だいたいの人が35歳を超えた辺りから特に意識しなかった身体の異常を突然のように意識するようになります、寝ても疲れが取れない、常時脱力感がある、視力の異常に関節痛・発疹・温冷痛感覚異常・痺れ・頭痛・咳・歯痛など、ハッキリと自覚症状があるのに病院で診てもらっても特に異常を発見されずに原因不明と言われます。
私の場合も35歳くらいから細かな症状はいろいろ出ていましたが42歳のときに突然腕が上がらなくなり歩行困難になるという強い症状が出ました、これは何かおかしいと病院に駆け込んだのですが病院で診察してもらった結果「みんな一度は経験する加齢によるもの」と言われました。
そこで自分でも「加齢」を確信したい目的で高齢の先輩経営者などに会う度に聞いてみたのです、ある年齢からやはり同じように何らかの身体の異常を意識するようになり、その後は「それが自分だと認めてうまく付き合って行くしかない」と同様の答えが返ってきたのです。
その後もいろいろな症状が現れるのですが気にかけないようにして何かあるといけないので毎年人間ドックだけは受けるようにしてきました、身体の不調を意識し始めて30年経って解ることなのですが先輩達が言っていたように症状はこれといって悪化することもなく完治することもありません、ときどき各所がビクビクと動いたり締め付けるような痛みや各所に痺れを感じたりしています。
毎年人間ドックの問診で各種の症状を訴えるのですが「間違いなく歳を取っているということですよ」と言われる始末、症状が出始めた時には何か大きな病気かと本当に心配し悩み苦しみます、精神的にも大きなストレスとなり別の症状を引き起こしたりもします。
自身では認めたくないけど確実に歳を取っているということです、特に若いころにスポーツをやっていた人は筋肉と末梢神経の衰えや関節の疲弊などで各種の身体症状が出やすいようです。
私は剣術と剣道をやっていたため足裏と上半身の筋肉が他に部位に比べてバランス悪く発達しているようで、足の末端と上半身の筋肉を動かす神経が上手く作用しないという症状が多く出ました、腕が上がらなくなった原因は腕の筋肉を瞬間的に微妙にコントロールする末梢神経の衰えだったのです。
身体の異常を自覚したら病気なのか加齢によるものなのかをまずは総合病院で入念に検査してもらい、特に大きな病気ではないという診察結果が出たのであればその後は加齢による個性の特徴として認めて生きていくことです、受け入れられれば豪雨が晴れたように突然気持ちが楽になります、受け入れる直前がもっとも辛いとは思いますが「周囲には隠しているがみんなそれぞれに加齢による症状と戦っている」、そう思うことにしましょう。
そういえば7年前に発祥し2年間ほど足の裏が痛くて歩けないほどだったのですが突然嘘のように痛くなくなったのです、病名は「足底筋膜炎」というものでした、この急に痛みが無くなる現象は私も初めて体験したのですが完治ではなく寛解(かんかい)という状態とのことです、身体が異常ではないと受け入れることにより痛みが無くなるのだそうです。
花粉症やアレルギーなどの治療に身体が素直に受け入れることによって寛解を引き出す方法を取り入れている病院も多くなったと聞きます、そもそも花粉症やアレルギーは人間に備わった免疫が引き起こすもので病気とは異なる次元だとする医学書が多数あります。
したがって寛解することはあっても完治というのは無いそうです、また花粉症やアレルギーの寛解での少数派ですが免疫力低下や低体温などが原因の場合もあり注意が必要のようです、猫アレルギーも猫を飼いだして数年で症状が一切出なくなるという話しはよく聞きますし、私の場合もそうでしたが身体が受け入れ寛解したものと推測できます。
何れにしても歳を取れば若いころのように身体が無理をきいてくれません、身体は確実に加齢による老化を遂げていきます、これを素直に受け入れ年齢に合った生活習慣を身につけていくしかないのです、そう言えば足底筋膜炎の後に五十肩と椎間板ヘルニアが短期間に発祥しました、これらも全て加齢による身体の老化が原因です。
私の身体は確実に隠居時期を教えてくれているようです、そして隠居してから加齢による身体の異常が多発するよりも隠居前の元気な時に各種の加齢症状が発祥しておいて良かったとさえ思っているのです、隠居後の人生で最も愉しい時期に動けなくなるのだけは避けて通りたいですから。
やりたくてもできなかったやり残したことがたくさんあります、これを順次愉しんで実行していくのです、身体が元気でなければ愉しんで実行できません。
主治医から教えてもらったのですが老化現象を和らげる栄養素は必須アミノ酸とビタミンB6・B12だそうです、35歳を超えたら豚肉や豚レバーをたくさん食べましょう、若い時と違って消化吸収が悪くなるようで多めに食べないと栄養不足になるようです、健康は経験してくると自分に合った方式が解ってきます、愉しい老後の為に今から身体の準備をしておくのがよろしいようで。