マキヤーベイ(左)とサナイグ(右)、カスクが変われば色も違う
創業2005年とアードナッホーの次に新しいアイラ島の蒸留所でアイラ島では124年ぶりに新たな蒸留所を設立したキルホーマンは、自社農場を持ち農場の一角に蒸留所があるというモルトファーム&ディステラリーという大変珍しい形態の蒸留所です。
そのキルホーマン蒸留所が送り出すシングルモルトのスタンダードともいえるのが味と香りのバランスがよいマキヤーベイですが、そのマキヤーベイよりもピート臭を多めにつけたのがヘビリーピーテッドのサナイグです。
キルホーマンは各種のカスクや製法を変えたものなど若い蒸留所特有の多品種の同ブランド製品が出揃っていますので、コレクションとして味や香りの違いを楽しむのも面白いと思います。
サナイグの名称は青く美しい穏やかな海岸のマキヤーベイに対して、岩がゴツゴツとした海岸であるサナイグからきており、その名のとおりガツンとアイラモルトの骨太な味と香りを楽しめる逸品です。
マキヤーベイもアイラモルトのエッセンスがすべて詰まった逸品でピート臭を強めにしてありますが、サナイグはその上をいくヘビリーピーテッドで燻製のような強いピート臭とスパイシーな味と香りですが後味は甘いジュースのような濃厚で芳醇な味と香りに包まれ不思議な感覚を起こさせてくれるアイラシングルモルトです。
マキヤーベイのアイラモルトらしさを堪能したら是非とも次はサナイグを飲んでみてください、同じ蒸留所でもはっきりと味と香りに対するポリシーの違いが解ると思います。
ちなみにマキヤーベイはバーボンカスクで熟成しているのに対してサナイグは甘口のオロロソシェリーカスクで熟成しているのか桃や杏のような甘酸っぱい後味が広がります、熟成年数は不明ですが一口目のピーティな味と香りからして5年ほどではないかと推測します、それにしても若熟成でこの味のバランスグレードは驚きです。
<2023年10月27日追記>
品薄状況で価格が上昇し始めています、終売間近か。
品名 キルホーマン サナイグ
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク オロロソシェリー
蒸留所 キルホーマン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 9,000円~10,000円(2023年10月27日更新)
特記事項 ヘビリーピーテッド
アラート 品薄状態で価格上昇中(2023年10月27日更新)
創業2005年とアードナッホーの次に新しいアイラ島の蒸留所でアイラ島では124年ぶりに新たな蒸留所を設立したキルホーマンは、自社農場を持ち農場の一角に蒸留所があるというモルトファーム&ディステラリーという大変珍しい形態の蒸留所です。
そのキルホーマン蒸留所が送り出すシングルモルトのスタンダードともいえるのが価格もリーズナブルで味と香りのバランスがよいマキヤーベイです、ほとんどのショットバーでキルホーマンと言えばマキヤーベイを出してくるのではないかと思います。
キルホーマンは各種のカスクや製法を変えたものなど若い蒸留所特有の多品種の同ブランド製品が出揃っていますので、コレクションとして味や香りの違いを楽しむのも面白いと思います。
マキヤーベイはウイスキー評論家として著名なジム・マレーがウイスキーバイブル誌で94点という高得点を付けて有名になりました、またインターナショナルワイン&スピリッツコンベティションで2012年に金賞を受賞しています。
近年では樽出し原酒であるカスクストレングスヴァージョンも手に入りますので、アイラモルト好きなら各種飲んでみるのも良い経験かと思います。
マキヤーベイはアイラモルトのエッセンスがすべて詰まった逸品で、ピートを強めにしてあり更に熟成年数が若いのでピート臭がバシッと残っており味の粗っぽさも含めてアイラモルトファンには嬉しい逸品です、このマキヤーベイを初めて飲んで美味しいと感じる人は間違いなくアイラモルトフリークに片足を突っ込んでいます。
キルホーマンの歴史はこれからです、そのうちに味の傾向も蒸留所独自の一つの方向へ落ち着いていくでしょう、そういう意味では若熟成ものをカスク別に大いに楽しめるのは今のうちかもしれません。
品名 キルホーマン マキヤーベイ
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク バーボン
蒸留所 キルホーマン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 7,500円~8,500円(2023年9月時点)
左:ステューラダー 右:トチェクアガー
トチェックアガーとはゲール語であり英語のスモーキー2という意味です、以前発売していたトチェックのヴァージョン2となる続編版です。
ブナハーブンといえばピート臭をつけないライトなアイラモルトで有名ですが、このトチェックアガーは名前のとおりでピートを焚いてスモーキーな味と香りに調整されています。
ショットバーでも最もアイラモルトらしいということで他のブナハーブンは置いてないけどトチェックアガーだけは置いている店もあります、また熟成にはスモーキーさを引き立たせる意味でバーボンカスクとシェリーカスクでそれぞれ熟成させたものをヴァッティングしています。
