2022年5月20日 00:00
道楽で特徴のある植物から野菜まで育てていますが面白いほどに大きな学びが得られるのです、中でも多肉植物の生態の変化(へんげ)には驚かされる事ばかりです、温度に湿度、日照時間に水やりのタイミングと量、これらによって同じ種とは思えないほどに大変化していきます。
そしてもう一つ面白いのが変化の直前に成長を一旦止めてしまうということです、人の成長段階にも似ていて本当に不思議です、毎週のように新しい葉を出してぐんぐん成長していたと思ったら2ヶ月以上もまったく動きを止めてしまうのです、そして再び動き出したと思ったら全く別の形と色の葉を付け始めるのです、そしてこの葉の形と色のまま成長を開始します。
ちなみに根の成長を見るために幾つかの種をガラスや透明なプラスチックの容器に植えて観察しているのですが、成長が止まっている時には根の成長も止まっています、むしろ古い根が自然に枯れたり溶けて無くなっていく種もありました。
この変化というか進化の過程が本当に多くの学びを受けます、一旦動きを止めている時に植物の中では一体何が行われているのでしょうか、昆虫は幼虫から成虫に大変化を行う際には蛹の状態でまったく動きを止めて細胞組織を一旦液状化し全てを作り変えています。
つまり本当の意味での生まれ変わりです、だから幼虫の時の本能も記憶も無いのです、存在するのは細胞に組み込まれた遺伝子だけです、人間も含めた哺乳類も季節の変化を感じると細胞の入れ替えを行います、この時には多くの貯め込んだエネルギーを使うので眠気が襲い力が出ません、こんな状態と酷似しているのでしょうか?
そして植物の多くは成長を止めている時に水をあげると土中のバクテリアが活性化し根がバクテリアと戦うエネルギーが無く確実に根腐れを起こして枯れてしまいます、したがって状態を毎日のように観察する必要があるのです、多くの植物栽培での失敗は植物の状態の観察不足による安易な水やりです。
こんなところからも多くを学べるのですが人を育てるのもその人の状態や状況をよく観察する必要があるのではないでしょうか、そして適切な処置をタイミング良く講じてあげることが肝要です、場合によったら一時的に放っておくことが成長させるに最も適切な場合もあるということなのです。
状況や状態に合わせた最適な指導、結局何を育てるにもテクニック以上に愛情をもって、よく観察しながら余計なお世話でなく適切な手入れを行うことが肝要なのです、つまり私がよく言う「心のコミュニケーション」とはこういうことなのです。