80年代に免税店ではひと際目立った存在であったトミントール、まるで化粧品のようなボトルといいアクリルのクリアケースといい、グローバル戦略を繰り出していたのが伺えます。
この頃のトミントールはノンエイジ・8年・12年と出していましたが大きく価格が変わらないために多くの人が12年を求めていました、その結果なのか現存数で一番多いのが12年、一番少ないのが本ボトルのノンエイジ版であり、現在一部のプレミアムリカーショップではノンエイジが一番高額になっています。
これまではほとんど見向きもされなかったトミントールですが、ここ数年のスコッチウイスキーブームでアンティークウイスキーが見直され本トミントール80年代ボトルも価格が急上昇しています。
トミントールは軽い感じで飲みやすいのが特徴です、人によっては味が薄いと表現しますがシェリーカスクの甘酸っぱい香りとスパイシーな味は個人的には好きな風味です。
品名 トミントール 80年代流通ボトル
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク シェリー他
蒸留所 トミントール(スペイサイド)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 750ml
購入相場価格 18,000円~20,000円(2024年3月時点)
買取相場価格 6,000円~7,000円(2024年3月時点)
特記事項 クリアケース付きは割増価格、購入相場価格及び買取相場価格は状態によってかなり変動します
ラベルこそ時代とともに変わりますが今でも同じ特徴的な変形角ボトルで販売されているカーデュ12年の80年代に流通していたボトルです、約50年ぶりに段ボールから出して確認したのですが若干液減こそしているものの外箱も含めて綺麗な状態で保管できており安心しました。
カーデュ蒸留所といえばブレンデッドの三大銘柄の一つであるジョニーウォーカーのキーモルトの一つですが、スペイサイドにしては優しいモルティな香りに柑橘系の香りが重なるのが特徴でキーモルトに選ばれるのはそれなりの意味があってのことだと感じます、ただしジョニーウォーカーブラックは特にタリスカーの個性が強く出ている気がします。
ボトルネックの巻ラベルにジョニーウォーカーの伝統の紳士の歩く姿マークが付いているのが何ともいえない主張をしています、ただし有名なシングルモルトなのに当時でもそれほど価格は高くはなかったように記憶しています。
香りも上品ですが味もトーストのようなモルティな香ばしい甘みもあり個人的には好みの味です、現在流通している12年もほとんど変わらぬ風味で意外と安価で購入可能であり、もう少し人気が出てもおかしくないウイスキーなのですがドライな味を好む日本人には薄味に感じて好まれない風味なのかもしれません。
品名 カーデュ12年 80年代流通ボトル
熟成年数 12年
カスク 不明
蒸留所 カーデュ(スペイサイド)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 750ml
購入相場価格 12,000円~15,000円(2024年3月時点)
買取相場価格 4,500円~5,500円(2024年3月時点)
特記事項 購入相場価格及び買取相場価格は状態によってかなり変動します
UD社から1991年に花と動物シリーズとして本ボトルが蒸留所オフィシャルボトルとして発売されます、しかし2002年に製造を中止して以来価格が急上昇しています。
僅か10年ほどのリリースですから現存数は極めて少ないと思います、本ブログ開設をきっかけに過去楽しんだ味を再確認するため探しに探して木箱入りをなんとか購入できたのですがかなり高額となっていました、まさに液体骨董品です。
ダフタウンは1980年代までブレンデッドウイスキーで著名なベルのキーモルトとして採用されていた蒸留所であり高い評価を得ている根拠ともなっています、そのダフタウン蒸留所の15年熟成のシングルモルトですから味と香りは保障されたようなものです。
ダフタウン蒸留所はスペイサイドのダフタウンにありグレンフィディックをはじめとして7つの蒸留所が存在しています、スペイサイドのなかでもスコッチのメッカともなっている地域でフルーティでマイルドな味に定評があります。
フルーティな香りで飲みやすいウイスキーですが、枯れ草のような木の香りもかなり感じるのでファーストフィル・バーボンカスクではないかと思うのですが詳しいことは不明です。
品名 ダフタウン15年 花と動物シリーズ 90年代前期流通ボトル
熟成年数 15年
カスク 不明
蒸留所 ダフタウン(スペイサイド)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
