ところで「成功」とはいったい何を指して言うのでしょうか、私はこれを考え続けて40年、この歳になってようやくその答えを見つけることができました、一言で言えば「自分の居る場所が有って、自分の目標に向かって自由に歩め、その結果において社会と関っていること」でした。
若い頃は違います、まずは自身の満足感が中心になります、でもこれが数々の経験を通してくると変わってくるのです、自分の幸せ事などは小さなことでしかないのです、そしてそれに満足したとしても誰にも評価されることはありません、つまり世間に受け入れられずに「人生の成功」などは有り得ないのです。
何故なら全てが自己完結の狭い範囲での独善的な思考だからです、世界的に名を残している歴史的な成功者はみなこの一言を最終的に全うしている人だと思います、隠居しても尚も社会と関われる場所が有る、自分を頼る人がいてその人の為に行く場所が有る、こんな幸せがどこにあるでしょうか、そしてこれを成功と呼ばずに何と呼ぶのでしょうか?
他者から頼られなくなったらお終いです、成功とはビジネスなどではありません、思ったように生きられた人生のゴールです、これを達成できた人を私は「人生成功者」と呼んでいるのです、この人生成功者のゴールに向けてマイペースに歩めること、こんな幸せなことはありません。
この結果において社会と何らかの関り合いを維持できるという最高の幸せ、これができて初めて「一人じゃない」という本当の幸福を実感できるのではないでしょうか、経営者交流会を開催していたときに私が考えたキャッチコピーである「もう、一人じゃない」とは他者に対して共感を促すために作った言葉ではありません、それぞれが無意識のうちに記憶され何かの拍子に脳裏に浮かぶような言葉として考えたものです。
自身が本当の幸せを得られていないとしたらこの感覚を真に理解することはできません、ましては意味も解らず使っても生むものもありません、この心境になるときは自身の中で成功を真に実感できたときなのです、この3つの事項を常に意識していきたいと思います、そうすれば極自然にそれに向かって自分もそして周囲もまたすべての事項も自然に進みだすのだと思うのです。
道楽で特徴のある植物から野菜まで育てていますが面白いほどに大きな学びが得られるのです、中でも多肉植物の生態の変化(へんげ)には驚かされる事ばかりです、温度に湿度、日照時間に水やりのタイミングと量、これらによって同じ種とは思えないほどに大変化していきます。
そしてもう一つ面白いのが変化の直前に成長を一旦止めてしまうということです、人の成長段階にも似ていて本当に不思議です、毎週のように新しい葉を出してぐんぐん成長していたと思ったら2ヶ月以上もまったく動きを止めてしまうのです、そして再び動き出したと思ったら全く別の形と色の葉を付け始めるのです、そしてこの葉の形と色のまま成長を開始します。
ちなみに根の成長を見るために幾つかの種をガラスや透明なプラスチックの容器に植えて観察しているのですが、成長が止まっている時には根の成長も止まっています、むしろ古い根が自然に枯れたり溶けて無くなっていく種もありました。
この変化というか進化の過程が本当に多くの学びを受けます、一旦動きを止めている時に植物の中では一体何が行われているのでしょうか、昆虫は幼虫から成虫に大変化を行う際には蛹の状態でまったく動きを止めて細胞組織を一旦液状化し全てを作り変えています。
つまり本当の意味での生まれ変わりです、だから幼虫の時の本能も記憶も無いのです、存在するのは細胞に組み込まれた遺伝子だけです、人間も含めた哺乳類も季節の変化を感じると細胞の入れ替えを行います、この時には多くの貯め込んだエネルギーを使うので眠気が襲い力が出ません、こんな状態と酷似しているのでしょうか?
そして植物の多くは成長を止めている時に水をあげると土中のバクテリアが活性化し根がバクテリアと戦うエネルギーが無く確実に根腐れを起こして枯れてしまいます、したがって状態を毎日のように観察する必要があるのです、多くの植物栽培での失敗は植物の状態の観察不足による安易な水やりです。
こんなところからも多くを学べるのですが人を育てるのもその人の状態や状況をよく観察する必要があるのではないでしょうか、そして適切な処置をタイミング良く講じてあげることが肝要です、場合によったら一時的に放っておくことが成長させるに最も適切な場合もあるということなのです。
状況や状態に合わせた最適な指導、結局何を育てるにもテクニック以上に愛情をもって、よく観察しながら余計なお世話でなく適切な手入れを行うことが肝要なのです、つまり私がよく言う「心のコミュニケーション」とはこういうことなのです。
某国の大統領の言動を見て同国の政治評論家が自身のコラムで面白い表現で酷評しました、その酷評の概要とは「独りよがりの発言や施策の多くは一人で食事をして野党の意見を聞こうとしない。野党の多くは知性を疑っているようであるが、彼に足りないのは知性ではなく徳なのだ」というものです。
徳というのは経験を積むことによる人間力そのものです、したがって自然に人が寄ってきて有益な人脈を持っている人を「人徳が有る」というのです。
政治家も経営者も、この「徳が有るか否か」でその人の評価がが決まってしまうような気がします、その意味でなるほど上手い表現を使うものだと感心しきりです。
