2024年7月18日 06:00
ときどき耳にする「トナラー」という言葉ですが他者との距離を物理的に取れない場合に作動する心理作用である「没人格化」を任意にコントロールできない人を指して用いる言葉のようです、「没人格化」とは例えば混んでいる電車などでは身体がくっつくほどの状況下でも両隣りは人間ではなく物であると脳が認識し自身が座る行為を優先させることなどをいいます。
電車のこうした事実は普通では有り得ないことです、これが公園のベンチであれば変態と認識され通報されてしまいます、これが「没人格化」という本能にも似た脳の機能がなせる技です、そして「没人格化」を電車がガラガラなときにまで無意識に発動させてしまうのが「トナラー」という人なのです。
皆さんも経験していると思いますがレストランや居酒屋でガラガラなのにわざわざ隣に座るグループや駐車場でガラガラなのに隣に駐車させる人がそれに当たります、やられた方はよい迷惑です、仕事上やプライベートでの他者に聞かれたくない話しもできないし駐車場では傷でも付けたら厄介な事になります、それ以上にパーソナル空間を犯された気分になり不愉快にさせられてしまいます。
まだ混んでいる状況であれば当然のこと「没人格化」が機能して我慢できますがガラガラ状態でこれをやられるとストレスがマックスになります、更に男性はよく解ると思いますが駅などの公衆トイレでこれをやられると危機意識さえも生じてしまいます。
このような「トナラー」の人とはいったいどんな心理によってこういった行動をとるのでしょうか、実はこれを研究した社団法人があったのです、その社団法人の出した答えは「不安感を払拭し安心感を得る為」なのだそうです。
初めてのレストランや居酒屋では勝手知りません、どんな種のお客さんなのかどのようなサービスなのかわかりません、そこで先に来ている人の隣にあえて座り周囲に「団体だからね」という暗黙のサインを出すことによって自身の不安感を払拭させ安心感を得ようとする深層心理だというのです。
解らなくもないのですが「トナラー」はハッキリ言って迷惑です、他者依存せず初めてのお店でも「孤独感」という何とも言えない微妙な不安心境を大いに愉しんで頂ければ幸いです。