アイラモルトとしては色はかなり濃い目
(色が解りやすいようにと背景を白にして撮影しました)
謎のアイラモルトで私のお薦めナンバーワンのアイリーク、ラガヴーリンの若熟成ものだと信じ切っている私にとっては本当にこの価格でこの味と香りはハイコストパフォーマンスの極みであり実にありがたいボトルです。
英語読みのアイリークはスコットランド住民はゲール語で「イーラッハ」と発音します、その意味はずばり「アイラの真の男」です、その名に恥じない力強いアイラモルトそのものの強烈な味と香りが格安の価格でありながら存分に堪能できます。
ファンの間でもラガヴーリンとラフロイグに意見は分かれるものの私的にはラガヴーリンの若熟成モルトだと頑なに信じています、若熟成ならではのピート臭がきついので上品なラガヴーリンらしからぬ粗い感じがしますが、飲み心地や飲み干した後のフルーティな香りは間違いなくラガヴーリンでしょう。
ピート臭、スパイシーな一口目、フルーティーな香りとバニラやカラメルのような甘い後味、アイラモルトエッセンスの全てがワンストップで楽しめる逸品です。
加水して飲んでも美味しいと評判ですのでロックや水割りでもOKです、ウイスキービギナーの方にも是非ともアイラモルトの世界を堪能していただきたいと思います。
アイリークがもしもラガヴーリンだとしたらラガヴーリン8年の現在価格に比べてアイリークは約半額です、機会があれば実際にストレートで飲み比べしてみたら如何でしょう。
尚、58度のカスクストレングス版も6,000円ほどですので、アイラモルトを存分に楽しみたい方にはカスクストレングス版の方をお勧めします。
品名 アイリーク(イーラッハ) シングルモルト・ピーティ
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク 不明
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー ザ・ハイランズ&アイランズスコッチカンパニー
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 40度
内容量 700ml
価格 3,500円~4,500円(2023年11月時点)
謎のアイラモルトの中で私が常に切らさず手元に置いているスカラバス、2種のカスク原酒をヴァッティングさせた骨太なアイラシングルモルトの味と香りを存分に楽しめます。
スカラバスはボトラーズ大手のハンターレイン社の看板商品の一つです、ハンターレインといえば2018年稼動のアイラ島で一番新しい蒸留所であるアードナッホーのオーナーでもあります、いずれはアードナッホー蒸留所のシングルモルトを前面に出してくるでしょうから非常に楽しみです。
熟成年数は飲んでみた味と香りからするとかなり若いと思うのですが、もし5~8年程度だとすると2カスクヴァッティングの賜物なのかピート臭や1口目からフィニッシュまで続く甘い味と香りなど極めてバランスのいいアイラモルトに仕上がっています。
アイリークと並んで一時期は私のショッバーでの注文回数ベスト3にランキングされていたスカラバス、飽きのこない骨太なアイラモルトらしさを存分に堪能したい人にお勧めの逸品です。
尚、アルコール度数57度のバッチストレングス(カスク原酒のヴァッティング)版もありますのでガツンとくる味を楽しみたい方にはそちらをお勧めします、また10年熟成版も出回り始めており上品な味と香りを楽しめます。
人気の高いスカラバスですが最近では品薄で入手困難という話がチラホラ聞こえ始めました、買える時に買っておくのがよいかもしれません。
品名 スカラバス アイラシングルモルト
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク リフィル・バーボン、ヴァージン・アメリカンオーク
蒸留所 不明(アイラ島)
ボトラー ハンターレイン
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 6,000円~7,000円(2023年10月時点)
特記事項 2カスクヴァッティング
アラート 品薄で入手困難状況
カリラ・モッホはアイラモルトファン大望のカリラ若熟成のオフィシャル限定版で、ディアジオ社のフレンズ・オブ・クラシックモルト会員向けに販売されたスペシャルカリラで熟成期間は8年ほどということです。
ちなみにディアジオ社とはスコットランド全域に全蒸留所の4分の1に相当する30近くの蒸留所を抱える世界最大のスコッチウイスキーメーカーであり、その蒸留所の中でアイラはカリラだけです。
発売当時はスタンダードの12年とほぼ同じ程度の価格でしたが、限定発売でもあり現在では倍に近い価格となっています。
「モッホ」とはゲール後で「夜明け」を意味しています、伝統あるアイラモルトの巨匠カリラのポリシーが込められているシングルモルトだと考えると何ともいえない至福の味と香りに心が満たされます。
一口目で記憶は70年代後期が蘇ります、二口目に最も狂乱乱舞に沸いた80年代後期のバブル経済期の記憶が蘇ってきます、本当に私の年代にとっては30年以上出会うことができなかった味と香りに再開することができます。
カリラ独特のピーティ&スパイシーの中に広がる深いドライフルーツケーキのようなフルーティ且つ爽やかな酸味と甘みを感じる口当たりは70年~80年代のカリラ伝統の風味を肌で感じます、カリラファンにとって待ってましたとばかりの懐かしいカリラの若熟成の味を思う存分に堪能できるカリラの中にあってレジェンド的な秀作です。
これは私にとってヒドゥン蒸留所ではなくヒドゥン・アイラモルトの一つです、本当にすばらしいアイラモルトに再会できたことに感謝の念しかありません、是非とも味わえるうちに味わっていただきたい超がつくほどのお勧めのアイラモルトです。
品名 カリラ モッホ
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク 不明(リフィル・バーボン?)
