
花と動物シリーズでスペイサイドやハイランドのヒドゥン蒸留所の名作モルトを世に広めたディアジオ社(旧UD社=ユナイテッド・ディステラリー社)、このディアジオ社が花と動物シリーズの成功を再びとばかりに5年前からシリーズ化しているのがスペシャルリリースシリーズです。
このスペシャルリリースシリーズはラガヴーリンやタリスカーなど10蒸留所ほどの名作モルトを毎年綺麗なイラストを添えて発売しています、蒸留所によって毎年特徴的なイラストレーターを採用しているのも評価され人気は急上昇しています、スペシャルリリースのラガヴーリン版は初年度から採用され現在2019から2023までの5種類あります。
ラガヴーリンの最大の持ち味であるシェリーカスクではなくこの2023年版に限ってテキーラカスクを使っています、ちなみに2019年版から3年はリフィル・アメリカンオークで2022年版はヴァージンヨーロピアンオークでしたから味も香りも過去4年版とガラッと変わり、極めてスモーキー且つスパイシーな切れ味を堪能できます。
尚、毎年リリースされる同ラガヴーリン・ディアジオスペシャルリリースは全てシングルカスクで毎年アルコール度数も変わってきており、今回はカスクもガラッと違うので味も香りも他のリリース年版と大きく異なります。
品名 ラガヴーリン12年 ディアジオスペシャルリリース2023
熟成年数 12年
カスク テキーラ
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ボトラー ディアジオ
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 56.4度
内容量 700ml
価格 28,000円~32,000円(2025年5月時点)
特記事項 シングルカスク

謎のアイラモルトの中で私が常に切らさず手元に置いているスカラバス、2種のカスク原酒をヴァッティングさせた骨太なアイラシングルモルトの味と香りを存分に楽しめます、そのスカラバスの10年熟成版が本ボトルです、面白いのですがラベルはノンエイジがゴールドで本10年がシルバーです。
スカラバスはボトラーズ大手のハンターレイン社の看板商品の一つです、ハンターレインといえば2018年稼動のアイラ島で一番新しい蒸留所であるアードナッホーのオーナーでもあります、いずれはアードナッホー蒸留所のシングルモルトを前面に出してくるでしょうから非常に楽しみです。
ノンエイジのスカラバスに比べるとややピート臭が落ち着いておりガツンとしたアイラらしさがやや物足りないのですが、多くのエッセンスを感じることができるアイラシングルモルトです、10年のほうがどの蒸留所か解りやすいと思います。
尚、アルコール度数57度のバッチストレングス(カスク原酒のヴァッティング)版もありますのでガツンとくる味を楽しみたい方にはそちらをお勧めします、人気の高いスカラバスですが最近では品薄で入手困難という話がチラホラ聞こえ始めましたので買える時に買っておいたほうがよいかもしれません。
品名 スカラバス10年 アイラシングルモルト
熟成年数 10年
カスク リフィル・バーボン、ヴァージン・アメリカンオーク
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー ハンターレイン
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 8,000円~9,000円(2024年4月時点)
特記事項 2カスクヴァッティング
アラート 品薄で入手困難状況

「謎のアイラモルト」を堂々と謳っているピーツビーストはブラジル人イラストレーターのダグ・アルベスの印象的なイラスト入りボトルでも有名な謎のアイラモルトです。
そのピーツビーストのPX(ペドロヒメネス)シェリーカスクでフィニッシュ(再熟成)させたピーツビースト・PXシェリーカスク・バッチストレングスです、カスク原酒をヴァッティング後に再熟成させた後にそのままボトリングしたカスクストレングス版でPXシェリーカスクの味と香りを堪能できる逸品です。
注いだ瞬間に鼻にガツンと来る強烈なピート臭とスパイシーな味なのにフィニッシュは甘いドライフルーツのような味と香りに変化します、PXシェリーカスクを存分に楽しめるウイスキーですがカスクストレングスですのでアルコール度数が高いのでチェイサーと交互に飲むことをお勧めします。
品名 ピーツビースト PXシェリーカスクフィニッシュ・バッチストレングス
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク 前熟成カスクは不明、ペドロヒメネスシェリー
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー フォックス・フィッツジェラルド
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 54.1度
内容量 700ml
価格 6,000円~7,000円(2024年2月時点)
特記事項 ペドロヒネメスカスクフィニッシュ、カスクストレングス

ラフロイグが1815年に蒸留を開始したときの味を今に伝えるという意味でマネージャーであるキャンベル氏の拘りで作られたロア(「伝承」の意味)は、ラフロイグのウイスキーに対する精神そのものを味わえる特別仕様の逸品です。
その拘りのスペックの一つはヴァージン・ヨーロピアンオークカスクで熟成した後にファーストフィル・バーボンカスクに移し更に熟成させるという手の込んだ2カスクマチュアードとしています、更に熟成前に複数のカスクで熟成させたカスク原酒をヴァッティングしています、これによって複雑なエッセンスを醸し出す見事なバランスのウイスキーに仕上がっています。
ラフロイグといえば過去にはグレーンウイスキーを混ぜたブレンデッドもオフィシャルで創出していた時期もあります、その意味ではラフロイグ蒸留所だけで完結ブレンデッドとしたラフロイグ・モルトブレンデッドウイスキーと言っても過言ではありません。
尚、ラフロイグはオフィシャル版はホワイトラベルで、特別仕様や限定版はブラックラベルで識別していますのでブラックラベルのラフロイグを見つけたらよく調べてから購入するのがよいかもしれません。
品名 ラフロイグ ロア
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク ヴァージン・ヨーロピアンオーク、ファーストフィル・バーボン、他数種のカスク
蒸留所 ラフロイグ(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 48度
内容量 700ml
価格 14,000円~15,500円(2024年2月現在)
特記事項 複数カスクヴァッティング&2カスクマチュアード(ヴァージン・ヨーロピアンオークカスク~ファーストフィル・バーボンカスクフィニッシュ)

コリーヴレッカン、アンオーとアードベックの三大特別仕様のオフィシャルラインアップのなかにあって最もストレートにアードベックエッセンスを楽しめるのがウーガダールです。
アルコール度数がかなり高めに調整されているので微妙なニュアンスを味わいたいならトゥワイスアップをお勧めします、ウーガダールに込められたメッセージを素直に受け取りたい人は是非ともチェイサーを飲みながらストレートで頂いてください。
ショットバーで「アンオーが終売になるかも」という情報を得て慌ててアンオーと共に購入したのですがアンオー同様に1年前に買ったときよりも価格が30%ほど高くなっていました、オークションでも高額で出品されだしていますので入手困難なエリアが存在している可能性があります。
ウーガダールの名前の由来はアードベック蒸留所の所在地にある湖の名称で、そのピートが茂る湖の水を仕込み水として製造されたことに由来しています。
何ともいえないフルーツのような甘い香りとスパイスの香りがミックスされ複雑な味わいといいアードベックファンには堪らない逸品でしょう、更には最初から最後まで感じるスモーキーなピートの香りはチーズやハムを最高の味に仕上げてくれます。
品名 アードベック ウーガダール
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク バーボン、シェリー
蒸留所 アードベック(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 54.2度
内容量 700ml
価格 11,500円~13,500円(2024年2月時点)
特記事項 2カスクヴァッティング
アラート 品薄状況で価格上昇傾向