2023年10月13日 11:00
つい先日ジャパニーズウイスキーのシングルモルトや高級ブレンデッドが原料となるカスク原酒が枯渇して生産中止状態となっているとお伝えしたばかりですが、ウイスキーの本場スコットランドでもカスク原酒が枯渇している蒸留所が続々と現れ始めました。
数年前から国産シングルモルトが手に入らないならとスコッチシングルモルトのニーズが高まりつつあったのですが、ついに標的となったスコッチ銘柄もここにきて続々と入手困難状況になっています。
最も驚いたのがアイラモルトのブナハーブンです、1年ほど前から話題になっていたラガヴーリンではなくまさかのブナハーブンのノンピーテッド版が現在ではまったく手に入りません。
現在手に入るのは価格は上昇しているもののヘビリーピーテッドのトチェクアガーとピーテッドのキャビノックに加えて免税店限定販売のエリーナグレーネとクラックモナの1リットル版2種だけです、オフィシャルの12年・18年・25年及びステューラダーは超が付くほどの幻のアイラシングルモルトと化してしまいました、25年はつい先日8万円という価格になっていましたが完売表示が目立つようになりました。
考えるにブナハーブンはアイラモルトでありながらトチェクアガーなど限られた銘柄以外はノンピーテッドを前面に押し出している蒸留所です、ジャパニーズシングルモルトの代替品として必然的に標的になったのではないでしょうか。
私が本ブログでブナハーブン12年を紹介した際にアラートを発していましたが、それから1ヶ月もしないうちにショップ店頭は勿論のことネット通販でも全て在庫ゼロの表示です、更にはフリーマッケットサイトやオークションサイトも1ヶ月以上に渡りウォッチしていますが1本も出てきていません。
またキャンベルタウンのスプリングバンク蒸留所関連の銘柄の価格が急騰しています、スプリングバンク10年やキルケラン12年は1年前の2~3倍の価格となっています、既にヘーゼルバーンとロングロウは幻のシングルモルトになっています。
ローランドでは閉鎖から2000年に創業再開したばかりのブラドノックがカスク原酒の枯渇からか入手困難状況で価格が急騰しています、今後は生産量の少ない蒸留所銘柄はほぼ入手困難になっていくと思います。
アイラモルトファンの私として現在大変気になっているのが、もともと蒸留所自体の生産数の少ないアードベックの限定版と数量限定のラガヴーリン10年です、これらも価格急上昇中で買えるうちに予備を買っておこうと思います。
愛飲ウイスキーがある日突然消えてなくなるときが来る予兆をひしひしと感じ恐々とする今日この頃、この感覚はバブル経済崩壊とほぼ同時に忽然と日本市場から姿を消した高級ブレンデッドウイスキーの数々を彷彿させます、これらが30年以上経って再び脚光を浴びる日が来るなんて誰にも想像もできなかったでしょう。