「謎のアイラモルト」を堂々と謳っているピーツビーストはブラジル人イラストレーターのダグ・アルベスの印象的なイラスト入りボトルでも有名な謎のアイラモルトです。
そのピーツビーストのPX(ペドロヒメネス)シェリーカスクでフィニッシュ(再熟成)させたピーツビースト・PXシェリーカスク・バッチストレングスです、カスク原酒をヴァッティング後に再熟成させた後にそのままボトリングしたカスクストレングス版でPXシェリーカスクの味と香りを堪能できる逸品です。
注いだ瞬間に鼻にガツンと来る強烈なピート臭とスパイシーな味なのにフィニッシュは甘いドライフルーツのような味と香りに変化します、PXシェリーカスクを存分に楽しめるウイスキーですがカスクストレングスですのでアルコール度数が高いのでチェイサーと交互に飲むことをお勧めします。
品名 ピーツビースト PXシェリーカスクフィニッシュ・バッチストレングス
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク 前熟成カスクは不明、ペドロヒメネスシェリー
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー フォックス・フィッツジェラルド
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 54.1度
内容量 700ml
価格 6,000円~7,000円(2024年2月時点)
特記事項 ペドロヒネメスカスクフィニッシュ、カスクストレングス
ラフロイグが1815年に蒸留を開始したときの味を今に伝えるという意味でマネージャーであるキャンベル氏の拘りで作られたロア(「伝承」の意味)は、ラフロイグのウイスキーに対する精神そのものを味わえる特別仕様の逸品です。
その拘りのスペックの一つはヴァージン・ヨーロピアンオークカスクで熟成した後にファーストフィル・バーボンカスクに移し更に熟成させるという手の込んだ2カスクマチュアードとしています、更に熟成前に複数のカスクで熟成させたカスク原酒をヴァッティングしています、これによって複雑なエッセンスを醸し出す見事なバランスのウイスキーに仕上がっています。
ラフロイグといえば過去にはグレーンウイスキーを混ぜたブレンデッドもオフィシャルで創出していた時期もあります、その意味ではラフロイグ蒸留所だけで完結ブレンデッドとしたラフロイグ・モルトブレンデッドウイスキーと言っても過言ではありません。
尚、ラフロイグはオフィシャル版はホワイトラベルで、特別仕様や限定版はブラックラベルで識別していますのでブラックラベルのラフロイグを見つけたらよく調べてから購入するのがよいかもしれません。
品名 ラフロイグ ロア
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク ヴァージン・ヨーロピアンオーク、ファーストフィル・バーボン、他数種のカスク
蒸留所 ラフロイグ(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 48度
内容量 700ml
価格 14,000円~15,500円(2024年2月現在)
特記事項 複数カスクヴァッティング&2カスクマチュアード(ヴァージン・ヨーロピアンオークカスク~ファーストフィル・バーボンカスクフィニッシュ)
アードベックのオフィシャルラインアップのなかにあってアイラモルトエッセンスの全てを存分に楽しめるのがアンオーです、アイラモルトのスタンダードと言っても過言ではないほどアイラモルト特有の味と香りを複雑に織り交ぜた逸品で大変美味しいアイラモルトです。
ショットバーで「終売になるかも」という情報を得て慌てて購入したのですが1年前に買ったときよりも価格が30%ほど高くなっていました、オークションでも高額で出品されていますので入手困難なエリアが存在している可能性があります。
アンオーの名前の由来はアードベック蒸留所の所在地である「オー岬」(マル・オブ・オー)にちなんでいます、アードベックの持てるカスクをバランスよくヴァッティングし蒸留所の存在をアピールするために創出したシングルモルトなのでしょう。
複雑な味と香りの原点はアードベックのベーシックカスクであるスパイシーさとコクを齎すファーストフィルバーボンに加えて、甘い香りとフルーティーさを齎すPX(ペドロヒメネス)シェリーカスク、そしてビター感を齎す内側を焦がしたヴァージン・チャーカスク、この3つの特徴的なカスクのヴァッティングにより味と香りに様々なエッセンスを添加しています。
ヴァージン・チャーカスクの独特なビター感がほどよく効いていて最後に感じるホットケーキのような甘さ、スモーキーからフルーティへと変化し再びスモーキーに戻る香りというアードベックらしからぬ上品さもあります、熟成年数は不明ですがおそらく5年から10年熟成くらいのカスクをバッティングしていると思いますが、いずれにしても味と香りのバランスは見事です。
