「鳴かぬならそれもまたよしホトトギス」
これは松下政経塾においての松下幸之助の言葉で、塾生から「戦国三英傑とホトトギスの句の例えが有名ですが、先生はどのタイプですか?」と聞かれた時に上記の句を詠んだと言います。
戦国三英傑のホトトギスの句の例えとは。
鳴かぬなら殺してしまえホトトギス(信長)
鳴かぬなら鳴かせてみようホトトギス(秀吉)
鳴かぬなら無くまで待とうホトトギス(家康)
ですが、松下幸之助はそのどれでもなく「人は、そのままで良い」という考えを示したのです。
ちなみに、ホトトギスは家臣を表し今で言えば社員を指していることは言うまでもありません。
私はこの4つでも、あるいはオリジナルでも、どれが良いかという事は明言できません、何故ならこれもまたその人の個性だと思うからです。
ただ、成功する人は必ず自分なりの「ホトトギスの句」をすぐ詠めるはずです、この例えは自分流の「思考の基本哲学」だと思うからです。
これを持つか持たないかは、全ての行動の基本であり雲泥の差となります。
他者に翻弄される人はこの「思考の基本哲学」を持っていません、だからいつも他者にかき回されて中途半端に終わるのです。
ちなみに、私がM&A合戦を繰り広げていた四十代のときには、「鳴かぬなら取り変えてしまえホトトギス」でした、何とも血気盛んだったのか今では自身の事が怖く思えます。
還暦過ぎた今ではどうでしょう?
ちょっと考えてみたのですが、「鳴かぬなら自然に戻そうホトトギス」でしょうか。
優しいようですが相当に意味は深いと思います。
そして、きっと完全隠居後は「鳴かぬならここで暮そうホトトギス」になるのかもしれませんね。
「自分の旗を上げるとしたら、大きな文字で何と書く?」
サンクチュアリ出版創業者の高橋歩の名言、実にストレートで気持ちいいです。
私はこの名言を知った時、モヤモヤしていた事が一瞬でかちっと固まった記憶があります。
多くの起業家は日々の忙しさに流されて、あるいは生活を優先しいつしか「何の目的で起業したのか?」という初心や志を忘れてしまうものです。
自分の「売り」は何だ?
自分のお金に変えられる武器とは何だ?
一度、冷静に自身の「売り」や武器を考えて「売り」のキャッチコピーを作って欲しいと思います、そしてそれを常に忘れることなく日々を過ごすことが肝要だと思うのです。
ただ、多くの人は「売り」と「強さ」を混同しています、あくまでも「売り」は顧客に視点を置かれていなければなりません。
対して「強さ」は自分に視点が置かれています、ここがブランディングの最重要ポイントです。
自身のポリシーが決まれば他者動向に振り回されず、誘惑や甘い言葉に踊らされることもありません、結果ぶれない成功者思考を手に入れられるのです。
ブランディングの重要な課題がこの「売り」のキャッチコピーです、自身のことを正確に理解できずに自身の「旗印」を明確化できるはずもないのです。
この名言のストレートな問い、これが唸らずにはいられないのです。
「問題は未来に起こる、だから私は過去を振り返らない」
IT覇者ビル・ゲイツのこの一言、「成功は最低の教科書」という名言も残している人らしい言葉です。
高校生の時にプログラミングに目覚め、ハーバード大学に入学するも未来に起こるコンピューター全盛時代を待てずに在学中にマイクロソフト社を設立し大学を中退してしまいます。
ビル・ゲイツの成功の裏には正確に未来に来るべき時代を読んでいたということ、そして躊躇しない行動力にあります。
経営も人生もたった一つの方向にしか時間は流れていきません、過去を振り返っても過去の事実が変わることはありません。
過去の栄光も挫折も未来に展開する事象によって、それまでの栄光が後悔の原因に挫折が成功の糧に変化することは多々あることです。
それであるなら常に未来を考え、未来をどのように生きていくかを考え行動することが重要です。
「過去より今、今より未来」、成功者の共通する思考です。
「人の心が解る心の大きさ、人を悲しませない心のやさしさ、そして何事にも前向きに取り組む心もち、あなたは意識していますか? 当然のことができていないこともありますね、目にみえるものを磨くように、思いも磨いてみましょう」
経済シンクタンクで初の上場企業となった船井総合研究所の創業者、船井幸雄のこの重みのある一言は歳を増すごとに納得します。
多くの人は目に見える形の有るものは何らかの意識を持ちます、でも企業経営や人生にとって本当に大事なものは目に見えないものばかりです。
信用・信頼・愛情・思いやり、そしてそれらを総合して表す「人間性」、おろそかになりがちな目に見えないものに意識を傾けるようにしないと経営も人間関係も上手くはいかないのは当然です。
船井幸男は、晩年に突然のようにスピリチュアルや心理学に没頭しています、またそういう世界を別会社を創設し研究・支援しています。
天才科学者アインシュタインやラッセルも老後は目に見えない世界に没頭しました、「やりたいことをやってきた、そして名誉もお金も手に入れた、でも自分の自由にならなかったもの、それは人の心だ」といいます。
「心」とは何よりも尊いものです、成功者は「人の気持ちが解らない人」を相手にしません、そういう人と組んでも何事も上手くいかないことを熟知しているからです。
ビジネスは結果を求められる厳しい世界です、それだけに相手を優先する心を持って進めなければ何事も上手くいかないのは至極当然の結果です。
「金がないから何も出来ないという人間は、金があっても何も出来ない人間である」
阪急電鉄創業者である小林一三の、成功経営者としての実に説得性のあるこの一言。
思っても何もしない人や実行しても成果の出ない人に多いのが、この「お金が無いから、やりたくてもできない」という言い訳です。
もし「お金が無いからできない」という人は、お金が有ってもできないときは別の「人がいないからできない」という言い訳を言うのでしょう。
成功する人に共通するのは、できない理由を求めるのではなく「できなかった事実を認める」という潔さです。
事実や結果を認めることから次に繋がる知恵が生まれます、逆に認めない人は進化しませんから同じことを繰り返します、結果いつまで経っても上手くいくことはありません。
そして、重要なのは「**が無い」という事ではなく、「できなかった」という結果事実です。
「できる人」は、それが無ければできない事であれば、無い物は何をおいても得ようと必死になります、お金でも人でも技術でも同じことです。
それを行うことができる人が結局全てにおいて事を進めることができる人、結果成功する人ということになるのです。
成功する人はできない理由を考えません、同じ時間を使って考えるならできる方法を考えることです。