左:ラガヴーリン16年 右:ラガヴーリン10年
歴史あるラガヴーリン蒸留所がバーボンカスクを使って熟成したモルトがこのラガヴーリン10年で、ラガヴーリン16年とは対照的な味と香りが楽しめる逸品です、2019年に免税店向けの特別仕様で創出されたもので現存数が少ないのか価格が時を刻むごとに上昇傾向にあります。
ラガヴーリン蒸留所の伝統はラガヴーリン16年をフラッグシップボトルとして扱っているように、シェリーカスクで最低でも16年じっくりかけて熟成させないと本来のラガヴーリンらしさが出ないということでショットバーでもラガヴーリンを頼むとほぼラガヴーリン16年を出してきます。
注意事項として断っておきますが、ラガヴーリン10年はラガヴーリン16年の若熟成ものではなく、価格も現在ではラガヴーリン16年よりも高くなっており異種のシングルモルトとして考えたほうがよいでしょう、ラガヴーリン16年の若熟成を飲んでみたいのであればラガヴーリン8年が在りますので飲み比べてみると面白いでしょう。
ラガヴーリン16年に比べてラガヴーリン10年は、俗にいうアイラモルトらしく尖ったスパイシーな味と飲み込んだ後にくる対照的な甘いケーキのような味と香りが広がりアイラモルトファンにはかなり好まれる傾向の味だと思います、ただラガヴーリン16年に比べて明らかに人を選ぶでしょう。
味と香りのバランスではラガヴーリン16年に軍配が上がります、対して一口目からくるスパイシーの中に広がる甘いまったり感という職人芸的な妙味を楽しむなら間違いなくラガヴーリン10年に軍配が上がります。
ラガヴーリン10年はショットバーではほぼ飲むことができません、是非とも家でじっくりとラガヴーリン16年と飲み比べてアイラモルトのカスクの重要性の奥深さを味わってみてください、もしかしたらその日からラガヴーリン10年の個性的且つ魅力的な味にはまり虜になってしまうでしょう。
品名 ラガヴーリン10年
熟成年数 10年
カスク ファーストフィル・バーボン
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 12,500円~14,000円(2023年8月時点)
特記事項 免税店向け特別限定版(2019年~)
左:ラガヴーリン16年 右:ラガヴーリン10年
歴史あるラガヴーリン蒸留所のフラッグシップボトルがこのラガヴーリン16年です、16年熟成がフラッグシップというのが他のアイラ島の蒸留所では考えられず面白いのですが、ラガヴーリンの美味しさを引き出すのにはシェリーカスクでじっくり最低16年かかるというのが同蒸留所のポリシーのようです。
ちなみにショットバーでラガヴーリンを頼むとほぼラガヴーリン16年を出してきます、ラガヴーリン蒸留所のポリシーを守っているのか若熟成ボトルを置いていないショットバーが多いです、ちなみにラガヴーリン10年はファーストフィル・バーボンカスクであり単なるラガヴーリン16年の若熟成ものではないので要注意です。
ラガヴーリン10年は如何にもアイラモルトらしい骨太な味ですが、どうしても価格とのバランスで比較してしまうとコストパフォーマンスが高いのがラガヴーリン16年ということに落ち着きます。
アイラモルトらしいピーティな力強さと上品で濃厚な甘い味と香りを兼ね備え、更にアルコール度数を43度に調整していますからストレートでも大変飲みやすく女性にも熱烈ファンが多いのも納得です。
私個人的には常飲用アイラモルトではなく、眠れない夜のナイトキャップや嬉しいことがあったときに静かに一人1杯やりたくなる特別な存在です、飲んでその存在に感謝できるウイスキーは私にとっては貴重な存在です。
<2024年2月18日追記>
2023年初頭に正規品の価格改正により20%ほど値上げしており、他のラガヴーリンは10%以下の値上げということからラガヴーリン16年は終売が近いのではないかとの噂が広がっています。
品名 ラガヴーリン16年
熟成年数 16年
カスク シェリー
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 12,000円~13,500円(2023年8月時点)
特記事項 2023年初頭に価格改正があり20%ほど値上がり
アラート カスク原酒が枯渇気味で終売の噂がある(2024年2月18日更新)
何を隠そう私がこれまでに一番多く飲んだアイラモルトがこの明るい琥珀色に輝くカリラ12年です、一時期はショットバーではこれしか飲まない時期もあったほどです。
一癖も二癖もあるピート臭やヨード臭が強く感じて敬遠する人もいるでしょう、でも一度好きになってしまうとこの香りが堪らなくなってしまうのです。
特にブルーチーズ好きの私にはブルーチーズを美味しく食べるためのウイスキーと言っても過言ではないほどで、アンモニア臭がきつく味が濃いブルーチーズと味も香りも本当に相性が抜群なのです。
ロックで飲むと若干の水分で連鎖アルコール分子が分解して味がガラッと変わるのも楽しいです、ストレートで気になっていたヨード臭も香ばしいカラメルコーティングのアーモンドのような香りに変化するのには驚きます。
