2024年8月16日 06:00
知能指数を指すIQはよくご存じかと思いますがAQという指数が存在することをご存じでしょうか、AQとは「逆境指数」を指しトラブルや困窮した状況などの逆境に対する行動パターンを指数化したものでポール・ストルツ博士によって考案されたものです。
このAQを指数化するにあたり人が逆境に対する反応を4つの要素に分類しました、4つの要素とは「コントロール」・「責任」・「影響の範囲」・「持続時間」であり、これらを数値化してAQレベルを割り出します。
そのAQレベルから「脱落組」・「キャンパー」・「登山家」の3つのタイプに分けます、この方法で個人や組織の逆境の耐性などを知る事ができるというもので今後評価されてくる指数ではないかと思っています、各種の検証もされつつあり例えば企業では80%の人が「キャンパー」であり逆境では逃げ出すか安定を求める行動を行うようです。
ちなみに「脱落組」というのは逆境に対する耐性が無く冒険を一切できず社会的活動ができない人、「キャンパー」はある程度の冒険はできるがいざとなれば我先に逃げ出す人、「登山家」は前向きに逆境を捉え目的を達成できる人です。
ここで「登山家」と認定できる人はどの国でも成人人口の3%と言われており、ここから「3%の領域」・「ハーネス思考」などという成功法則的な書籍がある時期に多数出版されました、ちなみに「ハーネス」とは登山家が使う身を守る為の安全金具のことで「登山家」を間接的に言い表しています。
このタイプを割り出すための「AQレベル」とは以下に示すように分類されます。
・L1:「エスケープ」-試練や責任から常に逃避する人
・L2:「サバイブ」-直面する状況で生き残る方法を考える人
・L3:「コープ」-直面する状況で短絡的に対処を試みる人
・L4:「マネージ」-逆境を管理し積極的に解決しようと試みる人
・L5:「ハーネス」-逆境を栄養源にして更に成長を遂げていく人
AQレベル1は「脱落組」、2~4は「キャンパー」、5は言うまでもなく「登山家」ということになります。
ここで「登山家」が経営者に向くのかと言われるとイコールではありません、逆境に対する対応は経営者の資質の一つに過ぎないからです、ただ「脱落組」とレベル2とレベル3の「キャンパー」は残念ながら独立を考えるときは個人事業主もしくは単独経営に留めた方が無難でしょう、また法人役員を考えた場合には資格の維持などの特別な場合を除きレベル4以上の人を採用することが望ましいでしょう。
さて組織の構成を考えた場合、この逆境指数を上手く使うことでその人に応じた役割や責任分担をクールに計画できるのではないかと考えています、経営者や団体組織の代表という者の最大の業務が人事です、どんな人も情というものがあります、しかし強い組織を考えるとき情を捨てクールに割り切った施策が求められるときも多々あるものです。