味と香りがしっかりしているにも関わらず価格がリーズナブルなのか最近いたるところで見かけるようになった謎のアイラモルトのアイラストームです、スコットランドに本社を置くC.S.ジェームス&ソンズが製造販売しています。
ノンエイジですがかなり若熟成を使っていると思います、それだけにアイラモルトの骨太な味と香りをリーズナブルな価格で楽しめます。
カスクは公表されておりホッグスヘッドカスク(通常よりも大きめのカスク)ということです、ということは間違いなくシェリーカスクの再生カスクだと思いますがあくまでも推測にすぎません。
味や香りと共にカスクなどを思考するとおおよその蒸留所が絞り込めるでしょう、リーズナブルな価格なのにしっかりアイラモルトのエッセンスを楽しめるだけではなく後味の上品さは極めてコストパフォーマンスが高い逸品です。
品名 アイラストーム
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク ホッグスヘッド(前酒種不明)
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー C.S.ジェームス&ソンズ
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 40度
内容量 700ml
価格 3,000円~4,000円(2023年11月時点)
カスクアイラは発売当初はアイラモルトブレンデッドでしたが、現在発売されているのは全て謎のアイラシングルモルトです。
調べてみようにも情報がほとんど無いので自身で実際に飲んでみるしか解らない謎中の謎のアイラモルトです、ボトラーズのデュワーラトレイ社も何度もオーナーや経営陣が入れ替わっており名称が同じでも時期によって蒸留所や内容も時代と共に変わっている可能性は否定できません。
熟成年数は間違いなく8年以下なのか粗さがありますがアイラモルトのエッセンスはこれでもかというくらいに強烈過ぎるほど凝縮されて入っています、これに関しては名に恥じない骨太なアイラモルトの味と香りだと思います。
驚くのは飲み始めから後味まで一貫としてピート臭とビター&スパイシーな味が残っており、私が飲んだアイラモルトの中でもピーティ感は最高ランクかもしれません、若熟成なのかピート臭はマックスでサーモンの燻製を食べているかのような香りが口の中に広がります。
味と香りからカスクは何かと考えてしまうのですが、ラベルに「スモールヴァッティング」と書いてあるのでアイラで最大規模の例の蒸留所で極めて少量生産の探求を目的とした特別なカスクなのかもしれません。
トータル的なバランス云々は置いておいて、ガツンとくるヘビーなアイラモルトを飲んでみたい方には持ってこいの極めて尖った存在のアイラモルトです、価格的にも買えるうちに買っておくべきボトルかもしれません、なかなかこんな強烈でドライなアイラモルトはそうは飲めません。
品名 カスクアイラ
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク 不明
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー デュワー・ラトレー
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 5,500円~6,500円(2023年11月時点)
ブレンダーとしてもボトラーとしても不動の地位を築いているイアン・マクロード社が製造&販売している謎のアイラモルトのアイラゴールド10年です、ポートアスケイグ同様に熟成年数を明記していることもありアイラモルトファンならおそらく1発で解るほど大変特徴のある解りやすい味と香りです。
謎のアイラモルトだけにアイラモルト特有のピーティ感などのエッセンスは全て入っています、後味がフルーティで大変すっきりとして飲みやすい味と香りです。
エイジ表示があるのでノンエイジや12年などがあるのかと調べてみたのですが見当たりません、将来的には不明ですがおそらく現段階においてはシリーズ化はしていないと推察しています。
ただこれだけ解りやすい味と香りだと果たして謎のアイラモルトにする必要はあるのかと思うのですが、やはりディステラーとボトラー双方のビジネス上のメリットが大きいのでしょう。
品名 アイラゴールド10年
熟成年数 10年
カスク 不明
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー イアン・マクロード
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 40度
内容量 700ml
価格 4,500円~5,500円(2023年11月時点)
謎のアイラモルトにあって昔からショットバーでは置いてあって当たり前の定番のように扱われているフィンラガン、そのなかでもカリラの若熟成との噂が高いフィンラガン・オリジナルピーティは確かにカリラを思わせるピート臭とスパイシーな味がダイレクトに楽しめます。
フィンラガンという名称は過去にアイラ島に存在していた城の名前であり、伝統的なアイラモルトであることを名称でも印象付けています。
謎のアイラモルトの傾向としてカスクストレングスやカスクバッティングなど原酒や原酒に近いものをそのままボトリングしているのを特徴としている銘柄が多いなかで、常飲としてストレート飲みで気楽に楽しめるのはやはりアルコール度数が40~43度のものです。
ウイスキーは継続して楽しく飲めて初めてその存在価値があるのです、カスク原酒も時には飲みたい気分にもなりますが永く愛飲できるお勧めの逸品ということになると、どうしても飲みやすく且つ明確な特徴を醸し出している銘柄ということに落ち着きます。
その意味からしてフィンラガン・オリジナルピーティは、アイラモルトエッセンスをダイレクトに堪能でき謎のアイラモルトのなかでは価格や味と香りのバランスなどを考えるにウイスキービギナーにもお勧めできる私のイチオシの1本です。
尚、フィンラガンにはフィンラガン・オリジナルピーティの加水する前の原酒をそのままボトリングしたフィンラガン・カスクストレングス(58度)もありますので飲み比べてみるのも面白いかもしれません、価格もちょうど1.5倍程度と非常にリーズナブルですのでお勧めです。
品名 フィンラガン オリジナルピーティー
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク 不明
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー ヴィンテージモルト
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 40度
内容量 700ml
価格 3,500円~4,500円(2023年11月時点)
ポートアスケイグは知る人ぞ知るアイラ島最大の蒸留所であるカリラ蒸留所の本拠地の地名です、だからといってカリラ蒸留所かどうかは謎のままです、ただ大きなヒントになることは確かです。
熟成年数を堂々とラベルに謳っている謎のアイラモルトはポートアスケイグをはじめ稀なケースです、ちなみに12年もありますので蒸留所当てには12年の方が解りやすいでしょう、ショットバーで12年を飲みましたが一瞬で解りました。
しっかり付いたピート臭にヨード臭が堪りません、そのくせ甘酸っぱいフルーティな味とスパイシーな喉越しは私の記憶に染み込んでいる例のアイラモルトですから忘れようもありません、アイラモルトファンであれば迷うことなく一発で解るでしょう。
かの蒸留所であればディステラリーオフィシャルに比べてほとんど変わらない価格ということを考えると存在意義が薄れてしまうのですが、謎のアイラモルトの良いところはリリース年度によってカスクも変わるので味も香りも微妙に変化してくるところです。
こういった妙味はディステラリーオフィシャル版では味わえません、謎のアイラモルトの存在意義は逆説的に言うとボトラーとしてはこういった曖昧さを自由にできるし飲み手はそれを楽しむことができるところです。
カスク販売する蒸留所にとっても余剰カスクが無駄にならないのでボトラーは重要なお客様ということになります、蒸留所もボトラーもビジネスなのですから大人の事情は世の常ということです。
最後にアイラモルトの妙味を存分に味わいたい人は本ボトルの8年がお勧めです、12年はかの蒸留所のオフィシャル版の方が価格も安く味も香りもほとんど同じですのであえて創出する意義があったのかどうかという疑問が残ります、ちなみにかの蒸留所のオフィシャル版では8年の方がスモールバッチということもあって希少性から価格は高いのでポートアスケイグ8年はお得感も享受できます。
品名 ポートアスケイグ8年
熟成年数 8年
カスク 不明
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー スペシャリティ・ドリンクス
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 45.8度
内容量 700ml
価格 7,000円~8,000円(2023年11月時点)