謎のアイラモルトの中で私が常に切らさず手元に置いているスカラバス、2種のカスク原酒をヴァッティングさせた骨太なアイラシングルモルトの味と香りを存分に楽しめます。
スカラバスはボトラーズ大手のハンターレイン社の看板商品の一つです、ハンターレインといえば2018年稼動のアイラ島で一番新しい蒸留所であるアードナッホーのオーナーでもあります、いずれはアードナッホー蒸留所のシングルモルトを前面に出してくるでしょうから非常に楽しみです。
熟成年数は飲んでみた味と香りからするとかなり若いと思うのですが、もし5~8年程度だとすると2カスクヴァッティングの賜物なのかピート臭や1口目からフィニッシュまで続く甘い味と香りなど極めてバランスのいいアイラモルトに仕上がっています。
アイリークと並んで一時期は私のショッバーでの注文回数ベスト3にランキングされていたスカラバス、飽きのこない骨太なアイラモルトらしさを存分に堪能したい人にお勧めの逸品です。
尚、アルコール度数57度のバッチストレングス(カスク原酒のヴァッティング)版もありますのでガツンとくる味を楽しみたい方にはそちらをお勧めします、また10年熟成版も出回り始めており上品な味と香りを楽しめます。
人気の高いスカラバスですが最近では品薄で入手困難という話がチラホラ聞こえ始めました、買える時に買っておくのがよいかもしれません。
品名 スカラバス アイラシングルモルト
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク リフィル・バーボン、ヴァージン・アメリカンオーク
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー ハンターレイン
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 6,000円~7,000円(2023年10月時点)
特記事項 2カスクヴァッティング
アラート 品薄で入手困難状況
ラベルの左端が焼け落ちているイラスト
ボトルケースはケース上部が焼け落ちている
「謎のアイラモルト」を堂々と謳っているピーツビーストはブラジル人イラストレーターのダグ・アルベスの印象的なイラスト入りボトルでも有名な謎のアイラモルトです。
価格は若干高めですがピーツビースト・バッチストレングス(アルコール度数52.1度)という姉妹品も出しています、こちらは2種のカスク原酒をヴァッティング後そのままボトリングしたカスクストレングスで味と香りの違いを楽しむこともできます。
私はどちらも好みですがアルコール度数が46度でダイレクトにアイラモルトのスパイシー感が味わえる本品のほうを好んで飲んでいます、色からしてもかなり若熟成だと思うのですがピート臭やヨード臭がしっかり付いておりアイラモルトらしいピリピリ感がすごいです。
その一口目のブルっとくるほどのスパイシーな味と、飲み込んだ後に口の中に広がる甘い香りのギャップが楽しいです。
品名 ピーツビースト
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク 不明
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー フォックス・フィッツジェラルド
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 4,500円~6,000円(2023年10月時点)
エリクサーディステラーズ社のザ・シングルモルト・オブ・スコットランドシリーズのカリラ12年シングルカスクです、カリラはアイラ島最大の蒸留所ですがディステラリーオフィシャル製品は数%しか製造しておらずほとんどはボトラーやブレンデッドウイスキーメーカーに熟成原酒をカスク販売しています。
本ボトルもそういったカテゴリのカリラ12年シングルカスクで、蒸留所オフィシャルでは販売されていないホグスヘッドカスクで熟成したシングルカスクとなっています、ホグスヘッドカスクとは材質ではなくシェリーカスクなどを分解して内側を削って再生したカスクで、容量は通常のバレルカスク(180~200リットルの規格カスク)よりも10%程度増量されているカスクです。
ホグスヘッドは主にシェリーカスクを再生するのでカスク材質としてはヨーロピアンオークに間違いありません、オフィシャル版12年に比べてかなり色が濃く味も香りも明らかに異なりカリラ12年だとは思えないほど異なります、まさに名言「ウイスキーの味は蒸留所ではなくカスクで決まる」どおりだと納得します。
尚、同シリーズのカリラ8年シングルカスクはそこそこの量を並行輸入されたようで現在ネットで10,000円~15,000円程度で購入可能です、本カリラ12年シングルカスクはそもそも極少数生産品で調べてみたら日本には蒸留酒販売業者によって48本しか輸入されなかったようです。
その為一瞬にして通常購入不可のプレミアムボトルになってしまいました、情報も後追いのため気付いたときにはプレミアム化していた本ボトルですがカリラファンであれば何としても飲んでみたいと思うでしょう。
