
人口200人に対して鹿が5,000頭生息するというアイラ島と向かい合うように存在する小さな島であるジュラ島、その唯一の伝統ある老舗アイル・オブ・ジュラ蒸留所のスタンダードがこのジュラ10年です。
ジュラ島の蒸留所というのが珍しいのか人気が出てきたのか、それともリーズナブルな価格で勧めやすいのか最近よくショットバーでも見かけるようになりました。
ボトルの形が非常に個性的ですが、ラベルをよく見て買わないと外見はそっくりでも中身がまったく違うという紛らわしいシングルモルトですので購入の際には注意が必要です。
本ボトルであるスイートシェリーカスクのジュラ10年は甘い香りが特徴のフルーティなシングルモルトに仕上がっています、飲み込んだ後にくるバニラのような香りも相まってウイスキービギナーにもたいへん飲みやすいウイスキーだと思います。
品名 ジュラ10年
熟成年数 10年
カスク スイートシェリー
蒸留所 アイル・オブ・ジュラ(アイランズ:ジュラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 40度
内容量 700ml
価格 4,500円~5,500円(2024年3月時点)

マル島にあるトバモリー蒸留所では冠名のトバモリーとレダイグの2種をツートラックブランドとして製造しています、トバモリーはノンピートでレダイグはヘビリーピーテッドです、本ボトルはそのレダイグのピーティ感をマックスに感じるレダイグ10年です。
モルトの原料はアイラ島のポートエレンから仕入れています、ポートエレン蒸留所が閉鎖してしまった今ではアイラ島のモルトだけで作られたスモーキーなシングルモルトとしてありがたみを感じるのは私だけでしょうか。
ショットバーでもトバモリーは置いてなくてもレダイグは置いてあります、世界的にもレダイグがトバモリー蒸留所のフラッグシップになっているのは間違いないでしょう。
注いだときから立ち上がるスモーキーなピート臭にはじまり、飲み込んだときに感じる潮の香りに加えて若干感じる酸味、飲み込んだ後にくるアーモンドをローストしたようなモルティな味と香りといいスコッチウイスキーのエッセンスが凝縮しています。
好みもあるでしょうが私個人的にはアイランズの中では最も美味しいと感じるシングルモルトです、他のアイランズモルトと比べて極めて個性的な味と香りを堪能できるでしょう、私のイチオシのアイランズシングルモルトです。
品名 レダイグ10年
熟成年数 10年
カスク 不明
蒸留所 トバモリー(アイランズ:マル島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46.3度
内容量 700ml
価格 6,000円~9,500円(2024年3月時点)
アラート 入手困難状況、価格上昇傾向


左:タリスカー10年 旧ラベル 右:タリスカー10年 新ラベル
2017年までスカイ島唯一の蒸留所であったタリスカー蒸留所が誇る鉄板スタンダード銘柄です、タリスカーと言えばこのタリスカー10年を指しています。
スカイ島のシングルモルトは現在では期間限定的ながら同銘柄でしか味わえませんので、過去から各種のボトラーズ銘柄のブレンド用としてのニーズもあり世界的にも昔からファンの多いシングルモルトの一つです。
ピート臭から始まりスパイシーな味ときてフィニッシュは甘酸っぱい香りが広がるのでアイラモルトと勘違いする人もいますが、アイラ島よりも若干北にあるスカイ島のシングルモルトですから味や香りが似てくるのは当然かもしれません。
ブナハーブンなどのノンピートのアイラモルトよりも断然タリスカーのほうがアイラモルトらしいと言えます、フルーティな後味といい香りも極めて上品で女性に人気があるのも頷けます、ちなみにジョニーウォーカーのキーモルトの一つでもあります。
品名 タリスカー10年
熟成年数 10年
カスク アメリカンオーク
蒸留所 タリスカー(アイランズ:スカイ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 45.8度
内容量 700ml
価格 5,000円~6,000円(2024年3月時点)

伝説のUD社(現ディアジオ社)花と動物シリーズ26種のうちの1つで、1991年発売当初から現在まで定期的にリリースされており現在でも入手可能な数少ない11種のシリーズ銘柄の1つであるリンクウッド12年です。
リンクウッドは現行の花と動物シリーズのなかにあって人気抜群のシングルモルトで白鳥がシンボルキャラクターとなっているスペイサイドにある蒸留所です、そこで製造される99%はボトラーズ銘柄やブレンデッド用でありオフィシャルのシングルモルトは大変貴重です。
蒸留所の冠銘柄のリンクウッド12年はその意味では同蒸留所の極めて貴重なシングルモルトです、おそらくあと数年で手に入らなくなる「未来のお宝モルト」の一本と言っても過言ではないので買えるうちに買っておくべきウイスキーだと思います。
ピート臭は柔らかくスパイシー感もほどほどでむしろフルーツケーキのような香りが極めて濃厚且つ上品です、スペイサイドの蒸留所らしいバランスの取れた味と香りは流石です。
特に強烈なアイラモルトを飲んだ後だと優しい味と香りが余計に引き立ちチョコレートやドライフルーツなどをつまみながら飲むと精神的にも落ち着いてきます、私にとって1日の〆のストレートで頂く一杯には最高のスコッチウイスキーとなっています。
品名 リンクウッド12年 花と動物シリーズ
熟成年数 12年
カスク 不明
蒸留所 リンクウッド(スペイサイド)
ボトラー ディアジオ社
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 11,500円~16,000円(2024年2月時点)
特記事項 花と動物シリーズのなかにあって現在でも手に入る貴重なシングルモルトの一つ、リリース時期によって価格に若干のバラツキがある

ラフロイグが1815年に蒸留を開始したときの味を今に伝えるという意味でマネージャーであるキャンベル氏の拘りで作られたロア(「伝承」の意味)は、ラフロイグのウイスキーに対する精神そのものを味わえる特別仕様の逸品です。
その拘りのスペックの一つはヴァージン・ヨーロピアンオークカスクで熟成した後にファーストフィル・バーボンカスクに移し更に熟成させるという手の込んだ2カスクマチュアードとしています、更に熟成前に複数のカスクで熟成させたカスク原酒をヴァッティングしています、これによって複雑なエッセンスを醸し出す見事なバランスのウイスキーに仕上がっています。
ラフロイグといえば過去にはグレーンウイスキーを混ぜたブレンデッドもオフィシャルで創出していた時期もあります、その意味ではラフロイグ蒸留所だけで完結ブレンデッドとしたラフロイグ・モルトブレンデッドウイスキーと言っても過言ではありません。
尚、ラフロイグはオフィシャル版はホワイトラベルで、特別仕様や限定版はブラックラベルで識別していますのでブラックラベルのラフロイグを見つけたらよく調べてから購入するのがよいかもしれません。
品名 ラフロイグ ロア
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク ヴァージン・ヨーロピアンオーク、ファーストフィル・バーボン、他数種のカスク
蒸留所 ラフロイグ(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 48度
内容量 700ml
価格 14,000円~15,500円(2024年2月現在)
特記事項 複数カスクヴァッティング&2カスクマチュアード(ヴァージン・ヨーロピアンオークカスク~ファーストフィル・バーボンカスクフィニッシュ)