「凧が一番高く上がるのは風に向かっている時である、風に流されている時ではない」
イギリス史上最も偉大な人物として名を馳せる第二次世界大戦中のイギリスの首相であるウインストン・チャーチルの一言。
彼はドイツの大攻勢に屈しかけていた最悪の苦境を冷静に各種の奇策を繰り出し勝利に導きました、この一言はその時の心境を見事に言い表しています。
立ちはだかる壁が高ければ高いほど、落ちた穴が深ければ深いほど、逆境の風が強ければ強いほど、それを制覇した時の喜びと成長は一際大きいものとなります。
私個人的には簡単に「ピンチはチャンス」という言葉を吐く人は嫌いです、何故ならそういう人に限って言葉だけで何もしないからです。
断言しますがピンチはピンチなのです、その地獄のような状況の中で苦しみもがきながらも活路を見い出し乗り越えることが極めて重要なのです、そして乗り越えた人が苦境を振りかえって初めて「ピンチはチャンス」と言えるのです。
自分が今どんな状況かを考えても仕方ありません、目標に向かい進んでいる道に壁が有ったら乗り越えるしかないのです、穴に落ちたら這い上がるしかないんです、だって自分で選んだ道なのだから。
成功する人は安易なプラス思考に走りません、自分を誤魔化すよりも覚悟を決めて何が待ち構えようが目標に向かいただただ進むしかないのだから。
「お前がいつか出会う災いは、お前がおろそかにした時間の報いだ」
1日3時間しか眠らなかったという英雄ナポレオン三世(ルイ・ナポレオン)のこの一言は、志高い経営者には絶対に無視できません。
現役当時のナポレオンは、常に国民の平穏な暮らしの実現と迫り来る敵との戦いの方法を常に考えていました。
つまりは枕を高くしてゆっくり休む暇も無かったナポレオンのこの一言は、歴史を正確に紐解けばなるほど説得力があります。
全て自分の周辺に起こる事象とは偶然的に訪れるのではありません、自分の一つの判断と行動によって未来に発生する予め仕組まれた出来事でしかないのです。
悲しきかな経験不足な人にはそれを予測できないのです、たまたまそれが良い事象が起きた場合には「成功」となり、悪い事象が起きた場合に「災い」と表現されるにすぎないのです。
偶然によって起こった結果で一喜一憂しているようでは成功など夢の夢で終わるでしょう、成功者は常に未来に起こる事象を完璧に読んで結論を出し、そして理想的な結果を導き出します、それを必然というのです。
人生において重要なのは何時なのか、答えは一つです、それは「今、この瞬間」です。
知恵を知識を持てる能力の全てを小出しにしてはいけません、今この瞬間の判断と行動によって未来が開かれ、その結果において一変するのですから。
もしも未来において後悔することがあるとしたら、それは過去においてある瞬間の判断ミスとお粗末な行動に起因しているのです、それをナポレオンは「時間をおろそかにしている」という絶妙な言い回しで表現しているのです。
成功者は常に未来を見て思考し今この瞬間を全力で生きているのです、今日明日の事などどうでもよいのです、重要なのは5年後10年後の自分と身内の状況です、そしてそれは日々の決断と行動によって導き開かれるのです。
「歳取った者も若い者と同じように夢を持つことができる、それに向かって励め、このような夢を実現することは私にとって素晴らしい経験だ」
アメリカの宇宙飛行士ジョン・グレンの実に感慨深い一言、彼は工学博士を取得後アメリカ海軍の航空士官養成過程に入隊し1958年より宇宙飛行士としてマーキュリー計画に従事しました。
そして、マーキュリー6号(フレンドシップ-7)により、アメリカ初の地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士となります。
映画「ライトスタッフ」のモデルにもなったジョン・グレン、「地球全体を自身の目で見てみたい」、生涯大きな夢を描き自身の理想を追い続けました。
若い頃は誰しも将来への夢や希望を持っています、しかし早期にやりたい事で結果を出し成功している人はほんの一握りです。
多くの人は長引く低迷に喘ぎ苦しみ、そして何時しか夢を追うことをやめ自身の人生設計をやりたいことの目的から生活優先の手段へと変更してしまいます。
人それぞれの人生の考え方があって当然、それに対して私は何も言う事はありません。
