「ワクワクする」とは、こういうことなのだろう。
世の中には充分に役割を果たした後、必要が無くなった物事に対して「お役目御免」などという言葉を使って清算することがあります。
そんな意味を込めて、今年に入り務めが完了した法人や事業の清算を一気に推し進めています。
こういった役目が終わった物事を何時までも放置している人もいますが、法人も事業も存続させるだけでコストがかかります。
最も大きなデメリットはその物事をいつまでも気にしていなければならないという心の負担です、これが未来において何よりも大きな事業推進のブレーキとなります。
一時的に事業分割を行うことによる受け皿としての法人が必要なときがあります、また分割後に一定期間稼働させ債務を全て清算した後に今度は事業統合により不要事業を譲渡したり廃止することがあります。
更には社名と共に事業目的と役員を変えて新たな法人を創出することもあります、新規に設立すると不要になった法人を解散しなくてはなりません、その意味では変更登記して新社に生まれ変える方が無駄が無く費用も抑えることが可能です。
こういう清算を私は昔から短期間に複数同時に一気に行ってしまいます、実行中は時間も労力も半端ではありません、並行して毎日複数の清算での業務が発生し流れや段取りを作るのにかなりの神経を使います。
でもこの方法が最も効果的なのです、一つずつ行っていてはその間ずっと気を使っていなければならず本業の収益事業に集中できません。
だから数ヶ月という期限を定めて一気に行います、勿論収益事業も並行して行いますからこの間は不休不眠状態です。
私はこういった清算を終わらせた瞬間がこの上ない喜びを感じます、この達成感と解放感は経験した人でないと解りません。
長期間苦しんだ痛みがスーッと引いたときのような爽快感が大好きです、きっとそんな経験から清算事を貯めておいてはタイミングを図って一気にやってしまうのかもしれません。
一度手にしたものや創出したものが不要になっても捨てることができない人がいますが、どんな事にもリミッターという限界があることを知った方がよいと思います、そして形あるものを失ったとしても経験やノウハウという貴重な形のない大きな財産はしっかり自身の中に残るのです。
成功法則を身につけている人はどんな価値あるものでも一度は捨てないと新たな事が入り込むスペースが無いことを肌感覚で解っています、物も人も情報も例外なく全てに適応する自然の法則そのものなのです。
「ワクワクする」とは、こういうことなのだろう。
10年ほど前のこと、会社経営している友人が新社をシンガポールに設立したのをきっかけに自宅も国境をまたいでマレーシアに構えました。
シンガポールとマレーシアは橋を渡れば互いに行き来が自由にできます、こういった人は結構多いと聞きます。
また、私の20年来のIT系パートナーは家族でマレーシアの首都クアラルンプールにやはり10年ほど前から住んでいます、その後も継続的にリモートで各種の仕事を行ってもらっています。
近年日本を脱出しマレーシアに住む人が後を絶ちません、そんな人が世界中から押し寄せてマレーシアのシンガポール国境周辺は地価が急上昇しているそうです。
日本人には共有の芝生の庭とプール付きの小規模マンションが人気で、掃除や食事を行うハウスキーパーや運転手を雇っても家族全員の一カ月の生活費は20万円ほどで済みます。
同じ所得であればマレーシアでは日本の数倍の贅沢な生活ができるのです、しかも外貨であればどれほど稼いでも国内の税金はゼロです。
一時期はタックスヘイブンでも有名になったマレーシア、地震などの災害は少なくお隣シンガポールは世界有数の特許や金融の情報拠点でありグローバル企業のデーターセンターのほとんどがシンガポールに置かれています。
シンガポールは世界有数の企業の支社が置かれ、まさに東西をつなぐグローバル国家として有名です。
マレーシアは常夏の地で今世界中から再注目されている熱い地域なのです、そしてマレーシアの85%の人が「日本が好き」というトップレベルの親日国家であり、若い世代ではほぼ全員が親日と言っても過言ではありません。
また日本との時差は僅か1時間です、日本人にとっては非常に暮らしやすい国だと言えるでしょう。
特に先の震災後はリスクヘッジも後押しして高い税金を払わされる所得の高い人ほどマレーシアへ移住しています、マレーシアに住んで時差1時間の日本相手にビジネスする、アフターコロナの一つの選択肢かもしれません。
もう一つ、私の関心は冬夏季節が逆転するオーストラリアです、春から秋は日本で過ごし秋から春先はオーストラリアで過ごす、時差も僅かなトップレベルの親日国家オーストラリアも海外生活の選択肢の一つです。
生涯日本で暮らすローカル人生も良いのですが、日本と海外を行き来するグローバル人生もまた一つの選択肢かもしれません。
「ワクワクする」とは、こういうことなのだろう。
旧友の多くは既に定年退職しています、そんな旧友たちとときどき飲むのですが、みんな口を揃えたように同じことを言います。
「定年退職して解ったことだけど、毎日行くところがあるって幸せなことなんだよ」、なるほど私は今までに一度も考えたこともなかったのですが、行くところが無くなった人にとっては家にいることが如何に辛いことなのかと考えさせられます。
多くの旧友はサラリーマンや公務員です、退職したら悠々自適に暮らせると考えていたのでしょう、ところがいざ退職してみると気力が湧かずにやりたい事も手が付かないのだと言います。
だから皆さんシルバー人材センターに登録してどんな仕事でもしたいと思うのでしょう、そこには経済的な手段よりも行くところがあるという生き甲斐を見い出そうとしているように思います。
そんな話をしていてふと考えたのですが、私の事業で幾つか同世代の人に手伝ってほしい事が山ほど在ることに気が付きました。