品名 カリラ12年(2010/2022)シングルカスク ザ・シングルモルト・オブ・スコットランドシリーズ
熟成年数 12年
カスク ホグスヘッド(おそらく元カスクはシェリー)
蒸留所 カリラ(アイラ島)
ボトラー エリクサーディステラーズ
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 59.4度
内容量 700ml
価格 25,000円~35,000(2023年10月時点)
特記事項 極少数生産シングルカスク
アラート 通常購入不可
カリラ・モッホはアイラモルトファン大望のカリラ若熟成のオフィシャル限定版で、ディアジオ社のフレンズ・オブ・クラシックモルト会員向けに販売されたスペシャルカリラで熟成期間は8年ほどということです。
ちなみにディアジオ社とはスコットランド全域に全蒸留所の4分の1に相当する30近くの蒸留所を抱える世界最大のスコッチウイスキーメーカーであり、その蒸留所の中でアイラはカリラだけです。
発売当時はスタンダードの12年とほぼ同じ程度の価格でしたが、限定発売でもあり現在では倍に近い価格となっています。
「モッホ」とはゲール後で「夜明け」を意味しています、伝統あるアイラモルトの巨匠カリラのポリシーが込められているシングルモルトだと考えると何ともいえない至福の味と香りに心が満たされます。
一口目で記憶は70年代後期が蘇ります、二口目に最も狂乱乱舞に沸いた80年代後期のバブル経済期の記憶が蘇ってきます、本当に私の年代にとっては30年以上出会うことができなかった味と香りに再開することができます。
カリラ独特のピーティ&スパイシーの中に広がる深いドライフルーツケーキのようなフルーティ且つ爽やかな酸味と甘みを感じる口当たりは70年~80年代のカリラ伝統の風味を肌で感じます、カリラファンにとって待ってましたとばかりの懐かしいカリラの若熟成の味を思う存分に堪能できるカリラの中にあってレジェンド的な秀作です。
これは私にとってヒドゥン蒸留所ではなくヒドゥン・アイラモルトの一つです、本当にすばらしいアイラモルトに再会できたことに感謝の念しかありません、是非とも味わえるうちに味わっていただきたい超がつくほどのお勧めのアイラモルトです。
品名 カリラ モッホ
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク 不明(リフィル・バーボン?)
蒸留所 カリラ(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 8,000円~9,000円(2023年10月時点)
特記事項 ディアジオ社フレンズ・オブ・クラシックモルト会員向けのヒドゥン・モルトシリーズの一つ
アラート 品薄状況なのか価格急上昇中
アイラモルトファン大望のラガヴーリンのオフィシャル版での最若熟成を楽しめるボトルが本品です、2016年にラガヴーリン蒸留所創立200周年を記念して限定リリースされたラガヴーリン8年、その後のファンの強い要望に応えて定番オフィシャル化して何時でも買えるようになりました。
ラガヴーリン 8年はラガヴーリン16年の深く上品な風味を引き継ぎながらも、更にアイラモルトらしい風味を前面に押し出したような男気と気品を感じる味と香りです、それを再確認するために行きつけのショットバーには置いてないので近くのリカーショップで急騰した場合に備えて3本も購入してきてしまいました。
一口目のピーティ&スパイシーさから始まりフルーティな飲み心地、そしてフィニッシュはラガヴーリン16年を引き継いだ甘い香りに包まれます、更には最後までピーティ感が若干ながらも継続して楽しめるとあって本当によくできた素晴らしいアイラモルトです。
価格といい味と香りのバランスといい私個人的にはラガヴーリン10年と並んで高く評価しています、それもそのはずでニューヨークで開催されたアルティメット・スピリッツ・チャレンジで97点という超高得点を記録、更にシングルモルト・スコッチウイスキー・アイラ部門の最高賞であるチェアマンズトロフィーを受賞、コストバリューの高さを称えるグレートバリュー賞も同時受賞した秀作です。
最近のラガヴーリンはシングルモルトブームを反映してか在庫カスクが枯渇気味のようです、このラガヴーリン8年も多分にもれず高値を付けはじめたショップもあります、つまり昨今のラガヴーリンのオフィシャルボトル全てにおいて言えることは買える時に買って飲んでおくべきだということです、飲みたいと思ったときには恐ろしい価格になっているかもしれません。
品名 ラガヴーリン8年
熟成年数 8年
カスク シェリー
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 48度
内容量 700ml
価格 7,000円~9,000円(2023年10月時点、初版記念ボトルは除く)
アラート ショップによって価格差が大きい、また初版200周年記念ボトルは終売プレミアムボトルとして相応の高額で取引されている