紅茶好きな人に親しまれているほぼ紅茶のお酒でティフィンというドイツ産のリキュールがあります、独自のカクテルレシピもあり紅茶とお酒を同時に楽しめるリキュールです。
アルコール度数は他のリキュール類と同じ程度の24度ですから割と扱いやすいリキュールだと思います、紅茶はヒマラヤ産のダージリンであり紅茶にも拘っているリキュールです。
私は妙なカクテルにするよりも素直にミネラル水やお湯で割ってレモンスライスを入れたものが最も美味しいと感じます、そもそもそういうリキュールですからシンプルに飲むのが一番です。
ティフィンの後に緑茶(グリーンティ)やウーロン茶のリキュールも生まれ、ウイスキー臭が苦手な人でもショットバーでお酒を楽しめる時代になりました。

ほとんど鶏ハムを作るときに同時に鶏ジャーキーを作ります、なぜなら漬け込み液がほぼ同じで熟成が同時にできるからです、鶏ハムには漬け込み液にバジルペーストやハーブを入れますが、鶏ジャーキーのほうはハーブは一切使いません。
どちらも淡白な鶏ムネ肉が美味しいですが、ジャーキーはカットせずにそのまま漬け込めるササミを使うこともあります、できた際の味は鶏ムネ肉のほうが下処理に手間はかかりますが美味しいと思います。
ジャーキーは加熱せずにしっかり漬け込んでから水気を拭き加熱せずにそのまま乾燥させます、レシピ本に出ているような天日乾燥もよいですが日数もかかり夏場はカビてしまうリスクがあります、私は独自の方法で普通の約10分の1以下の日数でしかも殺菌しながら作ってしまいます。
歯ごたえがよくほんのり甘い鶏ジャーキーはウイスキーを最高に美味しくさせてくれます、このために手間隙かけて作るのです、あまり日持ちがしないので作ったら1週間以内に食べることをお薦めします。

以前直営していたイタリアンレストランで出していたオリジナルレシピで作ったパテドカンパーニュ(フレンチではテリーヌ)です、3種のチーズのハチミツがけを添えてアンチパストメニューの鉄板にしていました。
パテドカンパーニュのメイン食材は鶏レバーです、臭みを取って半固形のパテ状に仕上げるのですが、どんなに臭みを消しても苦手な人もいますので癖が強い料理であることは間違いありません。
しかし癖の強い料理も癖の強いウイスキーにはブルーチーズと同様に美味しいおつまみになります、ただ料理として出すのとおつまみとして出すのには調理法やデコレーションなどを変える必要があります、こういった癖の強い料理を研究することは楽しいものがあります。



つい先日のこと、行きつけのショットバーでびっくるする会話を耳にしてしまいました、それはこんな感じです。
マスター 「ご注文は何にしましょう?」
客 「ハイボールで!」
マスター 「何をハイボールにしますか?」
客 「え!? ハイボールに種類があるんですか?」
まあ話の流れで解ったのですが、きっとそのお客さんは居酒屋でハイボールを頼む感覚だったのでしょう、居酒屋でハイボールといえばウイスキーハイボールを暗黙の了解で指しており、指定が無ければ店で決めているウイスキーを使うようにしています。
居酒屋でのウイスキーハイボールの多くは日本のものではサントリー角などでアメリカンウイスキーであればジムビームやアーリータイムス辺りが原価的に用意されていると思います、指定が無ければ安いほうの原価のウイスキーで作ります、なのでハイボールだけで通ってしまうわけです。
ところがショットバーでハイボールといえば飲み方の指定であって特定の飲み物を指してはいませんので、どんなお酒のハイボールなのかを指定しなければ作れないわけです。
ウイスキーのハイボールやジンなどのスピリッツをハイボールで飲む人もいれば、ブランデーやリキュールをハイボールで飲む人もいます、だから冒頭の会話となってしまうわけです。
まあショットバーに慣れないとなかなか自分の好みのお酒が飲めないという敷居の高さを敬遠する人もいますが、知らないものは知らないと正直になればバーテンダーが丁寧に教えてくれます。
カクテルだって最初から知っている人などいません、誰もが時間をかけて覚えていくものです、その中から自分の好みを知って各種スピリッツや各種リキュールを使ったカクテルを少しずつ覚えていくのです。
ウイスキーも同じことです、一つのショットバーで少なくても100種ほどの各種ウイスキーが置いてあるのですから、どんな味が好みかを聞きながら覚えていくのがショットバーで飲む愉しみというものです。
それに価値を見出せない人はショットバーでは愉しくお酒を飲むことはできないでしょう、妙なプライドを捨て正直に生きること、ショットバーはそんな生き方を学べるところでもあるのかもしれません。
ハイランド地方のモルトウイスキーをベースにしたリキュールがあります、それがドランブイというリキュールです、ショットバーに通う人なら誰しも知っていると思います。
ドランブイの歴史は古く、スコットランドのスチュアート王家に伝わるレシピが1745年に王家の争いの果てにフランスに無事亡命できた勲章として兵士を代表してジョン・マッキノンに贈られました。
その後1906年にマッキノンの子孫が酒造会社の協力の下に商品化しイギリス全土で親しまれるようになりました、そしてその後は全世界に輸出されていったのです。
現行商品は数十種のモルトウイスキーをブレンドした後にハーブやスパイスを漬け込み、スコットランドに咲くヒースという花から採ったハチミツを加えるという何とも贅沢なレシピのリキュールです。
アルコール度数は40度でブレンデッドウイスキーなどと同じです、ストレートで飲む人もいますがお薦めは水割りかお湯割です、甘すぎずモルトウイスキーの風味を感じられます。
ちょっと疲れたときなどに飲むと熟睡でき疲れが飛びます、そもそものレシピはそういう滋養強壮の薬だったのですから納得です。