ブナハーブンの中にあって最もアイラモルトらしい味と香りで、ブナハーブン12年やステュウラーダーと比較してみると面白いと思います。
一口目のスモーキーな香りから一変してベタな甘さが口の中に広がりアイラモルトではかなり甘口系に分類されるシングルモルトですが、味と香りのバランスといいアイラモルトウイスキーとしての完成度はかなり高いと思います。
アイラモルトの特徴ともいうべきスモーキーさとスパイシーさを楽しむだけがアイラモルトの楽しみではありません、カスクから染み出した木のエキスを感じながら熟成されたコクと味をゆったりと楽しむのもまたアイラモルトの楽しみ方でもあります。
アイラモルトの原点というべきバーボンカスクとシェリーカスクでの熟成原液をヴァッティングし調整された味と香りは、ウイスキーは木によって熟成され造られることをひしひしと舌で感じさせてくれる逸品です。
<2024年5月31日追記>
ブナハーブン12年、スチューラダーに続きトチェックアガーも入手困難な状況になっています、価格も半年で30%程度上がっています。
<2024年11月15日追記>
ブナハーブン12年が正常状況に戻りトチェックアガーも旧来の価格に戻り正常に入手可能状況に戻りました。
品名 ブナハーブン トチェックアガー
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク バーボン、シェリー
蒸留所 ブナハーブン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46.3度
内容量 700ml
価格 8,000円~9,000円(2024年11月更新)
特記事項 ピーテッド、2カスクヴァッティング
左:ステュウラーダー 右:トチェクアガー
ブナハーブンといえばピート臭がほとんど無いライトなアイラモルトで有名ですが、このステュウラーダーは熟成にファーストフィルとセカンドフィルの2つのシェリーカスクの12年原酒をバッティングして更にフルーティに仕上げています。
アイラモルトらしからぬ味と香りでアイラモルトファンは好まないかもしれませんが、上品なシングルモルトスコッチウイスキーとして考えればこれはこれでありだと思います。
フルーティでスイートな味と香りを楽しめます、またヨーロピアンオークのシェリーカスクとアメリカンオークのバーボンカスクの味と香りの違いを体験できますので、シェリーカスクのリファレンスモルトとして手元に置いておくと「謎のアイラモルト」の蒸留所やカスクを探る際の参考になるでしょう。
<2024年2月3日追記>
突然のように入手困難な状況になり価格が急上昇しています、場合によっては販売終了になる可能性が高く別の名称で似たような内容のものが近く誕生するのかもしれません。
品名 ブナハーブン ステュウラーダー
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク ファーストフィル・シェリー、セカンドフィル・シェリー
蒸留所 ブナハーブン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46.3度
内容量 700ml
価格 9,000円~10,000円(2024年2月3日更新)
特記事項 ノンピート、2シェリーカスクヴァッティング
アラート 極めて入手困難状況、価格急上昇中
キルホーマン蒸留所が124年ぶりにアイラ島で産声を上げる以前では最も新しい蒸留所だったのがブナハーブン蒸留所です、そのブナハーブン蒸留所のスタンダードともいえるのがブナハーブン12年です。
ブナハーブン12年はアイラモルトの特徴の一つであるピートを使っての麦芽の乾燥を行わなっていないのでピート臭はありません、したがって熟成樽の香り成分を充分に楽しめます。
その点においてはブルイックラディ蒸留所のザ・クラシックラディと同系統のアイラモルトですが、こちらが大先輩ということになります。
アイラモルトらしからぬ上品な味わいと香りで、ワールド・スピリッツ・コンペティション2011に銀賞、インターナショナル・ワイン&スピリッツ・コンペティション2010に金賞を受賞しています。
アイラモルトとしてではなく上品な味わいのスコッチウイスキーとして評価すべきで、その意味ではアルコール度数が若干高めでも飲みやすい味のウイスキーに仕上がっています。
クラッカーやバケットとの相性がとても良いと感じる味なので、食事をしながらでもアイラモルトを楽しみたいときにはもってこいのウイスキーかもしれません。
<2023年10月16日追記>
驚いたのがこの間まで普通に買えていたのに何故か現在では12年及び18年は極めて入手困難な状況になっています、ブナハーブン25年は手に入るのですが7万円以上します。
<2024年11月15日追記>
1年前には入手困難で市場では1万円以上で取引されていたのに現在では輸入品ですが正常な状況に戻りました、価格も倍ほどに高騰していたのですが現在は従来価格に戻っています、ということで「アラート」は落としておきました。
品名 ブナハーブン12年
熟成年数 12年
カスク 不明
蒸留所 ブナハーブン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46.3度
内容量 700ml
価格 6,000円~7,500円(2024年11月15日更新)
特記事項 ノンピート