「俺たちは考え直さなきゃいけない、マイクロソフトが敵か味方だという考えは捨てないと。 アップルが元気になる方が大事だ」
天才IT技術者スティーブ・ウォズニアクと共に、アップルを創業した一人であるスティーブ・ジョブズの世界の経営者に聞いてほしいこの一言。
アメリカ国家技術賞を受賞したスティーブ・ジョブズは、独特の哲学が仇となり一旦はアップルの役員を解任させられます。
その後、自身の哲学通りの製品を目指してでNEXTを立ち上げその成果を評価されて再度アップルに復帰した経緯があます。
その後は多彩な才能を発揮し、作家や投資家としても名を馳せました。
この一言は、IT業界を二分していたマイクロソフトを例に出してはいるものの低迷するアップル再建に燃えたジョブズの信念を感じます。
世の経営者に多いのが誰が味方で誰が敵かという関心事です、しかしこれを考えたところで内部の問題が解決することはありません。
味方か敵かという話題は平和の時の思考です、行き残りを賭けた困窮した状況で重要なのは生きるか死ぬかの問題が先決するのが当たり前なのです。
そんな、本末転倒な経営陣へ向けた痛い一喝がこの一言です。
「人の真似をするな、何を食ってもいいが自分のクソをしろ!」
本田技研工業(ホンダ)の創業者であり、生涯現役エンジニアを生き抜いた本田総一郎のこのユニークな一言は実に解りやすいです。
本田総一郎は社長でありながら常に現役技術者を通しました、訪ねてきた銀行員も作業員と間違えとんだ失礼をしてしまった逸話が残されています。
この一言は、社員へ「自分のアイデアで勝負しろ! どんな課題でも自分で食べて、消化させて出口まで導け!」ということを彼らしい表現を使って激を飛ばしたのです。
多くの起業家の過ちは入口戦略だけは立派で集客を必死にやっていることです、でも重要なのは何事も出口なのです、出口が無いのに入り口だけ広げたらどうなるでしょうか、結果が出ないのですからクレームの雨嵐に打ちのめされるでしょう。
事業とは何事も先ずは顧客の最終形である出口を用意しないとダメです、それから入口戦略を立てる必要があるのです。
もっと極端なことを言えば確実に保証できる出口を用意できれば集客など一切不要です、顧客は我先に勝手に集まってきます。
事実、過去から私の事業のほぼ全てにおいてこれといった集客活動は行っていません、それでもメールで商談が入ってくるのですから不思議です。
行っているのは事業概要と根拠をサイトで開示し毎日ブログを書き続けていることくらいです、それが私の目指す理想の事業家であり真の経営者ではないかと思います。
「不景気は商売がうまくいかない原因ではなく、平等に与えられた条件にすぎない」
日本マクドナルドの創業者でありクールな経営者で知られる藤田田の、冷静なるこの一言は多くの経営者にとって耳の痛い一言です。
藤田田は大学時代に藤田商事を設立し海外からの輸入によって財をなしました、その資金を元手に日本マクドナルドを創設しあっという間に外食業界トップの座を仕留めました。
今の世の中にどんなニーズが有り、この先はどんな時代になるのか?
如何に時代と世の中の流れを正確に読みそれを実行して行けるのか、それができる人が結果的に勝者であり成功するのです。
多くの人はまず先を正確に読むことすらできないのが現実です、その理由は自分の周囲しか見えていないからに他なりません。
見るべきは周囲にいる同じ立場の人ではありません、周囲にいる同じ立場の人は今の自分の状況の鏡です、だからそこに未来の自分の姿は存在しません。
成功者は成功する前には必ず成功者を研究しています、どんな思考でどんなことに興味を持ちどんな日々を過ごしているのかと。
成功したいのであれば「成功者に学ぶ」、これに尽きるのです。
そして成功する人は決して自身の不幸を世の中のせいにはしません、どんな不景気でも増収増益を出す会社が事実存在しているのですから。
世の中に起こる事象や景気動向は、全ての人に平等に齎される条件(フィールド)に過ぎないのです、その中で如何に振舞えるかが勝者と敗者を分けるのです。
「価格は消費者が決めるもの、メーカーが決めるものではない」
ダイエー創業者で日本で初の小売業者で1兆円を売り上げた商売の神様、中内功の経営者なら心に刻みたい金言中の金言です。
日本チェーンストア協会会長や経団連副会長も務め、日本の小売業発展に大きく貢献した大人物でその言葉の重みは無視できないものがあります。
「自身がお客様を選ぶ」とか「一切安くしない」などという起業したての経営者が多々います、その強気さとは裏腹に生活すらままならぬ姿に悲哀感さえも感じてしまいます。
結局のところ定価を下げていくのです、それであるなら最初から低価格を打ち出した方が先駆者利得を得やすいというものです。
商売って何でしょうか、お客様に納得してもらい買ってもらって初めて商売というものです。
売り手市場などはもう30年も前に崩壊しています、今更何を勘違いしているのでしょうか。
もし言うのであれば儲かってしょうがない状況でなら致し方ないとさえ思いますが、家族を養えない状況下でのプライドの誇示は顧客離れが起きても当たり前なのかもしれません。
成功者ほど価格にはこだわりません、お客様が1円と言うなら1円の価値でしかないのですから素直に受け入れて改善するしかないのです。
もっと言えば経営者はお客様に育てられるのです、意味の無いプライドなど捨ててプロダクツアウト思考からマーケットイン思考に切り替えることが肝要です。
「成功への道は、自らの手で未来をつくることによってのみ開ける」
あまりにも有名であり誰もが知る経営学の巨匠であるユダヤ系オーストリア人のピーター・ドラッガーの勇気が出るこの一言、私も一時期何度となく彼の著書を読みふけりました。
私事ですがドラッガーの書籍は何度読んでも飽きがきません、経営における現状打破のヒントの宝庫だと思います。
最近の私はよく「未来の自分の姿を想像できるか?」と言います、還暦過ぎた私でさえやりたい事が沢山ありすぎて自分自身の中で絞り込むことはなかなかできません。
しかし「捨てられないものは何?」と考えるようになり、やっと残りの人生の設計図が完成したと思えます。
人生もビジネスも、ぶれないものを確立するにはそれなりの多くの年月と経験を積む必要があるのです。
もう一つドラッガーの心に響く名言に、「仕事のやり方を変えるのではなく、仕事に意味を与える」というのがあります。
利益にならない事業が在るとして、それに例えば将来の有益事業の為の事前調査や見込み顧客の洗い出しなどと意味を持たせることで無意味ではなく重要な投資事業へと変貌します。
しかし意味を持たせることができないならば、それは単なる赤字事業となり廃止させることが潔い方法です。
行動も同じです、同じことをするにも大義名分が有るのと無いのとでは価値が大きく異なります。
成功する人は、一見無駄に思えることに意味を持たせて事業として成り立つかを熟考します。
無駄か有益かを決めるのは他者ではありません、全てを解ってやっている自分自身です、目標を掲げたら他者の目を気にせず全うすればいいのです。
他者の目を気にしては躊躇したり、する必要も無い事に手を出したり、それこそ無意味で無駄な時間とお金を費やしているだけとなります。