2022年12月 9日 00:00
「ラストシーンから書く」
「ゴジラ」などの日本の特撮映画に強く影響を受け、「未知との遭遇」・「E.T.」・「ジュラシックパーク」等の大ヒット作を生み出した、SF映画界の巨匠スティーブン・スピルバーグらしいこの一言。
起業前や起業後の事業インキュベーションなどでの相談を受けていて思うことに、多くの人は何をどのように行って利益を生み出すかということは描けています。
しかし、その結果においてどのような最終形を構築したいのかという、最も重要な「事業目的」が曖昧で明確に描かれていません、つまりブランディング手法でいう最も重要な出口が無いのです。
ブランディングもこの名言と全く同じで出口戦略からスキーム、そして入口戦略へと固めていきます、ここがマーケティング手法と大きく異なるポイントなのです。
経営や事業推進で最も重要なのは最終形です、そしてこれを経営コンサルティング業界では「出口」もしくは英語の「エクジット」と呼び、この最終形までの戦略を「出口戦略」や「エクジット・ストラテジ」と呼んでいます。
例えば、現在は多くの企業や団体が私的に発行する認定や資格、つまりディプロマビジネスがブームとなっています。
しかし、事業戦略上で重要なのは認定や資格を与えるための講義やセミナー収益であってはなりません。
本来的なビジネス感覚でいえば認定や資格の供与は係る手数料程度で良いのです、重要なのは認定や資格を与えた人がどのようにして利益を生み出せるのかということです。
つまり、認定や資格を得た人がそれによって利益を生み出せない状態が続くのであれば何れは誰も得ようとしなくなります。
つまりはこのビジネススキームは、そもそもが出口戦略のない単純に入口戦略だけのスキームであったと言わざるを得ません。
そして、認定や資格者が利益を生む出すことによって、初めて供与する側にも大きな利益が齎されるのです。
ビジネススキームは出口戦略をしっかり描くこと、それから入口戦略を構築することです。