ただ私は少なくてもジョン・グレンのように、若い時に思い描いた夢や理想郷を生涯にわたり達成するまで追っていたいと思っています、一つ実現すれば更に大きな夢を抱き続けながら。
何故ならそういう状況が本当に大好きだからです、生活が安定し何の悩みも苦労も無い人生は退屈すぎて地獄と同じなのです、私は常にあの世へ行く瞬間に自分の人生に後悔だけはしたくないと思って生きています。
成功する人は知っています、諦めさえしなければ夢は何時かは実現するということを、そして「夢追い人」に年齢制限は無いということを。
夢は諦めた瞬間に本当の夢で終わるのです、夢や理想郷はなかなか達成しそうでしないから達成した時の喜びも感動も価値のあるものになるのです。
それまでの気の遠くなるような時間は成功への必須な熟成時間なのです、この長い時間を存分に楽しむことです、達成した瞬間に楽しみが終焉するのですから。
「私はチャンス到来に備えて学び、いつでもすぐ仕事にかかれる態勢を整えている」
アメリカ16代大統領リンカーンの成功のヒントとも言えるこの一言、過去何百人という経営者と接してきて思うに成功を収めている経営者に共通している事項が「先読み行動」です。
極めて正確に世のトレンドを読み、それに合わせて事前準備を怠らない、そしてまるで時代の流れに合わせたかのように絶妙なタイミングで先駆者利得を得るのです、つまり僅かなチャンスにも乗り遅れないことが肝要です。
成功者を多くの人は運が良いと言います、しかし実際は運などではありません、先を読む計算力と分析力、そして人一倍の努力を惜しまないだけです。
他方、上手く行かない人に共通している事項は他者が上手く時流に乗った成功例を見て、その人と同じ方法を真似てやり始めます。
しかし事業開始の準備が整った時には、その事項は既に成熟し主流に完全に乗り遅れてしまいます、そして言い訳として「自分はニッチを狙う」などと言うのです。
成功している人は過去上手く行かなかったことを振り返り、「ニッチを狙う」とよく言っていたと語るのも面白い事実です、王道を歩めない自身への慰めで「ニッチを狙う」という証でもあります。
阪急電鉄創業者である小林一三の名言に、「金がないから何もできないという人間は、金があっても何もできない人間である」というのがあります。
トレンドを読み必要な準備に資金が無いなら、まずは資金を得るべきであり得る努力もせずにやらない理由にするのであれば、「資金が無いから」と自分に言い訳を言うべきではないのです。
何故なら、「やらない理由」を「できない理由」に常にすり替える人もまた成功していない人に共通する事項でもあるからです。
「私は一日たりとも、いわゆる労働などしたことがない」
天才発明家のトーマス・エジソンの心に響くつぶやきです。
「労働」とは生活の為の強いられた仕事を指します。
これに続く言葉として、「何故なら、私は何をやっても楽しんでいるから」というくだりで解ります。
さて、発明王で名を馳せたエジソンですが、いろいろ調べてみると、確かに発明という偉業も素晴らしいのですが、評価できる最大のポイントは、優れたビジネスセンスの持ち主だったということです。
つまり、典型的な成功者脳の持主なのです。
当時、電球や蓄音器など多くの同様の発明や改良された技術が犇めいていました。
しかし、当時はそれほど優位ではなかったエジソンの発明品が、何故他を制して世の中に商品として一般化したのでしょうか?
それが、エジソンのビジネスマンとしてのセンスなのです。
政治家へのネゴシエーションに始まり、投資家を集めて何度もプレゼンテーションを行い、大量生産可能な工場を作り、他者の発明品の欠点を突く見事なまでのビジネスアプローチを極短期間に、同時並行して繰り広げたのです。
エジソンの、こうしたビジネスアプローチ方法は、その後成功物語のモデルとして映画やドラマに多数採用されました。
こうしてエジソンの電球は、国策として採用され、蓄音機は専用メーカ化で一躍世界を制するエジソン大国を構築したのです。
どんなに素晴らしい知識や閃きがあっても、具体化させ社会の役に立たないのであれば、その意義を成しません。
何時の時代も、結局ビジネスは方法ではなく結果なのです。
使われて初めて評価されるのです、それをエジソンは実行したまでです。
そして、その結果において巨大な富を手に入れたのです。
世界最大の家電メーカー、アメリカGE社はエジソンが創設した会社であることは、あまり知られていません。