2019年9月17日 00:00
テーマ「支配者」、いよいよ最後のまとめに入ります。
そもそも「共生」という生命体の関りは「真核生物」だけに見られる生態系です。
そして「真核生物」は、「古細菌」から突然変異して地球上に発祥しました。
その発祥の過程において、「古細菌」の一つである「ミトコンドリア」を細胞内に取りこみ、細胞核を持つ細胞の塊である生命体となり独自の進化を遂げてきたのです。
ここで、生物学的にも「ミトコンドリア」を取りこんだのではなく、「ミトコンドリア」が寄生したことによって「真核生物」が誕生したという説が根強く存在している事実があります。
つまり、「真核生物」の植物・動物・菌類は同じ「ミトコンドリア」が細胞内に寄生しているという見方もできます。
「ミトコンドリア」は「真核細胞」の中で独自のDNAにより分裂し、寄生先の細胞が分裂することにより種の保存を行っているのです。
人間で例を上げると、心臓や肝臓は「ミトコンドリア」比が高い細胞によって構成されています。
全身では1つの細胞内に数百個の「ミトコンドリア」が存在し、体重の約10%の質量が「ミトコンドリア」という比重になります。
つまり体重60Kgの人は、ミトコンドリアだけで6Kgもの量になるということです。
また、「古細菌」は単細胞ですが、「真核生物」は細胞結合を行い多くの生物を地球上に齎しました。
人間で言えば最近になって計算し直され、約37兆個もの細胞の結合によって構成されています。
つまり、人間1人の体内に生息する「ミトコンドリア」の数は、平均で1京2000兆個となるのです。
また、ミトコンドリア比重が高い人はエネルギッシュでタフであるとされ、体温も高く生体電磁波も強力で病気知らずです。
この生体電磁波の大きさが他者に伝わると、「オーラを感じる」とか「圧を感じる」と表現されるのだと考えられます。
さて、ここで「共生」を再度考えて見ましょう。
「寄生」にしても「相利共生」にしても、どのような「真核生物」同士の関り合いであっても、必ず「ミトコンドリア」は何らかの「真核生物」内で生き続けるという事実があります。
何かが犠牲になっても、その犠牲の上で必ず「ミトコンドリア」だけは種の保存を行えているのです。
また、近年の研究によって「ミトコンドリア」は、「真核生物」の細胞分裂やアポトーシス(細胞自殺)を制御していることも解りました。
これは極めて興味深く、研究者の中には「病死の多くはミトコンドリアが住みにくくなった環境を捨てる行為」だと言う人までいます。
動物の時間感覚や植物の同種同時開花などのシンクロナスティにも「ミトコンドリア」が関っている事が解りました。
時計も窓も無い部屋で、1ヵ月生活するとどうなるかという実験が過去になされました。
その結果、被験者の全てが25時間周期の生活リズムになったそうです。
この実験の結果、DNAに元々仕組まれている1日の時間感覚は25時間ということが解りました。
でも、人間が地球上に発生してから地球の自転周期は24時間である事が既に解っています。
ここから、研究者の中には25時間周期というのは「ミトコンドリア」の時間感覚ではないかという推測までなされています。
これらを総合して考えるに、食物連鎖や「共生」という地球上のエコシステムや個々の生態の全てが「ミトコンドリア」が種の保存を行うように作り上げられたシステムだと言えないでしょうか?
「共生」という異種生命体同士の摩訶不思議な関係も、「ミトコンドリア」の種の保存による現象と考えると、そのように互いを進化するようにコントロールしてきたのではないかとさえ思えるのです。
私の大きな疑問であった、脳の無い植物や菌類が相手に合わせて進化する疑問もこれによって解けます。
ここで、突然ですが面白い生物の話しをしましょう。
皆さんの近くにも、シラミのように虫眼鏡を使わないと見えないほどの小さな緩歩動物である「クマムシ」という生物が存在しています。
「クマムシ」は、苔や腐葉土などに多数生息し、地球上のどこにも生息しています、そして現在多くの生物学者の研究テーマともなっています。
この「クマムシ」の生態が恐ろしいものなのです、何と空気も水も無い場所で何百年も冬眠化して生き続け、更には絶対零度でも放射能を浴びても死なないのです。
つまり、宇宙空間でも生き続ける事ができるという生命体なのです。
この実証を行う目的で、人類は月に現代の科学・文化を示すタイムカプセルと共に「クマムシ」数千匹を置き去りにしました。
長い年月を経て、未来の人類が自由に宇宙空間を行き来できるようになったとき、月に置いてきた過去の科学・文化を知る遺品と「クマムシ」を発見してもらい、地球環境に戻して生き返るかどうかを検証させようというのです。
「クマムシ」は、宇宙から何らかの方法で地球に飛来してきたとする仮説も根強く有り、その解明のための置き去り実験だとする見方もできます。
さて、この「クマムシ」ですが、何と動物でありながら植物や菌類のDNAも持っているのです、更には複数のDNAを持っている事が解りました、その数は平均で6種類以上にもなるのです。
なんと「クマムシ」は、摂食した生命体のDNAを自身のDNAに取り込む武器を獲得した生命体なのです。
これが、驚異の環境適応能力と生命力を発揮しているメカニズムの基なのかもしれません。
そして、この植物を含めた複数のDNAの合成、これがもしかして遠い昔から脳の無い植物や菌類が動物の生態を知るリソースになっていたと考えるのは飛躍しすぎでしょうか?
これは、あくまでも私の想像でしかありません。
答えは、優秀な科学者達が近いうちに出してくれるでしょう。
ただ、この「クマムシ」もまた「真核生物」であり、「ミトコンドリア」によって生態が形成されたのは事実です。
このように、少なくても地球生命体のうち「真核生物」である植物・動物・菌類を支配しているのは「ミトコンドリア」である、と考えるのが自然なのではないでしょうか?
寄生先の「真核生物」は、環境により姿形を変えながら環境に合わせ進化と淘汰を繰り返して行きますが、「ミトコンドリア」だけは「真核生物」の中で発祥から一切進化せずに種の保存を行っているのです。
何かが生き残れば、「ミトコンドリア」は生き残れるのです。
地球上の「真核生物」のすべては、「ミトコンドリア」の繁殖目的によって誕生し、そして進化しながら生かされているのではないでしょうか?
つまり、地球生命体の真の支配者はズバリ「ミトコンドリア」だと考えるのは私だけでしょうか?
※本シリーズは本編で一旦完結といたします。 続編は今のところノーアイデアですが、新たな発見や研究成果が発表されれば触発されて続編を書くことがあるかもしれません。