「ラストシーンから書く」
「ゴジラ」などの日本の特撮映画に強く影響を受け、「未知との遭遇」・「E.T.」・「ジュラシックパーク」等の大ヒット作を生み出した、SF映画界の巨匠スティーブン・スピルバーグらしいこの一言。
起業前や起業後の事業インキュベーションなどでの相談を受けていて思うことに、多くの人は何をどのように行って利益を生み出すかということは描けています。
しかし、その結果においてどのような最終形を構築したいのかという、最も重要な「事業目的」が曖昧で明確に描かれていません、つまりブランディング手法でいう最も重要な出口が無いのです。
ブランディングもこの名言と全く同じで出口戦略からスキーム、そして入口戦略へと固めていきます、ここがマーケティング手法と大きく異なるポイントなのです。
経営や事業推進で最も重要なのは最終形です、そしてこれを経営コンサルティング業界では「出口」もしくは英語の「エクジット」と呼び、この最終形までの戦略を「出口戦略」や「エクジット・ストラテジ」と呼んでいます。
例えば、現在は多くの企業や団体が私的に発行する認定や資格、つまりディプロマビジネスがブームとなっています。
しかし、事業戦略上で重要なのは認定や資格を与えるための講義やセミナー収益であってはなりません。
本来的なビジネス感覚でいえば認定や資格の供与は係る手数料程度で良いのです、重要なのは認定や資格を与えた人がどのようにして利益を生み出せるのかということです。
つまり、認定や資格を得た人がそれによって利益を生み出せない状態が続くのであれば何れは誰も得ようとしなくなります。
つまりはこのビジネススキームは、そもそもが出口戦略のない単純に入口戦略だけのスキームであったと言わざるを得ません。
そして、認定や資格者が利益を生む出すことによって、初めて供与する側にも大きな利益が齎されるのです。
ビジネススキームは出口戦略をしっかり描くこと、それから入口戦略を構築することです。
「黄金は熱い炉の中で試され、友情は逆境の中で試される」
古代ギリシアの喜劇作家メナンドロスの人生を凝縮した至極の金言です、「黄金は熱い炉の中で試され」とは当時の錬金術(金鉱石から金だけを取る技術)に例えているのが解ります。
金を含む金鉱石を細かく粉砕して鉛を溶かした炉に入れ、一旦鉛の中に金を溶け込ませます。
今度は、その金を含んだ鉛を高温で溶かすと蒸発温度の低い鉛は煤となり表面に浮きます、それを取り除けば金だけが残るのです。
「友情は逆境の中で試される」とは言うまでもありません、困窮した時に真の友達かが判ります。
友達とはビジネスで言えば共に成長と利益活動を行える支援者やパートナーです、自分や相手の状況に関係なく無条件で受け入れ助けてくれる人は本物の友、私も過去何度もこういった人に助けられ今があると痛感しています。
また、自分には手に負えないと思った事をきっぱりと断る人、責任を負うことができない事を中途半端に受けない人であり、ある意味で潔い人でもあり障害を取り除くことで強い協力者に成り得る人なのです。
自分の状況や利害関係を優先して、足元を見ては受け入れがたい条件を提示してくる人、この人とは関わらない方が身の為です、更には名分を振りかざ、要らぬ進言をする人もまた厄介な存在でもあります。
「人があなたのことを悪く言う、それが真実なら直せばいい、それが嘘なら笑い飛ばせばいい」
古代ギリシャの哲学者、エピクテトスの時代を意識させないスカッとするこの一言。
私は、ある程度の歳になり初めて他者の自分への悪口は取るに足りないものだと流すことができるようになりました。
若い頃は、自分への根拠のない悪い噂話を聞くと何とも言えない悔しさが滲み出てきました。
これだけは覚えておきましょう、誰もどうでもよい人の事は良くも悪くも言わないものです、つまりは悪口でさえもそれだけ他者を意識させる存在になっているということです。
悪口は更には他者から見れば驚異の対象だということであり、ある意味での評価なのです。
もしも、自身の身に何の後ろめたいものも無いのであれば一環として堂々と、そして悪い噂など笑い流していればよいのです。
悪い噂を流した者もそれを確かめもせずに信じた者も、真実が明らかになった時に今度は逆に他者から悪口を言われる立場になります。
志を持って何かを始めれば必ず好感する人だけではなくそれを善しとしない人が現れます、そんなことを気にしているようでは自分の本当に行いたいことは何もできません。
「ゴルフにバンカーやハザードがなければ単調で退屈に違いない、人生も然りだ」
世界長者番付で有名なアメリカの月刊雑誌「フォーブス」の創始者であり、作家のB・C・フォーブスのこの一言は実に人生を爽快に表した一言です。
人は思ったようにいかないと焦れたり悪あがきをしては益々窮地に追い込まれていきます、そして継続して訪れる辛い人生に失望します。
逆に今度は、何も無い退屈な時間が続くと生きる望みさえ失っていきます。
では、どっちがいったい不幸なんでしょうか?
見方を変えるとどちらも考え方次第では極めて幸福な状況なのです、更に障害を取り除けば思うようになる障害だらけの人生の方が未来に楽しみがあります。
障害やトラブルが続いたら成長への試練や未来に輝くための糧と捉え、感謝してそれを素直に受け入れることが肝要です、決して嘆くことではありません。
成功している人は試練を繰り返しクリアした結果として今があるのです、生まれ持っての成功者など存在しません。
成功する人は知っています、逃げずに諦めない姿勢の延長に必ず成功が待っているということを。
「何もしないで何かを得ようとするのはムシがよすぎるというものだ、本気で成功したいと思うならズルはしないことだ、根気よく努力するしかないのだ」
成功哲学の祖と言われたナポレオン・ヒルの一言は、成功を望む者にとって無視できない一言ではないでしょうか?
新聞記者をやっていた彼は、当時アメリカNo1の資産家である鉄鋼王アンドリュー・カーネギーのインタビュワーに抜擢されました。
このインタビューをきっかけに、カーネギーから500人以上の成功者の調査を依頼されます。
この調査の集大成がメガヒットとなった著書『思考は現実化する』そのものであり、これ1冊で彼は巨額の富を得て財団まで創設するに至ったのです。
この一言はその著書の中で謳われている金言の一つです、自分の経験から湧き出た言葉には真の説得力が有ります。
何故ならカーネギーの依頼は20年の歳月がかかり報酬はゼロだったからです、しかし何故彼はこの無謀な依頼を引き受けたのか、そして約束を守ったのだろうか?
その答えは、著書のメガヒットとその後の成功哲学の祖としての活躍と後世にまで名を残した事実を見れば説明するまでもないでしょう。
成功する人は知っています、「僅かな瞬間の損得を考える者は常に将来の大きなチャンスを逃す愚か者の代表格」ということを。
成功したければその瞬間の損得を考えてはいけません、未来の損得で考えることが肝要なのです。
もっと言えばその場の損得を考えての行動は思惑通りにはならないのです、また損得とは金員(金銭の額)だけではなく最もこの世で大きいのは信頼です。