左:ステューラダー 右:トチェクアガー
トチェックアガーとはゲール語であり英語のスモーキー2という意味です、以前発売していたトチェックのヴァージョン2となる続編版です。
ブナハーブンといえばピート臭をつけないライトなアイラモルトで有名ですが、このトチェックアガーは名前のとおりでピートを焚いてスモーキーな味と香りに調整されています。
ショットバーでも最もアイラモルトらしいということで他のブナハーブンは置いてないけどトチェックアガーだけは置いている店もあります、また熟成にはスモーキーさを引き立たせる意味でバーボンカスクとシェリーカスクでそれぞれ熟成させたものをヴァッティングしています。
ブナハーブンの中にあって最もアイラモルトらしい味と香りで、ブナハーブン12年やステュウラーダーと比較してみると面白いと思います。
一口目のスモーキーな香りから一変してベタな甘さが口の中に広がりアイラモルトではかなり甘口系に分類されるシングルモルトですが、味と香りのバランスといいアイラモルトウイスキーとしての完成度はかなり高いと思います。
アイラモルトの特徴ともいうべきスモーキーさとスパイシーさを楽しむだけがアイラモルトの楽しみではありません、カスクから染み出した木のエキスを感じながら熟成されたコクと味をゆったりと楽しむのもまたアイラモルトの楽しみ方でもあります。
アイラモルトの原点というべきバーボンカスクとシェリーカスクでの熟成原液をヴァッティングし調整された味と香りは、ウイスキーは木によって熟成され造られることをひしひしと舌で感じさせてくれる逸品です。
<2024年5月31日追記>
ブナハーブン12年、スチューラダーに続きトチェックアガーも入手困難な状況になっています、価格も半年で30%程度上がっています。
<2024年11月15日追記>
ブナハーブン12年が正常状況に戻りトチェックアガーも旧来の価格に戻り正常に入手可能状況に戻りました。
品名 ブナハーブン トチェックアガー
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク バーボン、シェリー
蒸留所 ブナハーブン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 46.3度
内容量 700ml
価格 8,000円~9,000円(2024年11月更新)
特記事項 ピーテッド、2カスクヴァッティング
左:ラガヴーリン16年 右:ラガヴーリン10年
歴史あるラガヴーリン蒸留所がバーボンカスクを使って熟成したモルトがこのラガヴーリン10年で、ラガヴーリン16年とは対照的な味と香りが楽しめる逸品です、2019年に免税店向けの特別仕様で創出されたもので現存数が少ないのか価格が時を刻むごとに上昇傾向にあります。
ラガヴーリン蒸留所の伝統はラガヴーリン16年をフラッグシップボトルとして扱っているように、シェリーカスクで最低でも16年じっくりかけて熟成させないと本来のラガヴーリンらしさが出ないということでショットバーでもラガヴーリンを頼むとほぼラガヴーリン16年を出してきます。
注意事項として断っておきますが、ラガヴーリン10年はラガヴーリン16年の若熟成ものではなく、価格も現在ではラガヴーリン16年よりも高くなっており異種のシングルモルトとして考えたほうがよいでしょう、ラガヴーリン16年の若熟成を飲んでみたいのであればラガヴーリン8年が在りますので飲み比べてみると面白いでしょう。
ラガヴーリン16年に比べてラガヴーリン10年は、俗にいうアイラモルトらしく尖ったスパイシーな味と飲み込んだ後にくる対照的な甘いケーキのような味と香りが広がりアイラモルトファンにはかなり好まれる傾向の味だと思います、ただラガヴーリン16年に比べて明らかに人を選ぶでしょう。
味と香りのバランスではラガヴーリン16年に軍配が上がります、対して一口目からくるスパイシーの中に広がる甘いまったり感という職人芸的な妙味を楽しむなら間違いなくラガヴーリン10年に軍配が上がります。
ラガヴーリン10年はショットバーではほぼ飲むことができません、是非とも家でじっくりとラガヴーリン16年と飲み比べてアイラモルトのカスクの重要性の奥深さを味わってみてください、もしかしたらその日からラガヴーリン10年の個性的且つ魅力的な味にはまり虜になってしまうでしょう。
品名 ラガヴーリン10年
熟成年数 10年
カスク ファーストフィル・バーボン
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 12,500円~14,000円(2023年8月時点)
特記事項 免税店向け特別限定版(2019年~)
左:ラガヴーリン16年 右:ラガヴーリン10年
歴史あるラガヴーリン蒸留所のフラッグシップボトルがこのラガヴーリン16年です、16年熟成がフラッグシップというのが他のアイラ島の蒸留所では考えられず面白いのですが、ラガヴーリンの美味しさを引き出すのにはシェリーカスクでじっくり最低16年かかるというのが同蒸留所のポリシーのようです。
ちなみにショットバーでラガヴーリンを頼むとほぼラガヴーリン16年を出してきます、ラガヴーリン蒸留所のポリシーを守っているのか若熟成ボトルを置いていないショットバーが多いです、ちなみにラガヴーリン10年はファーストフィル・バーボンカスクであり単なるラガヴーリン16年の若熟成ものではないので要注意です。
