父性愛や母性愛は人間であれば普通は誰しも持っている本能です、ところがこれも「es」が自我に呼びかけ極まってくると正常性から逸脱して特異な行動を起こすことがあります。
例えば芸能界や相撲界で言うスポンサーや谷町の存在、通常は大物になる為に必要な資金的支援を行う人を言います。
こういう人たちの中に支援先の人の名が売れてくると、「自分が育てた」と活動に関して口を挟んできたり、自社の広告塔になってほしいなどとルール無用の要求をしてくることがあります。
最初は本当に心から応援したいという素直な気持ちであったのが、人気が出てくると突然人が変わったかのように「育ての親」を名乗り出るようになるのです。
その要求が満たされないと今までの事は無かったかのように資金援助を切ってしまいます、酷い場合は「返金」を法的に要求してくる場合もあります。
本来人を育てるという父性愛や母性愛は無償の投資です、それによってその人が成長することで自身の満足度が満たされれば良いはずなのです、でも何かをきっかけにしてこの純粋な気持ちが「es」により自我が目覚め独占欲が表面化するように変わってしまうのです。
この多くのきっかけは、「自分だけのもの」という意識が人気が出てくると「みんなのもの」に変わるからです。
自分が「オンリーワン」から「ワンオブゼン」への移行、それまで支援していた人が人気が出ればファンも急増します、「今まで何時でも会えて自分を優先してくれた、それがファンを優先し自分は虐げられている」、という思いがどうしても許せなくなるのです。
その「自分は優先されている」ことが維持できないことによる虚しさ・寂しさ・葛藤、それがこのような人が豹変するきっかけなのかもしれません。
そして、それは決して対人的な事に留まりません、例えば企業の株主、事業パートナーなどにも同様のシチュエーションが発生することがあります。
更には経済的援助だけではなく労働支援や単純に応援するという気持ちなどにもみられます、気に入っている人や物は「自分だけのもの」、この思い入れと思い込みが満たされなくなるとどうも「es」が一人歩きを始めるようです。
良い状況はそう長くは続かない。
人はよく永遠に続くと勘違いして無茶をする。
良いときは謙虚さを忘れてはならない。
悪い状況はそう長くは続かない。
人はよく永遠に続くと勘違いして塞ぎ込む。
悪いときは大胆さを忘れてはならない。
長い人生、良いことも悪いことも、
何度も何度も繰り返されるものなのだから。
※耳順(じじゅん)とは、孔子論語の「60歳にして人の話しを素直に聞けるようになった」という節を起源とする60歳代の呼び名である。
ロジカルシンキングと対比的な能の機能に「思い込み」があります、思い込みとは脳の合理化という手抜き処理によってもたらされる「現実を無視した結論付け」を言います。
実際に行動してもいないのに過去の結果や他者の情報を基に脳が勝手に推測し結論付けてしまいます、また強い思い込みや思い入れが実際に経験したことによる結果であるかのように脳が現実の事象として記憶してしまう場合もあります。
この現象は極めて危険な現象であり、思い込みによって殺人事件にまで発展することも少なくありません。
精神疾患の被害妄想と極めて酷似した脳の現象であり、状況を特定した場合には区別をつける方法が今のところは無いとも言われています。
何れにしても事実とは異なる記憶をしてしまうのがこの思い込みという脳の手抜き処理です、考えているだけで行動に移さない人の多くは思い込みで結論付けている人です。
対してロジカルシンキングは一つのシミュレーションであり、むしろ脳の無駄使いとも言えます。
実際に起これば結論付けされることでさえも予め結論を導こうとしているのですから、でもこれが無駄ではなくて後々大きな意味を持つのです。
ロジカルシンキングで結論付けされるのは一つの事象に対して複数の結論が用意されます、実際の結果が起きればその結論による次の一手もロジカルシンキングにより用意されていますから、その時点で慌てることも騒ぐこともありません。
そして動いてみた真実という結論が出た際に、ロジカルシンキングしてきた人は素早く行動に移せます。
思い込みという脳の手抜き処理とロジカルシンキングという脳の無駄使い、さてどちらがビジネスには有益でしょうか?
少なくても思い込み人間は多数派でありロジカルシンキング人間は極めて少数派といえます、そしてどちらの人なのかを確認する方法は実に簡単です、それは「言っている事と事実」を比較すればいいだけです。
ロジカルシンキング派の人は口に出した時点で既にビジョンと戦略と具体的な行動計画が明確に固まっています、だから直ぐにも言った事を実行しその通りの結果を出せます。
逆に思い込み派は脳の手抜き処理による合理化によって思考されたことを口にします、だから実際に行動に移したときには何も具体策が用意されていません、結果何も生むことはないのです。
またロジカルシンキング派の人の記憶力は驚異的でどんな些細な事も記憶していますが、思い込み派の人の記憶は全てが曖昧であり記憶違いによるトラブルも多々起きます。
脳は使ってこそ鍛えられるものです、思い込みによる脳の合理化が常習化した状況を「脳の老化現象」と称します。
高齢になると筋力が落ちます、これを補う為に筋肉を使わなくても動けるように身体細胞が効率化します、脳も同様に高齢になるといちいち考えなくてもいいように合理化が進んでしまうようです。
ビジネスシーンでよく言われる老害、何を意味しているのかをここであえて言う必要も無いでしょう、近年では30歳を超えた辺りから既に脳の老化現象が進んでいる事実を少しは考えた方が良いかもしれません。
一度崩れた信頼関係は、
修復を試みてもやはり同じ結果となる。
その人とは縁が無かったと潔く諦めることだ。
終わった過去に未練がましい人に輝く未来は開かれない。
※長いビジネス人生、多くの人と出会い、多くの善悪を学びました。
諦めさえしなければ何時かは夢は叶う。
しかし有効なビジョンに基づく計画も無しに、
諦めない者は最も困難な局面を迎えることになる。
※長いビジネス人生、多くの人と出会い、多くの善悪を学びました。