アイラモルトのスタンダード化しているような存在のボウモアですが、このボウモア12年はボウモアのまさにスタンダードといえる存在でありアードベックが男性に好まれるのに対してボウモア12年は40度ということもありアイラモルト女子にも好かれる傾向があります。
ボウモア12年はアイラモルトの女王と称されているようですが実に納得です、ストレートで飲んだ後にチェイサーを飲むとうっすらと柑橘系フルーツの香りとさっぱりとした酸味感が口の中に広がり女性が好む理由はこれなのかもしれません。
アイラモルトらしい味と香りですが非常に飲みやすいアイラモルトだと思います、ピート臭もしっかり入っているものの実に柔らかい香りでどんな料理に合わせても料理の味を壊すことがありません。
ちなみにボウモア12年はアイラモルトの特徴であるピート臭と濃厚さを示すゲージの中央に位置されているリファレンスアイラモルトで、他のアイラモルトの評価の参考にされるほどバランスの取れたアイラモルトです。
私個人的には絶対にやらないのですがロックや水割りで楽しむ人も多いようです、確かにアイラモルトの歯茎に刺さるようなきつさが緩和されてマイルドになり美味しいとは思います、ただ何故か個人的にはアイラモルトだけはビールをチェイサー代わりにしてストレートで歯茎に感じる刺激を楽しみながら頂くのが一番美味しいと思うのです。
カリラ12年に惚れる前まで私のナイトキャップウイスキーであり、カリラ12年に次いで量を重ねたアイラモルトでしょう、アイラモルトビギナーにもお勧めの逸品です。
品名 ボウモア12年
熟成年数 12年
カスク バーボン
蒸留所 ボウモア(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 40度
内容量 700ml
価格 5,500円~7,000円(2023年7月時点)
オフィス近くのリカーショップで買ってすぐに撮影、そして試飲?
「待ってました!」、思わず声に出てしまうほど待ち焦がれていた本格アイラモルトの若熟成年数物でショットバーでも既に大人気のボトルとなっています。
アイラモルトファン待望の若熟成年数のキツーイ一発が何時でも飲めるレギューラー品としてアードベックから誕生しました、その名も「ウィービースティ」で「小さな怪物」という意味で使われるのだそう、日本で言えば「小粒でもピリリと辛い山椒」みたいな感じでしょうか。
ピート臭は熟成年数が多くなればなるほど樽に染み込んでしまって薄まっていきます、したがって本来のピーティ感を味わえるのは若熟成年数のものでしかないのです、そして味も粗く消毒水のような歯茎の奥がギンギンくるような刺激、これがアイラモルトファンには堪らない味と香りなのです。
バーボン樽とシェリー樽でそれぞれ5年寝かせたモルトを絶妙なバランスでヴッティングしてそのままボトリング、アイラモルト独特のスパイシーな味とピート臭、そして最後にくる香ばしい甘い香りを存分に堪能できます。
バーボン樽といえばTEN、シェリー樽といえばコリーヴレッカン、つまりこの2つの若い原酒のヴァッティングなのだろうかと勘ぐってしまいますが実際には解りません。
アイラモルトファンの熱望に答えて若熟成年数でもがっかりさせないようにブレンダーが腕を振るって絶妙なバランスで調合したのでしょう、アードベックが自信をもって世に出した傑作品です、価格も極めてリーズナブルですので飲めるうちに是非ともガンガン飲んでおきましょう。
アイラモルトにあってアードベック蒸留所は老舗でありながら小規模な蒸留所で挑戦的な新商品をどんどん出し続けています、その数多いアードベック銘柄の中で最もアイラモルトらしい味と香りを楽しめるのがこのアードベック5かもしれません。
品名 アードベック5年 ウィー ヴースティ
熟成年数 5年
カスク バーボン、シェリー
蒸留所 アードベック(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 47.4度
内容量 700ml
価格 5,500円~6,500円(2023年7月時点)
特記事項 2カスクヴァッティング
左:アードベックTEN 右:アードベック・コリーヴレッカン
色が違えば味も香りも違うことが解る。
