「一年の希望は春が決める、一日の希望は暁が決める、家族の希望は和合が決める、人生の希望は勤勉が決める」
「一年の計は元旦に在り」も同様に日本に伝来して定着したものと思われます、この諺は最初の2句と最後の2句は異なる意味を持っていることに気付きます。
最初の2句は計画策定の有効なる時期を指し、最後の2句はその有効なる実践方法を説いています。
プライベートであれば正月にビジネスであれば新年度初日に一年の計画を、また朝起きた時にその日の行動計画を立てれば無駄のない時間を有意義に過ごすことができるということを示しています。
そして家族(組織)の未来は一つにまとまり和やかな雰囲気から計画が実践され、それの延長に在る人生は毎日コツコツと計画を実行し結果を残して行く先に齎されるというものです。
私はこの諺を知った瞬間は「当たり前のことだ」と軽く流してしまいました、しかしさまざまな出来事を繰り返しているうちに言葉の真の意味が徐々に身体に染み込んできました、そして最後には「深い!」と実感した次第です。
その後は夜に考えることはしなくなり朝考え事をするようになりました、するとどうでしょう、夜考えるとマイナスな事がどんどん出てくるのに対して朝考えると未来志向で明るく考えることができるようになるのです。
早起きは三文の得、夜は何も考えずに寝る、考えごとは早く起きてじっくり考える、成功を考える前に習慣化したいものです。
「人間万時塞翁が馬」(じんかんばんじさいおうがうま)
中国の古書「淮南子(えなんじ)」に載せられている教えです、25歳で独立し28歳で法人化した私は、経営指南役として当時70歳近い大手接着剤会社の社長だった人を専務取締役として登用し3年間経営手法をみっちり学びました。
その当時の専務がこの言葉を使っては、「今この瞬間に一喜一憂するな」と事あるごとに私を冷静にさせてくれました。
この「人間万時塞翁が馬」の意味ですが、まず「人間」は「じんかん」と読み人のことではなく「世間」を意味しています。
そしてこの言葉の由来の話を要約すると、大切な村の馬が逃げ出してしまった、それを見た老人が「これが不幸とは限らない」と言いました、その通り逃げた馬が多数の馬を連れて戻って来ました。
それを見た老人は「これが幸福とは限らない」と言いました、その通り馬に乗った老人の息子が落馬して大怪我を負いました。
それを見た老人は「これが不幸とは限らない」と言いました、その後、隣国との紛争が起り多くの若者が戦死する中、老人の息子は怪我のため戦争に加わらず無事でした。
成功する人は今この瞬間の出来事に一喜一憂しません、それが本当に幸福なのか不幸なのかは未来にはっきりするのであって今は解らないからです。
少なくても今この瞬間の小さな喜び事に湧いて、その後に起こる事への事前準備を怠ることがないようにしたいものです。
「売り手よし、買い手よし、世間よし」(三方よし)
これは近江商人に古くから伝わる商売哲学です、リサイクルショップはズバリこれにあたります、廃棄したい物をただ同然で引き取り修理しては新品のように蘇らせて安く売る、買う方も売る方も更には廃棄せずにすむので環境(社会)にも良いのです。
最近では形あるものだけではありません、誰にも使われずに放置された特許や技術をゼロからインキュベーションして転売することを事業とする専門企業も誕生しています、飲食等の店舗を居抜きで賃貸する不動産や什器付きのオフィス賃貸もその流れです。
バブルのころは同じ商品でも高い方が売れましたが今はそんな時代ではありません、昔ながらのビジネス哲学に現状打破のヒントが隠されているのではないでしょうか。
成功者は過去の成功事例を現代に生かす知恵を持っています、古きを学び今に活かす「温故知新」を忘れてはいけません。
「最善を期待せよ、しかし最悪に備えよ」
イギリスを中心にヨーロッパ各国に伝わる格言の一つで、私もこれを知って以降は経営の基本思考の一つとして頭の中に常に置いています。
例えば事業計画においても収支予測は「イージー(楽観)」と「グルーミー(悲観)」の2種を用意します、時にはその中間の「ミドル」の3つを計画することもあります。
「イージー」は最良予測で「グルーミー」は最悪予測です、そこで最悪の予測に着地しても事業継続し赤字にならないように別の事業での収益施策を織り込んでおくのです、こうすることで最悪の状況になったとしても慌てずに粛々と事業を継続することができます。
これは事業推進や経営だけではありません、プライベートや人間関係でもそうすることで如何なる状況でも対応できるというものです。
成功するに必要なのは常にスティディな心の状態です、良い時も悪い時も冷静でいられるためには最悪状況を常にイメージして備える準備を怠らないことです。
「世に生を得るは、事を成すにあり」
「生きている間だけだよ人生は」、きっと坂本竜馬はそう言いたいのでしょう、やりたい事が有るのなら躊躇せずに動く決断をすることが悔いを残さない方法です。
やりたい事が有るのに動かない人は、「動きたくない」もしくは「動かない方が良い」という理由や言い訳を自分の中に作ってしまっているのです。
本当にやりたい事が有るなら余計な事を考えている暇は無いのが普通です、なぜなら思考を他所に身体が勝手に動いてしまからです。
逆にやりたい事をやらないという名分を作るにはものすごくエネルギーを使います、そんな無駄なエネルギーを使うくらいならまずは動いてしまった方がよほど楽だと思います。
起業も事業変革も全てがそうです、資金・人材・取引先の問題など動いてしまえば考える暇もなく何を置いてても必死に得る方法を考え必至に実行するものです。
動かないから何時まで経っても何も得ないのです、少なくても私は後悔の念の中であの世へ逝きたくありません、たった最後の数分の為に常に今を精一杯生きるのです。