ウイスキー派の私も昔からときにブランディが飲みたくなることがあります、特に〆の一杯で飲むことが多いです、そんなブランディの家飲み用として置いているのがマーテルのVSOPです。
マーテルは五大コニャックブランドの一つでVSOPはXOに次ぐ長期熟成の品質ランクとなっています、XOほどではありませんが甘くトロンとした口当たりを感じられウイスキーとは一味も二味も異なる美味さを堪能できます。
私が家飲み用にマーテルVSOPを選んでいる理由の一つにボトルデザインがあります、多くのブランディは一目でブランディと解るようなデザインですがこのマーテルはウイスキーと並べても違和感が無いデザインをしています。
五大コニャックともなればそれほどブランドによる味の違いは感じられません、それであれば違和感が無いデザインで注ぎやすいストレートなロングボトルを選ぶのが私流です。
そして封を開ければ1ヶ月も持ちませんから、紫外線防止の黒い擦りガラス製のボトルも不要で中身が見える透明なロングガラス瓶が好ましいのです。
ブランディは眠れない夜に脳を沈静化させてくれる薬代わりとして、ウイスキーと共に私の人生には必須のアイテムと言えるでしょう。

フルーツは柑橘系以外ならウイスキーのおつまみとしてよく合います、特にほんのりした甘みと酸味のブドウは最高です。
この場合、是非とも皮ごと食べられる種無しブドウをお薦めします、何故なら種がお皿に残ったビジュアルがお洒落じゃないからです、また女性の場合は種をとる仕草を嫌がる人も多いでしょう。
品種は手に入るものでいいのですがチリ産のワイン用に栽培されている種無しブドウが赤も白も甘みがあって美味しいです、シーズンにはデパ地下やフルーツパーラーで買えるでしょう。
盛り付けは枝付きでもいいのですが、枝から取って他のフルーツと一緒に盛り付けるといいと思います、おつまみの基本は皿に乗っているものは全て食べられるものが理想です、つまりお客様に食べカスを出させないというデリカシーが肝要です。

何故か強いアルコールを飲んだ後にステーキなどの肉類を食べたい人が多いです、私も多分に漏れず飲み始めよりも飲んだ後の方が肉類を無性に食べたくなります。
そんな時にはできるだけ柔らかくてさっぱりした赤身の肉が合います、私のお薦めはロースやフィレの赤身を食べやすい大きさにカットして作るサイコロステーキです、少な目のオリーブオイルにスライスニンニクで香りを付けて、一口大にカットした牛の赤身肉を焦がさないように弱火でローストします。
塩味やスパイスの香りが強いとせっかくのウイスキーの味が飛んでしまうのでほんの少しだけ塩とスパイスを振るだけがおつまみに最適です、スパイスはレインボーコショーやホールハーブを粉にしたものが合います。
もしお店で出すときには盛り付ける前に余分な油を吹いてさっぱりと頂けるように工夫して欲しいです、飲んだ後の身体はたんぱく質(アミノ酸)を欲しがるのであって脂肪分を欲しがっているのではありません、何事にも基本原理を学ぶことがお客様の健康を考えてあげる意味で重要です。

ブランディと言ったらコニャック、コニャックと言ったら五大コニャックブランドのヘネシー・レミーマルタン・マーテル・クルボアジェ・カミュです、なかでもカミュは当時から面白い企画物を多数出していました。
ウイスキーの保管ダンボールを整理中に何とも懐かしいボトルを見つけました、80年代に香港やパリの免税店でのみ5年間ほど数量限定で販売されていたカミュのハーフサイズ(350ml)のコニャックスリムボトルです。
発売順は覚えていないのですがジャズ・ジョセフィーヌ・ベルの三種でボトルの形状もラベルもそれぞれ特徴的なデザインが施されています、これが合わせて16本も見つかりました、当時珍しさもあってお土産用に行くたびに買ったのでしょう。
中身はコニャッククラスで言うナポレオンでVSOPとXOの中間に当たる熟成年数が高いコニャックです、見かけ倒しではなく中身は憧れの高級コニャックなのです。
このカミュ・スリムボトルシリーズ3種を知っているのはおそらく70歳以上で若いときに香港やパリに行ったことがある人だと思います、国内発売はされていないものの私のように珍しさもあって保管している人は多いようでアンティークリカーショップにも定期的に持ち込まれるようです。
おそらくですが父親が保管していたものを遺品整理でリサイクルショップにまとめて引き取ってもらうケースが多いのではないかと思います、いずれは一巡して枯渇すること間違いなしです、気になる人はアンティークリカーショップで見つけてみてはいかがでしょう。
1本を開けて風味を確認してみましたが現行のXOと同じくらいの熟成度を感じる芳醇な香りでトロっとした甘さがしっかりあります、風味が壊れてないので行き付けのショットバーに3種を1本づつプレゼントしました。

左:ジャズ 中:ジョセフィーヌ 右:ベル
ブランデーグラスにキューリを挿して飲むのは多分昭和の男でしょう、昭和の時代のクラブでは高級ブランデーにおつまみのスティック野菜のキューリを挿して飲むのが流行ったのです。
キューリの香りがブランデーのアルコール臭を見事に消して爽やかな香りに変化するということから流行ったようです、実に自由で平和な時代でした、今の時代にやったら笑われるかもしれません。
これを思い出して実験してみました、ウイスキーの味を変えてしまう生野菜が多い中でキューリは不思議とウイスキーやブランデーに合うことが解りました、ただし塩味の強い漬物類(糠漬け、柴漬け、たまり漬け等)は全て駄目でした。
そこでオリーブオイルにワインビネガーを加えてキューリのたたきに合えてみたらすごく爽やかな香りのウイスキーに合うおつまみになりました、下手にスパイスやハーブ類(ミョウガやシソなどの香草)は無いほうがキューリの爽やかな香りを楽しめます。
おつまみは料理と違って味や香りを作りこんで主張させては駄目です、あくまでもお酒を美味しくする脇役でなければなりません、おつまみに余計な小芝居は禁物です。
