています、これは品薄になりメーカー希望価格を上回る価格で取引されているからです、手に入らない人気銘柄は3倍以上で売られるケースもあります。
加えてビールが2度に渡って値上がりし焼酎の価格も急上昇しています、アルコール漬け人生の私にとっては容易には見過ごせない状況です、まあしっかり稼いで落ち着くところに落ち着くまでしばし我慢を続けることにしましょう。
世の中どんなものでもニーズが在ればビジネスになるという一つの例がプレミアムウイスキーのリサイクルショップです、世の中には欲しい物には幾ら出してもいいという人はたくさんいるということです。
このプレミアムウイスキーというのは何かですが、例えば有名な銘柄の少量生産のカスクストレングス(樽出し原酒)や熟成年数が長いブレンデッドウイスキーであり、ブランドでいうと閉鎖された蒸留所銘柄やマッカランなどは特に高値で取引されています。
また少量生産の中でも樽入れとボトリングの年が明確に記入され販売本数とボトルナンバーが手書きで記入されている蒸留所銘柄のボトルなどは、自身の誕生年のものを買って飲みたいという大きなニーズがあり、その意味ではハイランドパークなどは価格も変動しやすく人気ブランドになっています。
これらはオークションでも取引されており100年以上前のボトルなどは1億円を超えるものまであります、そこまで貴重なボトルはさすがにショップでは売られていませんが先日ちょっと覗いてみましたら100万円を超えるものが大量に売られていました。
バブル期の頃に銀座のショットバーでは、マッカランの30年以上の箱付きボトルが2~300万円ほどでキープする人が多数いました、その頃味わった味をもう一度という人もいるのかもしれません。
買取は販売価格のおおよそ30~50%程度です、社長がコレクションしていたボトルを100本以上まとめて買い取りに出す法人もときどきあるそうです。
多くはバブルの頃に買い求めたものだとすると少なくても購入価格が500万円として買取価格は最低でも20倍の1億円以上となります、そんなつもりでコレクションしていたわけでもないのに気が付いたら大きな資産に育っていたということです。
尚、プレミアムウイスキーショップでは空のボトルもコレクター向けに買取販売しているところもあります、特に高級な作りの木箱や証明書が付いた限定ボトルは空でも100万円を越えるものも多々あります。
目利きさえできれば少量限定製造のウイスキーは大きな資産構築になるということです、株や土地と異なり価格は絶対に下がることがないし保管場所もとらないので確実な投資だと思います。
更にワインと違いウイスキーは長年放置でも品質がほとんど変わらないので冷蔵保存とか気を使うこともないので気楽なのですが一つだけ保管方法に気を使うところがあります、その方法をとっていないと致命的な欠陥品となります、それに関しては別の機会にでもお話しましょう。
どなことにも興味を持つ人はそれだけビッグチャンスが得られやすいという一つの大きな例がここにあります、最後に一つだけ注意をしておくと、どんなウイスキーでも確実に値は上がるのは確かですが現在は消費者物価も急上昇のトレンドに入っています、更には買い取り価格は市場の30~50%です。
つまり相対価値として下がるものがほとんどだということです、プレミアムが付くものは購入する際も大きな資金が必要なのです、「お金は低いところから高いところに流れる」ということです、お金を得たいのであれば高嶺の世界に是非とも行きましょう。