どんな世界においても周囲に人が寄ってくる人は何かを持っているのです、人は利益にならないと思えば寄っていきません、逆に常に孤独でいる人は何かが足りないのです、同じように人は利益にならず面倒なだけの人には寄っていくことはありません。
面白いことに本当に一人になりたいと考えている人ほど人が寄っていき、寂しがり屋で一人では耐えられないという人ほど人が寄っていかないのです、これは解る人には解るように依存や何かを欲するエネルギーはマイナスエネルギーなのです、マイナスエネルギーに惹きつけられる人はマイナスエネルギーの人だけです。
マイナスエネルギーが合わされば更にマイナスエネルギーが増長され、プラスエネルギーさえも吹き飛んでしまいます、それほどマイナスエネルギーは強力なのです。
そして何事も一人で必死に頑張ったところで上手くいくはずはありません、何故なら何をしようにも相手がいることなのですから、一人では政治は動かず経済を回すこともできません、また徳がない人は必ずといって自尊心だけは誰よりも高いのです、これも一つのマイナスエネルギーなのです。
マイナスかプラスかという表現はエネルギーの向きなのです、自身に向いているのはマイナスで他者に向いているのがプラスであることは説明しなくても解るでしょう。
マイナスエネルギーの人はお金が無くて困っていると相談に来るのですが、こちらが提案したことは無視して世間体などを気にしてはお金にならない道を選択するのです。
お金が必要ならまずはある時期だけ限定しても何をしてもお金を最優先で作らなければいけないのです、そこに好き嫌いも体裁もプライドも感情さえも不要です、他者のアドバイスを無視して自分勝手なことをしておいて、それでいて約束も守らず他者に無心する、これって生き方そのものが大きく間違っています。
また悪いことや過ちも自ら解っているのに謝ることをしません、これがまだ一般の人ならいいのですが経営者であれば看過できないものとなります、オーバーな話ではなく国や企業のあっという間の没落は一人のリーダーの徳の有無で決まってしまうものなのです。
理不尽なようですが世の中とはそんなものだと思うしかないニュースが昨今多くなりました、成り金社長のSNSへの一言で顧客離れが止まらなくなり株価暴落で窮地に落ちる、外交先の挨拶で同盟国から孤立する、この数年間はそんなニュースが多くなりました。
私は思うのですが、こういう時こそ世の中の不整脈的な動きを余所に自身の周囲に盤石な体制を築き上げことが肝要だと思うのです。
「言霊(ことだま)」という言葉があります、口にしたことは必ず何かしらの結果として返ってくるというものです、だから他者を悪く言えばその報いを必ず受けることになるのです。
「言霊」という言葉自体は普通の人は使いませんが陰で事あるごとに悪口を言っている人は特に意識して欲しい言葉です、「災いは忘れた頃にやってくる」、まさにその通りに天罰を受けますから。
他者の悪口はどんな事があろうが言わないほうが良いです、言うからにはその結果における覚悟を決めなければなりません、他者の悪口や陰口を言いふらす行為は自分自身の株を下げることになります。
まして、を受ける側が与える側を非難すれば100倍になって返ってくるでしょう、逆に何を言われようが受け流せる人は周囲も器が大きいと認め言われた側は恩恵を受けます。
これは別にして面白い字を発見しました、「誠」と言う字です、「言」+「成」、つまり「言うは(そのように)成る」=「誠」、大きな夢を語ったり他者を善く言えばそれもまた「言うは成して誠」となるのです、夢を語る、他者を褒める、きっと善い流れになっていきます。
どんなビジネスも重要なのは根拠です、私はこれまで何度も口を酸っぱくしてアドバイスしています、根拠はどんな場合にも無言の説得力に繋がる本当に重要な要素です。
例えば事業構築・推進したことがない経営コンサルタントを信じるでしょうか、どう見ても不健康な人の健康食品を買うでしょうか、自社サイトも無いWebマーケティング企業に依頼するでしょうか、まさにこういうことなのです、何故お金にならないのかと嘆く前に自身には自身の商品やサービスに繋がる確固たる根拠を示しているかどうかを考えてみるべきです。
ところで私が代表を務める一つの会社に食と食材を事業としている企業があります、その会社ですが今では飲食店のメニューや食材コンサルティングが大きなビジネススキームになりつつあります、過去私は3店舗のダイニングバーやショットバーを経営していました、それが根拠として示していたのですが重要なのは過去ではなく現在だと過日気付いたのです。
そこで11年ぶりに飲食店経営に乗り出すことにしました、そうです身をもって根拠を示す為にです、先ずはイタリアンレストランを3年前に譲受しました、そして数年後にはチェーン展開したいと思います、これもFC化支援の根拠作りの為にです。
更に新たな食文化、特にファストフードにチャレンジしたいと考えています、行きつくところは自前の畑で採れた野菜やキノコ類を出せれば一つの理想郷が達成します、また食品加工業の資格を得て自前のハムやチーズを使ったメニューも理想の一つでもあります。
この研究・開発が本当に日々楽しいのです、自身の店舗で利益を多いに上げている、更に新たな食文化事業を創出しチェーン展開している、常に新鮮な食材を提供できる、これが飲食コンサルタントの最大の売りであり根拠となります、何をするにも根拠を作ること、これ以上の説得力はないのですから、そして何よりも自身が大いに愉しむことです。