2023年5月23日 11:00
ジャパニーズウイスキーは今や世界ブランドとなり、毎年行われる世界ウイスキー品評会でも何年も連続金賞を受賞するなど世界的に評価と共に愛好家が急増しており、山崎の限定品は数千万円の高値でオークションで落札されるほどです。
さて、そんな世界ブランドとなったジャパニーズウイスキーですが、サントリーやニッカは誰しも知るところですが世界でも知名度が高いのに日本人のほとんどが知らないウイスキーがあります。
それがマルスウイスキーであり、日本で初めて蒸留された本格ウイスキーのマルスウイスキーはジャマニーズウイスキーの祖と謳われています。
マルスウイスキーは長野県駒ヶ根山脈にある初代マルス信州蒸留所と後にノウハウをそのまま受け継がれた鹿児島県津貫のマルス津貫蒸溜所の2つの蒸留所で本格的なスコッチウイスキーの製法通りのウイスキーを製造しています。
マルスウイスキーの創業者は、日本発のウイスキー作りを託してスコットランドに竹鶴政孝氏を派遣させ、「竹鶴レポート」を基にスコットランドと同じポットスティルによって蒸留する方法を忠実に再現した蒸留所を作ったジャパニーズウイスキーの生みの親と言われる岩井喜一郎氏です。
そんな伝説のマルスウイスキーですが、今や販売終了となり幻のシングルカスクモルトとなった「駒ケ根」を始め「岩井」トラデショナルなど多くの銘柄を製造しています。
特に地ウイスキーの火付け役と言われているのが、シングルモルトブレンデッドの「信州」で長野県限定販売の極めてコストパフォーマンスの高いウイスキーであり、新型コロナの影響で長野県に山登りに行って帰りに「信州」を買って帰ることができなくなったファン向けにネット販売を行うようになりました。
私は以前「信州」を故郷を思い出すたびに飲んでいましたが、3年ほど前に久しぶりに飲んだら改めて品質の良さを見直し1ダース箱入りで購入したほどです。
コマーシャルを打つわけでもなく、全国展開するわけでもなく、祖でありながらも伝統を守り謙虚に作り出しては限られた熱狂的ファンだけに愛されるウイスキー、こんな伝説のウイスキーが日本に在ることを誇りに思う今日この頃です。