ラガヴーリン10年は如何にもアイラモルトらしい骨太な味ですが、どうしても価格とのバランスで比較してしまうとコストパフォーマンスが高いのがラガヴーリン16年ということに落ち着きます。
アイラモルトらしいピーティな力強さと上品で濃厚な甘い味と香りを兼ね備え、更にアルコール度数を43度に調整していますからストレートでも大変飲みやすく女性にも熱烈ファンが多いのも納得です。
私個人的には常飲用アイラモルトではなく、眠れない夜のナイトキャップや嬉しいことがあったときに静かに一人1杯やりたくなる特別な存在です、飲んでその存在に感謝できるウイスキーは私にとっては貴重な存在です。
<2024年2月18日追記>
2023年初頭に正規品の価格改正により20%ほど値上げしており、他のラガヴーリンは10%以下の値上げということからラガヴーリン16年は終売が近いのではないかとの噂が広がっています。
品名 ラガヴーリン16年
熟成年数 16年
カスク シェリー
蒸留所 ラガヴーリン(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 12,000円~13,500円(2023年8月時点)
特記事項 2023年初頭に価格改正があり20%ほど値上がり
アラート カスク原酒が枯渇気味で終売の噂がある(2024年2月18日更新)
左:ボウモア15年 右:ボウモア No.1
ボウモア15年の熟成度は色だけでも解る
ボウモア12年はバーボン樽で熟成していますが、それをそのままシェリー樽に詰め替えて更に3年熟成したという手の込んだ製法のボウモア15年は「シェリーカスクフィニッシュ」の別名を持ちます、これらを評価されてか国際的なワインとスピリッツのコンペティションで2007年に最優秀金賞に輝いています。
また既に発売終了しているダーケストの後継品でありボウモアのキャッチコピーであるベストバランス・アイラの名をほしいままにしています、アイラモルトらしさを壊さずに極めて深いコクと旨みを感じる熟成アイラモルトの逸品です。
ボウモア12年同様に飲んだ瞬間と飲み込んだ後に広がる香りのバランスが絶妙で飽きのこないアイラモルトの傑作品です、またボウモア12年よりも更に甘い香りが強く長く漂うのでアイラモルトビギナーにも非常に飲みやすいと思います。
ただアイラモルトの熟成年数が少ない刺激的な味と香りを好む人には高級ブレンデッドウイスキーのような上品なマイルドさと甘い香りは敬遠されるかもしれません。
ピーティでスパイシー感だけがアイラモルトのエッセンスではありません、深いコクと味と香りのバランスを楽しむのもアイラモルトの楽しみだということを私に気づかせてくれた逸品です、いろいろなアイラモルトを飲めば飲むほど最終的にこういった風味に行き着くのです。
品名 ボウモア15年 シェリーカスクフィニッシュ
熟成年数 15年(バーボンカスク12年+シェリーカスク3年)
カスク バーボン、シェリー
蒸留所 ボウモア(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 11,000円~15,000円(2023年7月時点)
オフィス近くのリカーショップで買ってすぐに撮影、そして試飲?
「待ってました!」、思わず声に出てしまうほど待ち焦がれていた本格アイラモルトの若熟成年数物でショットバーでも既に大人気のボトルとなっています。
アイラモルトファン待望の若熟成年数のキツーイ一発が何時でも飲めるレギューラー品としてアードベックから誕生しました、その名も「ウィービースティ」で「小さな怪物」という意味で使われるのだそう、日本で言えば「小粒でもピリリと辛い山椒」みたいな感じでしょうか。
ピート臭は熟成年数が多くなればなるほど樽に染み込んでしまって薄まっていきます、したがって本来のピーティ感を味わえるのは若熟成年数のものでしかないのです、そして味も粗く消毒水のような歯茎の奥がギンギンくるような刺激、これがアイラモルトファンには堪らない味と香りなのです。
バーボン樽とシェリー樽でそれぞれ5年寝かせたモルトを絶妙なバランスでヴッティングしてそのままボトリング、アイラモルト独特のスパイシーな味とピート臭、そして最後にくる香ばしい甘い香りを存分に堪能できます。
バーボン樽といえばTEN、シェリー樽といえばコリーヴレッカン、つまりこの2つの若い原酒のヴァッティングなのだろうかと勘ぐってしまいますが実際には解りません。
アイラモルトファンの熱望に答えて若熟成年数でもがっかりさせないようにブレンダーが腕を振るって絶妙なバランスで調合したのでしょう、アードベックが自信をもって世に出した傑作品です、価格も極めてリーズナブルですので飲めるうちに是非ともガンガン飲んでおきましょう。
アイラモルトにあってアードベック蒸留所は老舗でありながら小規模な蒸留所で挑戦的な新商品をどんどん出し続けています、その数多いアードベック銘柄の中で最もアイラモルトらしい味と香りを楽しめるのがこのアードベック5かもしれません。
品名 アードベック5年 ウィー ヴースティ
熟成年数 5年
カスク バーボン、シェリー
蒸留所 アードベック(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 47.4度
内容量 700ml
価格 5,500円~6,500円(2023年7月時点)
特記事項 2カスクヴァッティング