左:ボウモア15年 右:ボウモア No.1
ボウモア15年の熟成度は色だけでも解る
ボウモア12年はバーボン樽で熟成していますが、それをそのままシェリー樽に詰め替えて更に3年熟成したという手の込んだ製法のボウモア15年は「シェリーカスクフィニッシュ」の別名を持ちます、これらを評価されてか国際的なワインとスピリッツのコンペティションで2007年に最優秀金賞に輝いています。
また既に発売終了しているダーケストの後継品でありボウモアのキャッチコピーであるベストバランス・アイラの名をほしいままにしています、アイラモルトらしさを壊さずに極めて深いコクと旨みを感じる熟成アイラモルトの逸品です。
ボウモア12年同様に飲んだ瞬間と飲み込んだ後に広がる香りのバランスが絶妙で飽きのこないアイラモルトの傑作品です、またボウモア12年よりも更に甘い香りが強く長く漂うのでアイラモルトビギナーにも非常に飲みやすいと思います。
ただアイラモルトの熟成年数が少ない刺激的な味と香りを好む人には高級ブレンデッドウイスキーのような上品なマイルドさと甘い香りは敬遠されるかもしれません。
ピーティでスパイシー感だけがアイラモルトのエッセンスではありません、深いコクと味と香りのバランスを楽しむのもアイラモルトの楽しみだということを私に気づかせてくれた逸品です、いろいろなアイラモルトを飲めば飲むほど最終的にこういった風味に行き着くのです。
品名 ボウモア15年 シェリーカスクフィニッシュ
熟成年数 15年(バーボンカスク12年+シェリーカスク3年)
カスク バーボン、シェリー
蒸留所 ボウモア(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 11,000円~15,000円(2023年7月時点)
左:アードベックTEN 右:アードベック・コリーヴレッカン
色が違えば味も香りも違うことが解る。
アイラモルトの代表格ともいえるアードベックのレギュラーラインアップの中にあって異色な存在がこの一癖も二癖もあるコリーヴレッカンです、熟成年数は不明ですが原酒のままヴァッティングしているようで極めてシングルカスク(1つのカスク原酒をそのままボトリング)に近い逸品です。
誕生のきっかけはアードベックの可能性を追求する意味で、アードベックがウイスキー・オブ・ザ・イヤーを受賞した2008年にピート臭(スモーキーフレーバ)をMAXにしたカスク原酒をバッティングしてアードベックのファンクラブ会員向けに5,000本限定で販売しました、ところが再販のリクエストが殺到しその後レギューラーボトルとして製造販売するようになったという逸話があります。
また2010年にはワールドウイスキーアワードにおいて、個性的な味と香りが認められベスト・シングルモルト賞を受賞した逸品です。
アイラモルトの命ともいえるピート臭をこれでもかというくらいに付加しており、私が味わったアイラモルトの中では上位3本に入るくらいに強烈ではないかと思います、ちなみにコリーヴレッカンという名称はジュラ島とスカパ島との間にある海峡名で大きな渦潮が発生することで有名な場所です。
アイラモルトらしい癖の強さを求め更に上品な後味を楽しみたい人にはお勧めの逸品です、一口めにガツンとくるスパイシーな味とピート臭に加えて飲み込んだ後に広がるカラメルのような甘い香りは個人的にはと付け加えますが熟成チーズや無塩クラッカーとの相性は抜群です。
アイラモルトでいう甘いカラメルの後味とはこういうことだと記憶したい人は是非ともチェイサー片手にストレートで飲んでみてください、忘れられない甘く香る後味をしっかり記憶できるでしょう、その意味でこの価格は決して高いとは思いません。
品名 アードベック コリーヴレッカン
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク ヨーロピアンオーク(フレンチオーク)
蒸留所 アードベック(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 57.1度
内容量 700ml
価格 11,500円~13,500円(2023年7月時点)
特記事項 ヘビリーピーテッド、カスクストレングス
アラート 750ml版という同一ラベルの旧ボトルが存在し価格は20%ほど高い