2023年9月27日 11:00
現在ほぼ日本のシングルモルト及び高級ブレンデッドウイスキーが店頭から姿を消しているのをご存知でしょうか、サントリーの山崎・白州・響などは店頭から姿を消し定価の2倍~3倍でオークションにかけられている状態です。
この理由は明確で、80年代の日本におけるジャパニーズウイスキー離れが進んだジャパニーズウイスキー氷河期にあります。
世はまさにバブル全盛期でそれまで高価で影を潜めていたワインやスコッチウイスキーが飲まれるようになり、各種のワインや高級ブレンデッドウイスキーがどんどん輸入されました。
これを受けて日本のウイスキーメーカーは生産を一気に控えるようになります、90年以降も徐々に回復傾向に向かったとはいえ減産は継続されウイスキーブームが再び沸き起こる2015年くらいまで続いたわけです。
シングルモルトは熟成に最低12年はかかります、この結果現在のニーズに合わせてどんどんボトリングして出荷したくても原酒が枯渇して無いのです。
冒頭の3種は現在既に生産中止状態です、加えてニッカウイスキーの余市・竹鶴も生産中止に追い込まれました。
これが解消するまでにおそらく10年はかかるでしょう、この間に国産ウイスキーが無いならスコッチウイスキーということでスコッチウイスキーのニーズが急速に高まり今度はスコッチウイスキーの価格が大幅に高騰しているというわけです。
加えてスコッチウイスキーの原材料であるモルト自体がウクライナ情勢の余波で価格高騰しており、世はまさにウイスキーバブルに突入しているのです、ちなみに品薄銘柄は1年前の価格の2~3倍にまで高騰しています。
私の不安は今のウイスキーブームが去った後、今度は国産ウイスキーやスコッチウイスキー余りという逆転現象が起こることです。
この10年ほどは世界中がウイスキー蒸留所の新規設立ブームで沸いています、日本でもこの数年で国産シングルモルトウイスキーを造ろうという蒸留所の設立ラッシュが起きています、また多くの焼酎メーカーまで国産モルトウイスキーの生産を開始しました。
いつの時代も世の現状を冷静に把握し5年・10年先に起こるべく状況を正確に読んで行動した人が勝者になります、今の状況をどのように思考しどのような行動を起こすべきなのでしょうか。
少なくても10年後には今の状況は確実に一変しています、一つ言えることは歴史は確実にリズミカルに陰陽状況を繰り返すということです、「昇りエスカレーターを確認したら即乗り頂上手前で降りる」、これはビジネス常勝の心得です。