2023年5月16日 11:00
ウイスキーファンに好まれる傾向のあるモルトウイスキーの中で、「アイレイモルト」と呼ばれるウイスキーが存在しています。
ここで「アイレイモルト」という呼び名は日本固有らしく「islay」をそのまま読んでいるようですが、実際の発音は「アイラ」と読み本場イギリスでは「アイレイモルト」は単に「アイラ」と称しています。
この「アイレイモルト」とは何かということですが、実はスコットランド(イギリス北部)の西側に近接する極めて小さな島であるスコットランド3大島の一つアイラ島で作られるモルトウイスキーだけを指して言います。
ほんの小さな島の中になんと有名な蒸留所が現在で9つもあります、その蒸留所名はラフロイグ・ボウモア・ブナハーブン・カリラ(カオルアイラ)・ブルックラディ・アードベッグ・ラガヴーリン・キルホーマン・アードナッホーで、それぞれ蒸留所名を冠した銘柄や全く別の名の銘柄があり熟成年数別も含めたその種類は数えきれないほど存在しています。
尚、ポートエレンとモルトミル蒸留所は過去に存在していた蒸留所で、近年手に入る同銘柄のアイレイモルトは閉鎖時に残った樽を商標権と共にウイスキー商社に譲渡したのではないかと思います。
ちなみに先日調べたところ、ポートエレン38年とポートエレン40年がまだ手に入ります、しかし価格がなんと58万円と65万円という価格で驚きました。
話を戻しますが、アイレイモルトの中にはアイレイモルトを数種類ブレンドしたアイレイモルトブレンデッド銘柄も多数存在しており、アイレイモルトだけで一大コレクションアイテムになるほどです。
例えばボウモアはバブル経済期の頃にはボトルに直接ペイントで斬新なイラストを描いた「ボウモアマリナー」などの銘柄を何本も出しており、これらは発売中止となるや5~10倍以上の値で取引され、今ではオークションで空の瓶だけで2万円以上という値が付いておりアイレイモルトコレクターのフリーク熱には驚くばかりです。
ここでアイレイモルトだとよく間違われる銘柄に「タリスカー」がありますが、これはアイラ島ではなくスコットランド北西部に在るアイラ島同様にスコットランド三大島の一つであるスカイ島に在る蒸留所のウイスキー銘柄です。
さてウイスキーファンを虜にする「アイレイモルト」ウイスキーの特徴ですが、消毒液(ヨード臭)と燻製(ピート臭)の香りが混ざった強烈な刺激臭とビシっとくる辛口の味に在ります。
ブルーチーズ(ロックフォールやゴルゴンゾーラ)やウォッシュチーズ(シャンベルタンに代表される赤カビチーズの赤カビをブランデーで洗った最も臭いチーズ)と同様に癖が強いほど好きになっていくという不思議な存在です、そしてアイレイモルトファンの多くは熟成年度の長いタイプよりできるだけ若くて刺激が強いものを好む傾向があります。
勿論私も例外ではなく最近アードベック5年を見つけて即買いしたほどです、面白いことに他のウイスキーとは異なり発売数が少ない為なのかアードベック12年よりも高い値段が付けられていたのは流石です。