昔から風邪薬の民間治療法として玉子酒というものがあります、これは暖めた日本酒に卵黄を溶かし込んで飲むというものです、検証すると実に理にかなっていることが解ります。
身体を暖めると免疫力が向上しウイルスの増殖を抑え撃退します、その際に多量の糖分とビタミン類が消耗します、玉子酒はこれらを一度にしかもスムースに摂取できるのです、日本酒には意外にも糖分が多いのです。
ところで私は日本酒があまり得意ではないので、風邪を引いて熱があるときには若いときからスコッチブレンデッドウイスキーやバーボンのお湯割を飲んでいます。
アレンジレシピとして糖分を補給する目的でハチミツを入れバタード・ホットラムのレシピのようにクローブを浮かせた即効のドランブイライクなホットウイスキーが好きです、2杯ほど飲んで布団に入るとものすごい量の汗が出てきて、ほぼ1日で熱が下がります。
横道ですが、私は道楽の一つで世界中のスパイスとホールハーブを100種以上持っており、イエーガーマイスターやドランブイなどのリキュールを模倣して独自のレシピを幾つも作っては薬膳酒にして楽しんでいます、疲れたときや気分転換にこれらを飲んで元気を貰います。
このホワイトホース・ファインオールドはホワイトホースのスタンダードで1,500円ほどと非常にリーズナブルな価格ですが5年熟成のモルトとグレーンをブレンドしている本格的なウイスキーです、ストレートで飲んでもスパイシー&ドライな味で辛口好きな人には堪らないウイスキーだと思います。
特に水割りやお湯割りにすると角が取れて程よいマイルドな味になり飲み心地は最高です、熟成ブレンデッドのようにベタ甘な感じも無くすっきり飲めます、それでいて焼酎の乙類とほぼ同じ価格でアルコール度数は倍なのでコストパフォーマンスが極めて高いといえます。
私の大学時代には今の相対価格で4倍という高級ウイスキーでした、そんな憧れのスコッチウイスキーを焼酎のようにゴクゴク飲める時代の若い人が羨ましい限りです。
ちなみにホワイトホースのキーモルトはなんとアイラの上品なシングルモルトで有名なラガヴーリンです、加えてスペイサイドのオルトモア・クライゲラヒ・グレンエルギンと花と動物シリーズを熟知しているシングルモルトファンなら一発でそのスペックの凄さが理解できるでしょう。
それぞれの蒸留所の5年熟成という若熟成はシングルカスクでも飲めません、こういったブレンデッドウイスキーに混ぜ合わされたキーモルトのそれぞれのエッセンスを探りながら飲むのもシングルモルトファンの楽しみの一つです。
ブレンデッドウイスキーのキーモルトに興味を持って、そのキーモルトとなっているシングルモルト単独のエッセンスを経験により記憶し、そのうえでブレンデッドウイスキーを楽しめるようになるとシングルモルトファンとして一皮向けたといえるのかもしれません。
水割りでウイスキーを飲むなら絶対に口当たりのよいブレンデッドに限ります、ただしあくまでも自論ではありますが。
外食や家飲みでのウイスキーのスタイルはゴクゴク飲める水割りかお湯割です、それでいろいろ試したのですがアイラモルトは最大の特徴であるピーティ感やスパイシー感が軽くなってしまって価格の高さもあってか何か損した気分になってしまうのです。
その点でブレンデッドやアイリッシュはストレートやロックで飲むのとそれほど味や香りが変わることはなく美味しく楽しめるのです、そんな飲み方するときにブレンデッドで最適なのがデュワーズ12年です、どんなスタイルで飲んでも味も香りもほとんど変わらず実に腰が安定したウイスキーだと思います。
ビールと同じで手元に常に置いてないと不安になるウイスキーの一つで、切れそうになれば買いに走ります。
先日家飲みに来たスタッフにも薦めてその場にあった開けたてをプレゼント、アイラモルトの虜になっている彼は多分物足りないと思っているのだろう、でも飲み続けているうちにブレンデッドの良さも徐々に解ってくるようになると思います。
ちなみにデュワーズのキーモルトは、ハイランドのアバフェルディとロイヤルブラックラ、スペイサイドのクライゲラキ・オルトモア・デヴェロンという知る人ぞ知る超が付くほどの豪華すぎる蒸留所メンバーです。
花と動物シリーズの終売ディステラリーであることは勿論のこと、シングルモルトファンはこれらの事実をしっかり理解しているからこそありがたみを感じて大切に飲み続けるのです、おそらく彼もこういった裏情報が解ってくるとデュワーズの存在のありがたみを少しは感じるようになるでしょう。
オフィス近くのリカーショップで買ってすぐにオフィスで撮影
アイラモルトやスコットランド各地のシングルモルトはナイトキャップや帰宅直前のショットバーで一日の終わりを愉しみ、休日の家飲みでは主にブレンデッドウイスキーやアイリッシュウイスキー(イギリス北アイルランドカントリー及びアイルランドのウイスキー)をゴクゴクと飲んでは楽しみます。
また外食でもキープしているボトルは各種の焼酎に加えてブレンデッドウイスキーにしています、やはりアイラモルトやスコットランド各地のシングルモルトは私の中では常飲ウイスキーではなく特別な存在なのかもしれません。
そんな常飲用ブレンデッドで最近気に入っているのがモンキーショルダーです、モンキーショルダーの意味は「肩こり」です、英語圏では「肩こり」という単語が無いらしいです。
まあ、「これでも飲んで身体の血流を良くして肩こりを治しましょう」という意味が込められているのかもしれません、それにしても肩に3匹の鋳造のサルが乗ったボトルは捨てるのがもったいないほどお洒落です。
ブレンデッドウイスキーに関しては美味しく飲める自分の嗜好にマッチしているかが重要であり、私的には味や香りを云々と語りたくないというのが正直なところです。
すごく失礼で嫌な言い方をしてしまうと、個人的にアイライモルトやシングルモルトには強い拘りと興味が沸くのですが、同じウイスキーでもブレンデッドウイスキーやグレーンウイスキー(バーボン含め)は別のお酒として認識しているのか何の拘りも無く、ただただ美味しく飲めるものが好きです。
ちなみにこのモンキーショルダーはブレンデッドといってもモルトだけのモルトブレンデッドであり、スペイサイドにある有名なグレンフィディックをはじめバルヴェニー、キニンヴィの3つの蒸留所のモルト原酒だけをブレンドした贅沢過ぎるモルトブレンデッドウイスキーです。
価格もグレンフィディック12年とほぼ同じ価格であり、グイグイ飲めるとはいえ本来はストレートで味と香りを楽しめる本格的なウイスキーであることを忘れてはいけません。
オフィスの飾り棚にオブジェ風に鎮座させたモンキーショルダー
最近肩こりが激しいのでウイスキーで洒落た神頼み