「アイデアの秘訣は執念である」
日本が誇る天才物理学者の湯川秀樹の「らしい」一言、湯川秀樹は原子核内部で陽子や中性子を結合させる媒介の存在を予言し、その後セシル・パウエルによってパイ中間子が発見されたことにより湯川秀樹の理論が証明され日本人として初めてノーベル賞を受賞しました。
一瞬の閃きは誰にでもあります、それを具体的な形で実証できるものにするための発想はそう簡単にはでてきません。
多くはアイデアではなく空想に過ぎず、実現させるまでには多くの調査や具体的な手法を検討しなくてはなりません。
この閃いたものを実際に実現させようとして調査を開始するや否や、人は自分ではとうてい無理な事だと初めて知ることになるのです。
同じことを天才発明家であるエジソンも言っています、「発明は1%の閃きと99%の努力から生まれる」と、偉業を成すアイデアとは実現可能な形にするまでの執念と努力が不可欠なのです。
「自制の効用は、列車におけるブレーキの効用に似ている、間違った方向に進んでいると気づいた時には役に立つが、方向が正しい時は害になるばかりである」
アインシュタインと共に「核兵器根絶」を訴え、その後ノーベル文学書を受賞した天才科学者バートランド・ラッセルのこのストレートな一言。
ラッセルは幾つもの理論を打ち出した天才科学者でありながら、何故ノーベル文学賞なのか?
彼は、自身の理論を数式を並べたてた論文から、誰にでも理解できるように「組織学」や「階型理論」などを文学作品として発表し多大な評価を受けたのです。
コンピュータでの言語処理において、ラッセルがこの世に残した「階型理論」は大いに評価され、解析や分析のロジックの基となりました。
晩年は、アインシュタインと同様に人間の持つ精神的な分野を階層化して分析できないかというテーマに取り組み、90歳であの世へ行く直前まで「神よ、我にもっと時間を与えたまえ」と毎日祈ったといいます。
その行動心理を理論化しようとし、科学者が陥りやすい過ちを、「パラドックス理論」の確立によって警鐘を鳴らしたラッセルの一言は実に強烈に心に響きます。
私は、「自分を賢いと思っている人ほど、いざという時に躊躇する」、というケースを多々見てきました。
その理由は、心(情)ではなく頭(理屈)で思考するからです。
したがって、現状の問題のみに囚われ、未来に広がるビジョンに目を向けようとしない傾向があるのです。
周囲の誰もが間違っていると認識できるような状況も、本人は「自分は例外、私の方法が正解」と思い込んでしまっているのです。
ですから、周囲の声は聞こえても否定や拒否として認識し、自己都合だけで現状を思考してしまうのです、これが周囲には「独善的」と受け取られてしまいます。
結果、大きなビジネスチャンスを逃し、現状打破のタイミングも逃してしまいます。
それが結果的に表面上の思考によって、見えている物だけを思考して「躊躇する」という行動になるのです。
「チャンスに躊躇せず、何があっても一旦選択した道は継続する」、「誤りに気付いたら潔く撤退する」、これは成功する人の最低限の基本です。
頭(理屈)で人生を思考しないこと、「何事も何をするかじゃなく、誰と組むかで全てが決まる」、これを身体に染み込ませることが肝要です。
「何も考えずに権威を敬うことは、真実に対する最大の敵である」
天才科学者であり、晩年は科学で人の心を数値化しようと試みた情に厚いアルベルト・アインシュタインのこの一言は実に心に響きます。
彼の言いたいことは、その言葉を発した歴史的背景を調べるとよく理解できます。
「人はなぜ他者の権威や名誉にしがみつき、そしてそれを材料に私欲を考えるのだろうか?」、また「何故その人の権威や名誉が真実であるか否かを確認しようとしないのであろうか?」と、常に疑問を抱いていたと思います。
自分に名声も能力も無い人は、それを持っている人と組むことでその人の権威や名誉を自分の物であるかのように周囲に思わせようとします、つまりパラサイト思考の本質そのものです。
そして権威や名誉が本物か似非かを疑うどころか例え全てが嘘であろうが自身にとって都合良く解釈します、何故なら真実か似非かということよりもそれを利用することで私欲を満足させようとしているからに他なりません。
「虎の威を借る狐」という諺が全てを物語っています、そして他者の権威や名誉にしがみつく者はその頼った人の権威や名誉が似非であることが周囲にバレた瞬間に全ての人から信用を失います。
成功する人は思い込みを排除し他者に踊らさせることなく真実だけ見極めます、疑うことなく他者の情報で踊らされる者は何れ信用を失うことを知っているからです。
他者依存しないこと、全てが自己完結できるビジネス(事業)を行うこと、これなら他者の権威や名誉などは取るに足りないないものとなるのです。
そして今度は自身の動向次第で世間を思うように動かせるようになるのです、これが一つのステークスホルダーとしての価値であり成功者の正しい姿です。
「興味があるからやるというよりは、やるから興味ができる場合がどうも多いようである」
日本が誇る天才物理学者である寺田寅彦の言葉は深いです、寺田寅彦は人間味溢れる日本の物理学の権威者であり、「吾輩は猫である」の水島寒月や「三四郎」の野々宮宗八のモデルとなった人物としても知られています。
物理学の研究を論文ではなく随筆としてまとめあげ、一般の人にも解りやすく解説した功績は極めて大きいものがあります。
食べず嫌いと同じくビジネスにおいても興味が湧かないからそれをやらないという人は実に多いです、もっと言えば興味の無い人と会おうとしません。
あえて言わせていただければ、その思考は自己成長の大きな機会損失に繋がるリスクが極めて高いと言えます。
先ずはやってみる、先ずは組んでみることが肝要です、意外や当初のイメージとは異なり新たなる発見や自分の感性に共感する事業や人であったりするものです。
成功する人は既成概念で人や事象を決め付けることはしません、日々新たなる事にチャレンジすることが右脳を活性化し老いても脳は若々しく居られるのです。
「出る月を待つべし、散る花を追うことなかれ」
江戸時代の朱子学と陽明学の天才学者である中根東里のこの言葉は、成功の金言と言っても過言ではありません。
「過ぎてしまった過去に未練を残さず新たなる未来に起こる創造に備えるが尊い」、何時までも終わってしまったことや結論の出てしまった事に囚われていては先に進むことはできません。
終わったことは忘れて新たなる世界で新たなる出会いを楽しむことです、一度は関係が終わってしまった人も未来で互いの過去を修正し新たなる良き出会いとして生まれ変わるかもしれません。
それが真の「再会」というものであり成功者の重要な未来思考でもあります、だから終わらせ方を間違えると未来において遺恨を残します。
終わらせ方の上手い人、これもまた成功者なのかもしれません。