購入相場価格 120,000円~150,000円(2024年3月時点)
買取相場価格 40,000円~50,000円(2024年3月時点)
特記事項 木箱付きは割り増し価格、今後も値上がり必須、購入相場価格及び買取相場価格は状態によってかなり変動します
伝説のUD社(現ディアジオ社)花と動物シリーズ26種のうちの1つで、1991年発売当初から現在まで定期的にリリースされており現在でも入手可能な数少ない11種のシリーズ銘柄の1つであるリンクウッド12年です。
リンクウッドは現行の花と動物シリーズのなかにあって人気抜群のシングルモルトで白鳥がシンボルキャラクターとなっているスペイサイドにある蒸留所です、そこで製造される99%はボトラーズ銘柄やブレンデッド用でありオフィシャルのシングルモルトは大変貴重です。
蒸留所の冠銘柄のリンクウッド12年はその意味では同蒸留所の極めて貴重なシングルモルトです、おそらくあと数年で手に入らなくなる「未来のお宝モルト」の一本と言っても過言ではないので買えるうちに買っておくべきウイスキーだと思います。
ピート臭は柔らかくスパイシー感もほどほどでむしろフルーツケーキのような香りが極めて濃厚且つ上品です、スペイサイドの蒸留所らしいバランスの取れた味と香りは流石です。
特に強烈なアイラモルトを飲んだ後だと優しい味と香りが余計に引き立ちチョコレートやドライフルーツなどをつまみながら飲むと精神的にも落ち着いてきます、私にとって1日の〆のストレートで頂く一杯には最高のスコッチウイスキーとなっています。
品名 リンクウッド12年 花と動物シリーズ
熟成年数 12年
カスク 不明
蒸留所 リンクウッド(スペイサイド)
ボトラー ディアジオ社
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 11,500円~16,000円(2024年2月時点)
特記事項 花と動物シリーズのなかにあって現在でも手に入る貴重なシングルモルトの一つ、リリース時期によって価格に若干のバラツキがある
古い歴史の中で数多く閉鎖していった蒸留所の中でピティヴァイク(ピティヴェアック)ほど数奇な運命を背負った蒸留所も珍しいでしょう、本ブログの開設にあたりどうしても紹介したいという強い思いに絡げられ、各所を探し回りかなり高額でしたが何とかラベルなどが綺麗なままの液減もない超優良美品を購入できました。
本ボトルは蒸発&劣化防止のパラフィルムでボトルネックをシーリングして保管していたらしく、まったく当時のままの状態であり持った手が震えるほど綺麗な状態でした、写真のボトルに巻いてあるのが業務用パラフィルムで一度開けた高級ウイスキーをショットバーなどで保管するときに使うシーリングフィルムで私も購入して保管ボトルに巻いています。
ピティヴァイク蒸留所はダフタウン蒸留所(花と動物シリーズの1つ)を所有するアーサー・ベル&サンズ社によって1975年に経営戦略的に設立された蒸留所であり極めて実用的に考えられた蒸留所でした、しかしその10年後の1985年にアーサー・ベル&サンズ社はギネス社に買収されてしまいます、その翌年にギネス社はDCL社を買収しUD(ユナイテッド・ディステラーズ)社となります。
そのUD社の所有となった恩恵で1991年に花と動物シリーズとして本ボトルが蒸留所オフィシャルボトルとして発売されます、しかし多数の蒸留所を所有するUD社の経営合理化によりピティヴァイク蒸留所は1993年にローズバンク蒸留所と共に閉鎖されてしまいます。
したがって本ボトルであるピティヴァイク花と動物シリーズはわずか2年足らずの期間だけ製造販売されたもので良品での現存数は極めて少ないのです、黒褐色で独特なドライフルーツ入りのスコッチケーキのような濃厚な味と香りは他の蒸留所には無いもので極めて貴重なシングルモルトだと思います。
ダフタウン蒸留所と同じ設備と同じ水を使用しているにもかかわらずまったく別の味と香りのウイスキーが創出されたと話題になったシングルモルトであり、閉鎖時の貯蔵カスクからボトリングされたピティヴァイク30年などは現在では手が出せないほどの価格で取引されています。
品名 ピティヴァイク(ピティヴェアック)12年 花と動物シリーズ 90年代前期流通ボトル
熟成年数 12年
カスク シェリー
蒸留所 ピティヴァイク(スペイサイド)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
購入相場価格 150,000円~180,000円(2024年2月時点)
買取相場価格 60,000円~70,000円(2024年2月時点)
特記事項 今後も値上がり必須、購入相場価格及び買取相場価格は状態によってかなり変動します