私の持病の一つに50歳あたりから発祥した腰痛があります、5年ほど前の話ですが慢性的な腰痛が大爆発を起こしてしまいました、「椎間板ヘルニア」という病名で以前から周囲の人には「ヘルニアは時限爆弾のように一気にくるから気を付けろ」と言われていたのですがこういうことだったのですね。
発症する数日前から何となく違和感があったのですが大爆発を起こした朝の前日に無醗酵で作るパンの試作品を作ったのです、この時の生地作りで無意識に腰に負担をかけたのがいけなかったのか翌朝起きる時に下半身がまったく動かず激痛で足を動かすことさえできなくなってしまったのです。
1時間程して這うように移動し病院に電話しました、その際に痛みを緩和させるストレッチの方法を教えてもらって何とか歩けるまでになったのです、病院でブロック注射を打ってもらいその日は安静にしていました。
そんな激痛で起き上がれない日が数日続き強力な痛み止めで抑えながらの生活でしたが一週間後の朝突然傷みも無く普通に起き上がれるようになったのです、腰を曲げても傷みが走りません、あの激痛で動けなかった椎間板ヘルニアが突然のように治ってしまったのです。
医者からは最低でも傷みが収まるまで2週間と言われていたのですが、痛みを堪えて動き回ったのが良かったのかそれとも驚異的な回復力なのか1週間で傷みが完全に消え通常通りに起き上がれるようになりました。
ただ私の場合が特別なのかもしれません、何故なら私は幼少のころから怪我や病気の回復が通常の人の数倍早いのです、高熱が出た時もほんの数時間猫のように身体を丸めて寝ると治ってしまうのです、長い期間苦しんだ足底筋膜炎の痛みもある日突然消えるのです、そして治癒の瞬間には真っ黒な雨雲から一睡の光が差し込み一気に晴れ渡る空のように本当に爽快な気持ちになります。
こんなとき私はこう思うのです、「天が何かのメッセージを伝えている」と、その度にどんなメッセージかはあえて周囲には語りませんが周辺に起きている状況から勘案して私にはしっかり伝わっています、そしてそのメッセージに従って躊躇することなく行動を起こすだけです。
面白いことに身体のどこかに強い傷みが走る時には脳内ホルモンの影響なのか私の脳は通常の10倍以上の思考力にパワーアップするようです、短時間に複数同時に各種のアイデアと難題回避策が次々に浮かんできます。
先の椎間板ヘルニアの発祥でも良い事が起きました、何と処方された薬のせいなのかは解りませんが花粉症の症状が緩和されたのです、これも思考に集中するのに効果を発揮してくれました、そして五十肩で両肩が痛くて動かなかったのですが右肩だけが突然動くようになったのです、朝起き上がれずに右腕に通常の数倍以上の負担がかかった事で寛解(かんかい)を引き起こしたのだと推測しています。
まさに「人間万事塞翁が馬」です、つまり悪いことの裏には良い事が、良い事の裏には悪い事が潜んでいるということです、どんな悪い状況下でも隠れた「良い事」を見つけて集中する、それが私流の前向き思考です。
フリを繰り出す古狸。
全てを解ったうえでの気付かぬフリ。
熟知してることは知らぬフリ。
ストレスを感じれば寝たフリ。
相手の真意と信頼を見極める酔ったフリ。
余裕有るなかでの余裕無いフリ。
持っていても持っていないフリ。
百戦錬磨の古狸はフリを繰り出し真意を確かめる。
フリに振り回されているうちは信頼されていない証拠。
信頼している人にフリを繰り出す必要もないだろうから。
※従心(じゅうしん)とは、孔子論語の「七十にして心の欲するところに従えども矩 (のり) をこえず」という節を起源とする70歳代の呼び名である。
真摯に話し合うなら当事者同士に限る。
上手く丸めようと第三者を介せば状況は更に悪化する。
自分で判断した結果責任は全て自ら進んで処理することだ。
※長いビジネス人生、多くの人と出会い、多くの善悪を学びました。
沈黙と不動。
強者が用いれば謙虚の証し。
弱者が用いれば逃避の証し。
賢者が用いれば最強の武器。
愚者が用いれば保身の防具。
用いる者で同じ姿勢でも意味は大きく異なるという例え。
※長いビジネス人生、多くの人と出会い、多くの善悪を学びました。
知能指数を指すIQはよくご存じかと思いますがAQという指数が存在することをご存じでしょうか、AQとは「逆境指数」を指しトラブルや困窮した状況などの逆境に対する行動パターンを指数化したものでポール・ストルツ博士によって考案されたものです。
このAQを指数化するにあたり人が逆境に対する反応を4つの要素に分類しました、4つの要素とは「コントロール」・「責任」・「影響の範囲」・「持続時間」であり、これらを数値化してAQレベルを割り出します。
そのAQレベルから「脱落組」・「キャンパー」・「登山家」の3つのタイプに分けます、この方法で個人や組織の逆境の耐性などを知る事ができるというもので今後評価されてくる指数ではないかと思っています、各種の検証もされつつあり例えば企業では80%の人が「キャンパー」であり逆境では逃げ出すか安定を求める行動を行うようです。
ちなみに「脱落組」というのは逆境に対する耐性が無く冒険を一切できず社会的活動ができない人、「キャンパー」はある程度の冒険はできるがいざとなれば我先に逃げ出す人、「登山家」は前向きに逆境を捉え目的を達成できる人です。
ここで「登山家」と認定できる人はどの国でも成人人口の3%と言われており、ここから「3%の領域」・「ハーネス思考」などという成功法則的な書籍がある時期に多数出版されました、ちなみに「ハーネス」とは登山家が使う身を守る為の安全金具のことで「登山家」を間接的に言い表しています。
このタイプを割り出すための「AQレベル」とは以下に示すように分類されます。
・L1:「エスケープ」-試練や責任から常に逃避する人
・L2:「サバイブ」-直面する状況で生き残る方法を考える人
・L3:「コープ」-直面する状況で短絡的に対処を試みる人
・L4:「マネージ」-逆境を管理し積極的に解決しようと試みる人
・L5:「ハーネス」-逆境を栄養源にして更に成長を遂げていく人
AQレベル1は「脱落組」、2~4は「キャンパー」、5は言うまでもなく「登山家」ということになります。
ここで「登山家」が経営者に向くのかと言われるとイコールではありません、逆境に対する対応は経営者の資質の一つに過ぎないからです、ただ「脱落組」とレベル2とレベル3の「キャンパー」は残念ながら独立を考えるときは個人事業主もしくは単独経営に留めた方が無難でしょう、また法人役員を考えた場合には資格の維持などの特別な場合を除きレベル4以上の人を採用することが望ましいでしょう。
さて組織の構成を考えた場合、この逆境指数を上手く使うことでその人に応じた役割や責任分担をクールに計画できるのではないかと考えています、経営者や団体組織の代表という者の最大の業務が人事です、どんな人も情というものがあります、しかし強い組織を考えるとき情を捨てクールに割り切った施策が求められるときも多々あるものです。