希少なラガヴーリンのディステラリーズエディション版です、ディステラリーズエディションとは蒸留所独自の製法によって創出されたものという意味であり、ダブルマチュアードとは2度熟成という意味です。
このディステラリーズエディション・ダブルマチュアードは、ラガヴーリン蒸留所定番のシェリーカスクで熟成した後に甘口系シェリーであるペドロヒメネスシェリーカスクで仕上げの熟成を行ったというもので、所謂ペドロヒメネスシェリーカスクフィニッシュということになります。
定番ラガヴーリン16年の甘く広がる後味が更にコクを増してドライフルーツのような甘さの風味が加わり、ピート臭も穏やかでアイラモルトファンだけでなくウイスキーファンなら誰でも美味しいと感じると思います。
味も香りも極めて上質で、スペシャルな風味を感じるスコッチウイスキーの傑作品とも言える逸品だと思います。
尚、ほぼ毎年リリースされており、調べたところ現在入手可能な最も古い版数が1995/2011(1995年樽入れ/2011年ボトリングの16年熟成、旧ラベル版)で6万円前後です、最も新しい版数の2006/2021が15年熟成で1万7,000円ほどです。
ちなみに2007/2022版が無いのかと探してみたのですが見当たりませんのでシリーズが終了した可能性があります、ただし正規品での調べであり蒸留所が製造中止したかどうかは今のところ何とも言えません、もしくは2007/2023版の16年熟成版となるのかもしれません。
最後に最重要事項ですが、ネット販売ではリカーショップでありながら版数が表示されてないところがほとんどです、版数によって熟成年数や製造数が異なるので価格の安さだけでは決して買えないウイスキーの代表格です、他にも版数やカスクロットによって味も希少価値も異なるウイスキーは幾つもあります。
好奇心からだけならいろいろ買ってみるのも楽しいと思うのですが、コレクションや版数による違いを楽しみたいのであれば意味も理由も全て理解したうえで購入することをお勧めします。
品名 ラガヴーリン ディステラリーズエディション ダブルマチュアード
熟成年数 15~16年(リリース年度により異なる)
カスク シェリーカスク~ペドロヒメネスシェリーカスク
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 17,000円~60,000円(2023年9月時点)
特記事項 ペドロヒメネスシェリーカスクフィニッシュ、リリース年度によって大幅に価格が異なる
アラート リリース年度によっては入手困難で希少性から価格急上昇中
このラガヴーリンのスペシャル版は、ラガヴーリンフリークとして有名なアメリカのコメディアンであるニック・オファーマンとラガヴーリン蒸留所がコラボレーションして生まれたオファーマンエディション第二段のギネス(ビターで濃口の黒ビール)カスクフィニッシュ版です。
第一弾は購入漏れしているので内容は定かではないのですが、第三弾はチャードカスク(内側を焦がしたカスク)版で、アメリカンオークとヨーロピアンオークのチャードカスクのヴァッティングのようで、こちらも買えるうちに早々に手に入れて飲んでみたいと思います。
ただどちらも価格が急上昇してしまっているので気楽に飲めるアイラモルトではなくなってしまいました、2015年ごろから始まったスコッチブームが落ち着いてきたと思っていたら、再度2年ほど前から再燃しているように感じます、とにかく品薄ブランドが多くなってきています。
本品も1年程前は1万5,000円前後で購入できたのですが、なんと1年で50%以上も販売価格が上昇していたのでびっくりです、それでも何ともいえないビターで甘い後味のラガヴーリンをなんとしても飲んでみたくて先日購入してしまいました。
ただアイラモルトとして美味しいかと問われると私の感覚では答えは微妙です、価格からしてみても同じ限定版なら断然ダブルマチュアードのほうが美味しいです。
品名 ラガヴーリン11年 オファーマンエディション ギネスカスク
熟成年数 11年
カスク シェリーカスク~ギネスカスク(ラスト4ヶ月)
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46度
内容量 750ml
価格 25,000円~30,000円(2023年9月時点)
特記事項 ダブルマチュアード・ギネスカスクフィニッシュ、特別限定版
