2023年5月 9日 11:00
ウイスキーボトルの裏の表示には、ウイスキーの種別として「モルト」とか「グレーン」という表示がありますが、これは何を意味しているのでしょうか。
これはスコットランドで定められたウイスキーの定義によってウイスキー種を表示しており、「モルト」は大麦麦芽だけを原料とした蒸留酒であり、「グレーン」は大麦・小麦・トウモロコシなどの穀物を原料とした蒸留酒です。
つまりウイスキーの定義で言えば、バーボンはトウモロコシを主原料としていますからバーボン自体が全てグレーンウイスキーということになります、ただしアメリカンウイスキーの定義はイギリスのものと異なりますのでバーボンにはバーボンウイスキーとしての定義に則って製造しています。
また日本のウイスキーの中には小麦に加えて玄米を原料としたウイスキーがありますが、これもグレーンウイスキーということになります。
尚、焼酎は小麦やサツマイモを原料とした蒸留酒ですが、アルコール度数がウイスキーの定義である40度以上ではなく加水によって25度にしているのでウイスキーではないということになります。
ただし、焼酎の中には「百年の孤独」のように40度でしかも3年ほど熟成させた焼酎があります、これは焼酎ではなくグレーンウイスキーかと思うのですが木のカスクで熟成していなければ厳密にはウイスキーの分類には入りません。
ただし海外では「百年の孤独」は40度というところだけを見て「ホワイトウイスキー」と呼ばれているようです、確かに味も香りもほぼウイスキーです。
ウイスキーとしての価値としては「モルト」がウイスキーファンには好まれる傾向にありますが、味的には好みの問題であり「グレーン」は飲みやすいだけではなく「モルト」よりも高額なウイスキーも多数存在しています。
またウイスキーファンには支持される傾向のある「モルト」の中で、一つの蒸留所のウイスキーだけを瓶詰したウイスキーを特に「シングルモルト」と呼びます、更にその中でも一つの樽からそのまま原酒をボトリングしたものを「シングルカスク」と呼びます、ここでカスクとは熟成樽のことです。
蒸留所による味の違いを愉しむ為に、ウイスキーファンの多くは蒸留所の違う「シングルモルト」を銘柄別に何本もコレクションし日々味の違いを覚えていくのです。
最後に「ブレンデッドウイスキー」というウイスキーがありますが、これは複数の蒸留所が製造するモルトウイスキーやグレーンウイスキーを混ぜた混合ウイスキーであり、銘柄によって個性的な味と香りが特徴で押し並べて飲みやすいのでウイスキービギナーにはお薦めのウイスキーです。
また「モルトブレンデッド」は蒸留所の異なるモルトウイスキーをブレンドしたもので、それぞれの蒸留所の持つ個性をブレンダーによる絶妙なブレンドによって仕上がっており飲みやすいのが特徴です、なかには6つの蒸留所のモルトをブレンドしたというウイスキーも存在しています。