蒸留所 カリラ(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 8,000円~9,000円(2023年10月時点)
特記事項 ディアジオ社フレンズ・オブ・クラシックモルト会員向けのヒドゥン・モルトシリーズの一つ
アラート 品薄状況なのか価格急上昇中
アイラモルトファン大望のラガヴーリンのオフィシャル版での最若熟成を楽しめるボトルが本品です、2016年にラガヴーリン蒸留所創立200周年を記念して限定リリースされたラガヴーリン8年、その後のファンの強い要望に応えて定番オフィシャル化して何時でも買えるようになりました。
ラガヴーリン 8年はラガヴーリン16年の深く上品な風味を引き継ぎながらも、更にアイラモルトらしい風味を前面に押し出したような男気と気品を感じる味と香りです、それを再確認するために行きつけのショットバーには置いてないので近くのリカーショップで急騰した場合に備えて3本も購入してきてしまいました。
一口目のピーティ&スパイシーさから始まりフルーティな飲み心地、そしてフィニッシュはラガヴーリン16年を引き継いだ甘い香りに包まれます、更には最後までピーティ感が若干ながらも継続して楽しめるとあって本当によくできた素晴らしいアイラモルトです。
価格といい味と香りのバランスといい私個人的にはラガヴーリン10年と並んで高く評価しています、それもそのはずでニューヨークで開催されたアルティメット・スピリッツ・チャレンジで97点という超高得点を記録、更にシングルモルト・スコッチウイスキー・アイラ部門の最高賞であるチェアマンズトロフィーを受賞、コストバリューの高さを称えるグレートバリュー賞も同時受賞した秀作です。
最近のラガヴーリンはシングルモルトブームを反映してか在庫カスクが枯渇気味のようです、このラガヴーリン8年も多分にもれず高値を付けはじめたショップもあります、つまり昨今のラガヴーリンのオフィシャルボトル全てにおいて言えることは買える時に買って飲んでおくべきだということです、飲みたいと思ったときには恐ろしい価格になっているかもしれません。
品名 ラガヴーリン8年
熟成年数 8年
カスク シェリー
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 48度
内容量 700ml
価格 7,000円~9,000円(2023年10月時点、初版記念ボトルは除く)
アラート ショップによって価格差が大きい、また初版200周年記念ボトルは終売プレミアムボトルとして相応の高額で取引されている
マキヤーベイ(左)とサナイグ(右)、カスクが変われば色も違う
創業2005年とアードナッホーの次に新しいアイラ島の蒸留所でアイラ島では124年ぶりに新たな蒸留所を設立したキルホーマンは、自社農場を持ち農場の一角に蒸留所があるというモルトファーム&ディステラリーという大変珍しい形態の蒸留所です。
そのキルホーマン蒸留所が送り出すシングルモルトのスタンダードともいえるのが味と香りのバランスがよいマキヤーベイですが、そのマキヤーベイよりもピート臭を多めにつけたのがヘビリーピーテッドのサナイグです。
キルホーマンは各種のカスクや製法を変えたものなど若い蒸留所特有の多品種の同ブランド製品が出揃っていますので、コレクションとして味や香りの違いを楽しむのも面白いと思います。
サナイグの名称は青く美しい穏やかな海岸のマキヤーベイに対して、岩がゴツゴツとした海岸であるサナイグからきており、その名のとおりガツンとアイラモルトの骨太な味と香りを楽しめる逸品です。
マキヤーベイもアイラモルトのエッセンスがすべて詰まった逸品でピート臭を強めにしてありますが、サナイグはその上をいくヘビリーピーテッドで燻製のような強いピート臭とスパイシーな味と香りですが後味は甘いジュースのような濃厚で芳醇な味と香りに包まれ不思議な感覚を起こさせてくれるアイラシングルモルトです。
マキヤーベイのアイラモルトらしさを堪能したら是非とも次はサナイグを飲んでみてください、同じ蒸留所でもはっきりと味と香りに対するポリシーの違いが解ると思います。
ちなみにマキヤーベイはバーボンカスクで熟成しているのに対してサナイグは甘口のオロロソシェリーカスクで熟成しているのか桃や杏のような甘酸っぱい後味が広がります、熟成年数は不明ですが一口目のピーティな味と香りからして5年ほどではないかと推測します、それにしても若熟成でこの味のバランスグレードは驚きです。
<2023年10月27日追記>
品薄状況で価格が上昇し始めています、終売間近か。
品名 キルホーマン サナイグ
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク オロロソシェリー
蒸留所 キルホーマン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 700ml
価格 9,000円~10,000円(2023年10月27日更新)
特記事項 ヘビリーピーテッド
アラート 品薄状態で価格上昇中(2023年10月27日更新)