アイラモルトの代表格ともいえるアードベックのレギュラーラインアップの中にあって異色な存在がこの一癖も二癖もあるコリーヴレッカンです、熟成年数は不明ですが原酒のままヴァッティングしているようで極めてシングルカスク(1つのカスク原酒をそのままボトリング)に近い逸品です。
誕生のきっかけはアードベックの可能性を追求する意味で、アードベックがウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞した2008年にピート臭(スモーキーフレーバ)をMAXにしたカスク原酒をバッティングしてアードベックのファンクラブ会員向けに5,000本限定で販売しました、ところが再販のリクエストが殺到しその後レギューラーボトルとして製造販売するようになったという逸話があります。
また2010年にはワールドウイスキーアワードにおいて、個性的な味と香りが認められベスト・シングルモルト賞を受賞した逸品です。
アイラモルトの命ともいえるピート臭をこれでもかというくらいに付加しており、私が味わったアイラモルトの中では上位3本に入るくらいに強烈ではないかと思います、ちなみにコリーヴレッカンという名称はジュラ島とスカパ島との間にある海峡名で大きな渦潮が発生することで有名な場所です。
アイラモルトらしい癖の強さを求め更に上品な後味を楽しみたい人にはお勧めの逸品です、一口めにガツンとくるスパイシーな味とピート臭に加えて飲み込んだ後に広がるカラメルのような甘い香りは個人的にはと付け加えますが熟成チーズや無塩クラッカーとの相性は抜群です。
アイラモルトでいう甘いカラメルの後味とはこういうことだと記憶したい人は是非ともチェイサー片手にストレートで飲んでみてください、忘れられない甘く香る後味をしっかり記憶できるでしょう、その意味でこの価格は決して高いとは思いません。
品名 アードベック コリーヴレッカン
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク ヨーロピアンオーク(フレンチオーク)
蒸留所 アードベック(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 57.1度
内容量 700ml
価格 11,500円~13,500円(2023年7月時点)
特記事項 ヘビリーピーテッド、カスクストレングス
アラート 750ml版という同一ラベルの旧ボトルが存在し価格は20%ほど高い
アイラモルトで最も世界で飲まれているのが、このアードベックのスタンダードともいえるTEN(10年)ではないでしょうか。
またアイラモルト好きの人へプレゼントして残念がる人もいないでしょう、つまり愛飲ボトルでなくてもアードベックTENは必ず手元に置いているほどアイラモルトファンなら誰でも好む逸品だと思います。
ちなみに私は新しく手に入れたアイラモルトやブレンデッドウイスキーの味と香りの比較を行う際のリファレンスモルトとして切らさず置いています、この根拠として実はブレンデッドウイスキーの名品であるシーバスリーガルやバランタインなど多くのブレンデッドウイスキーのベースモルトウイスキーとしてアードベック蒸留所のモルトウイスキーが採用されているからです。
味はまさにアイラシングルモルトはこういう味という代表的な味で一口でバシッと口に広がるピート臭(スモーキーフレーバ)が心地よく、後味は甘いカラメル臭が広がります。
ウイスキーファンで、初めてアイラモルトを飲む場合もアードベックTENならアイラモルトの癖が強すぎるといって嫌いになることもないでしょう。
味と香りのバランスが抜群で10年貯蔵とは思えないほどアイラモルトのなかではマイルドで飲みやすいです、このバランスと品質が評価されアイラシングルモルトとして始めてウイスキー・オフ・ザ・イヤーを2008年に受賞したのは納得です。
品名 アードベックTEN
熟成年数 10年
カスク ファーストフィル・バーボン、セカンドフィル・バーボン
蒸留所 アードベック(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml(1,000mlボトルもあり)
価格 7,000円~10,000円(2023年7月時点)
特記事項 2バーボンカスクヴァッティング