例えばオーディオの修理やメンテナンスは、今やオーディオメーカーで技術職だった人たちが定年後に会社を立ち上げて細々とやっています。
他方、高度成長期時代に常に技術者不足でオーディオメーカーはどんどん採用していきました、そして今どんどん定年退職していきます、更にはアナログからデジタルに移行し求められる技術分野がガラッと変わっています。
つまり、そういう高齢技術者が数多く埋もれているのです、また現在は真空管アンプやレコードプレーヤーなどアナログが復活しています、つまり極めてニッチな人材が不可欠なのです。
そんな専門分野の高齢技術者と何かできないかとロジカルシンキングしていたら、次から次へとどんどんアイデアが出てくるのです。
採用する側も善し、される側も善し、そして社会に善し、面白いことがたくさん出来そうな気がしてきました。
また老後の愉しみが増えました、「長生きすれば善いことが待っている」、徳川家康はいい言葉を残してくれました。
「ワクワクする」とは、こういうことなのだろう。
いつものように何を思ったのか突然周囲に前触れもなく元社員に復帰してもらい、先月スタッフ2名を新規採用し一気に新事業を創設しました。
正確に言うとまったくの新規事業ではなく、12年ほど前に2年間実際に行っていた事業なのです、当時は社会情勢と世間の意識がその事業本来の目的としているものと大きく乖離しており大赤字の末に撤退した事業です。
その事業を何故今復活させようと思ったのか、それはようやく社会情勢と世間の意識がその事業スキームにぴったりと合ってきたからです。
昔から私の事業スキームは常に時期尚早と周囲の人から言われます、でもやってみないと解らないということで先ずローンチさせてしまうのが私流儀です。
当然のこと時期尚早なのですから結果もその通りになります、さてこれは本当に無駄事なのでしょうか?
私は一切無駄だとは思わないのです、最も大きな収益は実際にやってみた肌感覚とノウハウが左脳にたっぷりと蓄積されるからです、そしてどんな感覚を持った人材が必要なのかが正確に解るからです。
今回も事業再開の決定からあっという間に必須な人材を採用し、人材が揃って1ヶ月も経たないうちに構想が具体化しサイト構築するまでに至っています、更にはサイトの完成を待たずにゴールを目指してコンテンツの配信が早くも始まっています。
もしこれが全く経験していない事業だったらこうもスムースには進みません、おそらく半年経っても方針と目標が定まっていないでしょう、事実10年前の時がそうでしたから。
その間にやる気満々だったスタッフは辞めてしまうかもしれません、思考錯誤の繰り返しでサイトもなかなか思うようなものが構築できません。
「継続して持ち続ければ夢は必ず叶う」、その天の時まで10年でも20年でもじっと待てるのが私流の事業構築の成功法則です。
新型コロナウイルスパンデミックの影響で隠居計画が3年先延ばしされました、この新事業の立ち上げといい、メインのIT事業の収益転換といい、新会社の設立ラッシュといい、今考えるに私にとっては必然の計画変更だったとしか思えません。
「ワクワクする」とは、こういうことなのだろう。
隠居を強く意識するようになってからというもの無意識にいろいろなものを絶捨離している自分がいます、携帯電話を新しくした際には連絡先を登録し直したら僅か30人余りしかなく自分でも驚きました。
自分の中で隠居後にも関る人間関係をどんどん絞っているのでしょう、新たな登録先でビジネス関連の人はほぼ皆無です。
隠居後は私から直接連絡することはなく、必要であれば引き継いだ者が代理でやってくれればよいと考えているからです。
パソコンの中にストックされていた大量の保管ファイルも不要なものは削除し、今後も必要だろうと思うものは社内の情報共有サーバーに移しました、こうしておけばいざという時には引き継いだ者がいつでも見ることができ一石二鳥というわけです。
自身のパソコンには当面必要な限られたファイルだけとなりました、その結果メモリが大幅に空いたのか処理速度が一気に向上しました。
有事のために保管してある過去からの情報とは意外と多いのです、整理してみて改めてその多さに驚かされます。
隠居後は自分のやりたいことを優先して時間を費やしたいと思います、隠居後まで他者の利益に関ることは極力したくはないのです。
他者の利益行為に関れば必ず責任が生まれます、隠居後は責任や義務からも解放されて穏やかに暮らしたいと思うのです。
自分が思うがままに心穏やかにいられる人とだけ淡々と暮らす、それが私の理想の隠居後の暮らしです。
ある意味では自分の中に小さな心の村社会を創造することを理想としているのかもしれません、社会情勢や自分と関りの無い人に振り回されたくないのです。
情報や付き合う人をどんどん狭くしていくと、逆にどんどん脳の容量が空いてくるのを自覚しています。
隠居後はたっぷりと空いた脳の領域を使って、これまで理想としていてもできなかったことに対してだけフルに使っていきたいと思います。
その意味で言うと、昨年2年間という期間と莫大な費用をかけて開発した巨大なシステムを1から作り直すという決定を下しました、しかも新規に追加するシステムを入れて6サイト同時並行です。
加えて各種のポータルサイトも新規構築やリニューアルを複数同時に行っています、更には未来に繋がる新規事業も複数興してしまいました、実に自分らしいとは思うのですが不安は不思議とありません。
これらの膨大な費用を捻出するのは困難を極めましたが、妥協すれば後悔以外の何物も残らないことを嫌というほど解っています、だから気持は更に前向きになっています。
この隠居間際の大勝負、自分がやると決めたことなのですから有言実行で最後までやり遂げるしかないのでしょう。