左:ボウモア No.1 中央:ボウモア12年 右:ボウモア15年
色の違いに注目、No.1が如何に若熟成年数であることが色だけでも解る
(熟成年数の色比較は樽が同じ材質の場合に限る)
ボウモアの虜になった人に是非とも飲んでほしい次の1本がこのボウモアNo.1です、ボウモアの歴史そのものの初期のボウモアの味と香りのエッセンスを存分に楽しめます。
ボウモアNo.1はボウモア蒸留所発祥時の最も古い貯蔵庫であるNo.1貯蔵庫においてファーストフィル・バーボンカスクを用いて熟成させたもので、ボウモア蒸留所が最初に世に送り出した頃の味と香りを伝承させたウイスキーだとしています。
海辺の海抜ゼロメートルにあるNo.1貯蔵庫は潮の香りをたっぷりと吸い込んでアイラモルト独特のヨード臭が強いというか力強さを感じる逸品に仕上がっています、ボウモア15年と飲み比べてみるとまったく指向の異なる味で飲んだ瞬間は同じ蒸留所のモルトとは思えません。
アルコール度数は40度に調整されていますが熟成年数は不明です、ボウモア初期の荒さを残すために味や香りから推察して8年前後の熟成樽を数種類ヴァッティングしたシングルモルトだと思います、ボウモア12年と比べてみても色も薄く味も粗いので間違いないでしょう。
初期のボウモアらしさを伝承させたボウモアNo.1、ボウモア独特の強烈な癖を愉しみたい人にはお勧めの逸品です、ボウモア8年が飲めなくなった今ではボウモアNo.1は私にとって極めて貴重な存在です、この味と香りは血気盛んだった若き時代を思い起こさせてくれます。
現在価格が上昇中で量販店では売り切れも続出しています、いずれは買えなくなるプレミアムボトルになってしまうかもしれません、買えるうちに何本も買っておくべき貴重なアイラモルトだと思います。
品名 ボウモア No.1
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク ファーストフィル・バーボン
蒸留所 ボウモア(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 40度
内容量 700ml
価格 5,500円~7,500円(2023年8月時点)
左:ボウモア15年 右:ボウモア No.1
ボウモア15年の熟成度は色だけでも解る
ボウモア12年はバーボン樽で熟成していますが、それをそのままシェリー樽に詰め替えて更に3年熟成したという手の込んだ製法のボウモア15年は「シェリーカスクフィニッシュ」の別名を持ちます、これらを評価されてか国際的なワインとスピリッツのコンペティションで2007年に最優秀金賞に輝いています。
また既に発売終了しているダーケストの後継品でありボウモアのキャッチコピーであるベストバランス・アイラの名をほしいままにしています、アイラモルトらしさを壊さずに極めて深いコクと旨みを感じる熟成アイラモルトの逸品です。
ボウモア12年同様に飲んだ瞬間と飲み込んだ後に広がる香りのバランスが絶妙で飽きのこないアイラモルトの傑作品です、またボウモア12年よりも更に甘い香りが強く長く漂うのでアイラモルトビギナーにも非常に飲みやすいと思います。
ただアイラモルトの熟成年数が少ない刺激的な味と香りを好む人には高級ブレンデッドウイスキーのような上品なマイルドさと甘い香りは敬遠されるかもしれません。
ピーティでスパイシー感だけがアイラモルトのエッセンスではありません、深いコクと味と香りのバランスを楽しむのもアイラモルトの楽しみだということを私に気づかせてくれた逸品です、いろいろなアイラモルトを飲めば飲むほど最終的にこういった風味に行き着くのです。
品名 ボウモア15年 シェリーカスクフィニッシュ
熟成年数 15年(バーボンカスク12年+シェリーカスク3年)
カスク バーボン、シェリー
蒸留所 ボウモア(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 11,000円~15,000円(2023年7月時点)
アイラモルトのスタンダード化しているような存在のボウモアですが、このボウモア12年はボウモアのまさにスタンダードといえる存在でありアードベックが男性に好まれるのに対してボウモア12年は40度ということもありアイラモルト女子にも好かれる傾向があります。
ボウモア12年はアイラモルトの女王と称されているようですが実に納得です、ストレートで飲んだ後にチェイサーを飲むとうっすらと柑橘系フルーツの香りとさっぱりとした酸味感が口の中に広がり女性が好む理由はこれなのかもしれません。
アイラモルトらしい味と香りですが非常に飲みやすいアイラモルトだと思います、ピート臭もしっかり入っているものの実に柔らかい香りでどんな料理に合わせても料理の味を壊すことがありません。
ちなみにボウモア12年はアイラモルトの特徴であるピート臭と濃厚さを示すゲージの中央に位置されているリファレンスアイラモルトで、他のアイラモルトの評価の参考にされるほどバランスの取れたアイラモルトです。
私個人的には絶対にやらないのですがロックや水割りで楽しむ人も多いようです、確かにアイラモルトの歯茎に刺さるようなきつさが緩和されてマイルドになり美味しいとは思います、ただ何故か個人的にはアイラモルトだけはビールをチェイサー代わりにしてストレートで歯茎に感じる刺激を楽しみながら頂くのが一番美味しいと思うのです。
カリラ12年に惚れる前まで私のナイトキャップウイスキーであり、カリラ12年に次いで量を重ねたアイラモルトでしょう、アイラモルトビギナーにもお勧めの逸品です。
品名 ボウモア12年
熟成年数 12年
カスク バーボン
蒸留所 ボウモア(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 40度
内容量 700ml
価格 5,500円~7,000円(2023年7月時点)