アラート 品薄状況で価格上昇中
左:ラガヴーリン16年 右:ラガヴーリン10年
歴史あるラガヴーリン蒸留所がバーボンカスクを使って熟成したモルトがこのラガヴーリン10年で、ラガヴーリン16年とは対照的な味と香りが楽しめる逸品です、2019年に免税店向けの特別仕様で創出されたもので現存数が少ないのか価格が時を刻むごとに上昇傾向にあります。
ラガヴーリン蒸留所の伝統はラガヴーリン16年をフラッグシップボトルとして扱っているように、シェリーカスクで最低でも16年じっくりかけて熟成させないと本来のラガヴーリンらしさが出ないということでショットバーでもラガヴーリンを頼むとほぼラガヴーリン16年を出してきます。
注意事項として断っておきますが、ラガヴーリン10年はラガヴーリン16年の若熟成ものではなく、価格も現在ではラガヴーリン16年よりも高くなっており異種のシングルモルトとして考えたほうがよいでしょう、ラガヴーリン16年の若熟成を飲んでみたいのであればラガヴーリン8年が在りますので飲み比べてみると面白いでしょう。
ラガヴーリン16年に比べてラガヴーリン10年は、俗にいうアイラモルトらしく尖ったスパイシーな味と飲み込んだ後にくる対照的な甘いケーキのような味と香りが広がりアイラモルトファンにはかなり好まれる傾向の味だと思います、ただラガヴーリン16年に比べて明らかに人を選ぶでしょう。
味と香りのバランスではラガヴーリン16年に軍配が上がります、対して一口目からくるスパイシーの中に広がる甘いまったり感という職人芸的な妙味を楽しむなら間違いなくラガヴーリン10年に軍配が上がります。
ラガヴーリン10年はショットバーではほぼ飲むことができません、是非とも家でじっくりとラガヴーリン16年と飲み比べてアイラモルトのカスクの重要性の奥深さを味わってみてください、もしかしたらその日からラガヴーリン10年の個性的且つ魅力的な味にはまり虜になってしまうでしょう。
品名 ラガヴーリン10年
熟成年数 10年
カスク ファーストフィル・バーボン
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 12,500円~14,000円(2023年8月時点)
特記事項 免税店向け特別限定版(2019年~)
左:ラガヴーリン16年 右:ラガヴーリン10年
歴史あるラガヴーリン蒸留所のフラッグシップボトルがこのラガヴーリン16年です、16年熟成がフラッグシップというのが他のアイラ島の蒸留所では考えられず面白いのですが、ラガヴーリンの美味しさを引き出すのにはシェリーカスクでじっくり最低16年かかるというのが同蒸留所のポリシーのようです。
ちなみにショットバーでラガヴーリンを頼むとほぼラガヴーリン16年を出してきます、ラガヴーリン蒸留所のポリシーを守っているのか若熟成ボトルを置いていないショットバーが多いです、ちなみにラガヴーリン10年はファーストフィル・バーボンカスクであり単なるラガヴーリン16年の若熟成ものではないので要注意です。
ラガヴーリン10年は如何にもアイラモルトらしい骨太な味ですが、どうしても価格とのバランスで比較してしまうとコストパフォーマンスが高いのがラガヴーリン16年ということに落ち着きます。
アイラモルトらしいピーティな力強さと上品で濃厚な甘い味と香りを兼ね備え、更にアルコール度数を43度に調整していますからストレートでも大変飲みやすく女性にも熱烈ファンが多いのも納得です。
私個人的には常飲用アイラモルトではなく、眠れない夜のナイトキャップや嬉しいことがあったときに静かに一人1杯やりたくなる特別な存在です、飲んでその存在に感謝できるウイスキーは私にとっては貴重な存在です。
<2024年2月18日追記>
2023年初頭に正規品の価格改正により20%ほど値上げしており、他のラガヴーリンは10%以下の値上げということからラガヴーリン16年は終売が近いのではないかとの噂が広がっています。
品名 ラガヴーリン16年
熟成年数 16年
カスク シェリー
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 12,000円~13,500円(2023年8月時点)
特記事項 2023年初頭に価格改正があり20%ほど値上がり
アラート カスク原酒が枯渇気味で終売の噂がある(2024年2月18日更新)