品名 アードベック アンオー
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク ファーストフィルバーボン、ペドロヒメネスシェリー、ヴァージン・チャー
蒸留所 アードベック(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46.6度
内容量 700ml
価格 10,500円~12,500円(2024年1月時点)
特記事項 3カスクヴァッティング
アラート 品薄状況で価格上昇傾向
カスクアイラは発売当初はアイラモルトブレンデッドでしたが、現在発売されているのは全て謎のアイラシングルモルトです。
調べてみようにも情報がほとんど無いので自身で実際に飲んでみるしか解らない謎中の謎のアイラモルトです、ボトラーズのデュワーラトレイ社も何度もオーナーや経営陣が入れ替わっており名称が同じでも時期によって蒸留所や内容も時代と共に変わっている可能性は否定できません。
熟成年数は間違いなく8年以下なのか粗さがありますがアイラモルトのエッセンスはこれでもかというくらいに強烈過ぎるほど凝縮されて入っています、これに関しては名に恥じない骨太なアイラモルトの味と香りだと思います。
驚くのは飲み始めから後味まで一貫としてピート臭とビター&スパイシーな味が残っており、私が飲んだアイラモルトの中でもピーティ感は最高ランクかもしれません、若熟成なのかピート臭はマックスでサーモンの燻製を食べているかのような香りが口の中に広がります。
味と香りからカスクは何かと考えてしまうのですが、ラベルに「スモールヴァッティング」と書いてあるのでアイラで最大規模の例の蒸留所で極めて少量生産の探求を目的とした特別なカスクなのかもしれません。
トータル的なバランス云々は置いておいて、ガツンとくるヘビーなアイラモルトを飲んでみたい方には持ってこいの極めて尖った存在のアイラモルトです、価格的にも買えるうちに買っておくべきボトルかもしれません、なかなかこんな強烈でドライなアイラモルトはそうは飲めません。
品名 カスクアイラ
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク 不明
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー デュワー・ラトレー
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 5,500円~6,500円(2023年11月時点)
謎のアイラモルトにあって昔からショットバーでは置いてあって当たり前の定番のように扱われているフィンラガン、そのなかでもカリラの若熟成との噂が高いフィンラガン・オリジナルピーティは確かにカリラを思わせるピート臭とスパイシーな味がダイレクトに楽しめます。
フィンラガンという名称は過去にアイラ島に存在していた城の名前であり、伝統的なアイラモルトであることを名称でも印象付けています。
謎のアイラモルトの傾向としてカスクストレングスやカスクバッティングなど原酒や原酒に近いものをそのままボトリングしているのを特徴としている銘柄が多いなかで、常飲としてストレート飲みで気楽に楽しめるのはやはりアルコール度数が40~43度のものです。
ウイスキーは継続して楽しく飲めて初めてその存在価値があるのです、カスク原酒も時には飲みたい気分にもなりますが永く愛飲できるお勧めの逸品ということになると、どうしても飲みやすく且つ明確な特徴を醸し出している銘柄ということに落ち着きます。
その意味からしてフィンラガン・オリジナルピーティは、アイラモルトエッセンスをダイレクトに堪能でき謎のアイラモルトのなかでは価格や味と香りのバランスなどを考えるにウイスキービギナーにもお勧めできる私のイチオシの1本です。
尚、フィンラガンにはフィンラガン・オリジナルピーティの加水する前の原酒をそのままボトリングしたフィンラガン・カスクストレングス(58度)もありますので飲み比べてみるのも面白いかもしれません、価格もちょうど1.5倍程度と非常にリーズナブルですのでお勧めです。
品名 フィンラガン オリジナルピーティー
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク 不明
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー ヴィンテージモルト
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 40度
内容量 700ml
価格 3,500円~4,500円(2023年11月時点)