2023年6月 6日 11:00
スコッチウイスキーを水で割るスコッチ&ウォーターですが日本ではスコッチウイスキーの水割りと紹介されています、しかし本場スコットランドでのスコッチ&ウォーターは別物ですので正確な知識を得ておきましょう。
本場イギリスのスコッチバーで出されるスコッチ&ウォーターとは正式にはトゥアイスアップという飲み方であり、1ショット(約30cc)のスコッチウイスキーに僅か1~5cc程度の水を加えただけのものです、これがまったく違う味に変化してしまうので不思議ですです。
この理由も化学でしっかり解明されています、どこかで機会があったら紹介しようと思っていたので今回正確にお伝えしましょう。
ボトルに詰められたアルコール類はほとんどアルコール分子が連鎖状に繋がったクラスターという状態になっています、このクラスター状態で飲むとクラスターから外れた水酸イオンのせいでピリピリと口当たりが強くまた分解に時間がかかります。
そこで水を少しでも加えるとアルコールのクラスターが解けアルコール分子が細分化します、この細分化されたアルコールは口当たりも良く分解時間も早くなります。
例えば日本酒や焼酎を振ると美味しくなる、ボトルに強い磁石を付けると美味しくなる、という説は水を加えた状態と同じでアルコールのクラスターが解け細分化する為にアルコールのピリピリ感が抜け本当にまろやかになるのです。
強いアルコールと共に飲むチェイサー(水)も同様に、口の中でアルコールが細分化され甘く感じるようになりますし、胃の中に入ったアルコール度数が下がり胃をアルコール焼けで痛めることもありません。
またウイスキーの飲み比べをするときには、先の1ショットに対して5ccほどの水を加えるとアルコールのピリピリ感が抜けて本来の味と香りが正確に解るようになります。
それぞれのウイスキーの個性を正確に覚えたいという人は是非ともトゥアイスアップで飲んでみてください、同じように感じていたウイスキーの味は実はこんなにもバラエティに富んでいたのかと驚くことでしょう、特にカスクの違いが解り易くなります。