アイラモルトの命ともいえるピート臭(スモーキーフレーバ)、ヨード臭(磯の香り)、加えてスパイシーな味を存分に堪能でき私個人的にはリーズナブルな価格ということもありアイラモルトのなかでもイチオシの逸品です。
尚、現在日本で手軽に購入できるカリラ蒸留所の銘柄はカリラ12年に加えてカリラ12年の原酒であるカスクストレングス版などがあります、もしもUD社発売の「花と動物シリーズ」のカリラ15年を現在飲んでみたいと思ったらオークションで落とすしかなく最低でも7万円は覚悟する必要があります、しかし味はカリラ12年に比べてコクが増して甘みが加わり至福の逸品です。
品名 カリラ12年
熟成年数 12年
カスク バーボン
蒸留所 カリラ(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 6,000円~7,500円(2023年8月時点)
玄関脇の飾り棚に鎮座しているラフロイグ・セレクトカスク
魔除けだとかお清めだとか深い意味はまったくありません
左:ラフロイグ・セレクトカスク 右:ラフロイグ10年
ラフロイグ10年と並んで人気の高いセレクトカスクはペドロヒメネスシェリーカスク、シェリーカスク、バーボンカスクでそれぞれ熟成された原酒をヴァッティングしたうえでヴァージン・アメリカンオークカスクで更に熟成させたという4種の樽で熟成させた貴重なアイラモルトです。
ペドロヒメネスシェリーとは、一般的なシェリーの原料である白ワイン用の辛口ブドウ品種であるフィノではなく非常に甘い白ブドウ品種のペドロヒメネスを原料としたシェリーのことです。
またヴァージンカスクとはどのアルコール類の熟成にも使用されていない作りたての新しい熟成樽のことで、先に使われていた酒種の影響がまったく無く木そのものの味と香りが染み込みます、対してファーストフィルとはウイスキーの熟成として始めて使われる他の酒種に使っていたカスクのことです。
熟成方法が凝っているのにラフロイグ10年に比べてリーズナブルな価格としているのは、あくまでも個人的な推測ですがブレンデッドウイスキー向けに製造されている各種カスクの余剰分を上手く再利用したのではないかと思います。
8年前後の若熟成ものもブレンドされているのでしょうか鼻にツンとくる刺激臭もありますが、ペドロヒメネスシェリーカスクからくるのか甘みを感じるフルーティな後味や香りもします、とはいえアイラモルトらしいピーティーな香りに加えて上品なブレンデッドウイスキーのようなフルーティな香りを楽しめる逸品です。
アイラモルトらしいすべての要素を堪能できてこの価格は極めてコストパフォーマンスが高く、ショットバーでも気楽に飲めるボトルの一つでありアイラモルトファンには堪らなく嬉しい存在でもあります、ショットバーにラフロイグ10年と合わせて2本おいてあれば是非とも飲み比べてほしいと思います。
品名 ラフロイグ セレクトカスク
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク ペドロヒメネスシェリー、シェリー、バーボン、ヴァージン・アメリカンオーク
蒸留所 ラフロイグ(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 40度
内容量 700ml
価格 5,500円~6,500円(2023年10月19日更新)
特記事項 3カスクヴァッティング~ヴァージン・アメリカンオークカスクフィニッシュ
アラート 価格上昇中(2023年10月19日更新)
アードベック、ボウモアと並んで3大アイラモルトの一つとも言えるアイラモルトを代表するブランドがラフロイグです、そのスタンダードとも言えるのがラフロイグ10年です。
ラフロイグ蒸留所は1815年に開所した老舗中の老舗蒸留所で英国チャールズ国王御用達のスコッチウイスキー蒸留所として君臨してきました、その意味でもキング・オブ・アイラとも呼ばれています。
アイラモルトの強烈なピート臭とヨード臭がしっかり付加され若熟成のスパイシー感が口に広がる刺激はまさにキング・オブ・アイラの名に相応しいです、この強烈な味と香りから男性のアイラモルトファンに好まれる傾向があります。
また、ラフロイグは伝統的に熟成樽としてファーストフィル・バーボンカスクを用いていますので、後味の焦がしたカラメルのような甘い香りはここからきていると思います。
これは私の個人的な感覚ですが、ショットバーでラフロイグを数杯飲んだ次の朝にもピート臭が残っています、しっかり歯を磨いても胃から上がってくるのでしょうか不思議な現象です、それほどしっかり香り付けがされているという証拠かもしれません。
アルコール度数が40度でありながらアイラモルトらしい力強い味と香りを堪能できる逸品で、世界中のスコッチファンに愛され続けているのは納得するしかありません。
品名 ラフロイグ10年
熟成年数 10年
カスク ファーストフィル・バーボン
蒸留所 ラフロイグ(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 40度
内容量 700ml(1,000mlボトルもあり)
価格 8,000円~9,000円(2023年10月19日更新)
アラート 価格上昇中(2023年10月19日更新)