エリクサーディステラーズ社のザ・シングルモルト・オブ・スコットランドシリーズのカリラ12年シングルカスクです、カリラはアイラ島最大の蒸留所ですがディステラリーオフィシャル製品は数%しか製造しておらずほとんどはボトラーやブレンデッドウイスキーメーカーに熟成原酒をカスク販売しています。
本ボトルもそういったカテゴリのカリラ12年シングルカスクで、蒸留所オフィシャルでは販売されていないホグスヘッドカスクで熟成したシングルカスクとなっています、ホグスヘッドカスクとは材質ではなくシェリーカスクなどを分解して内側を削って再生したカスクで、容量は通常のバレルカスク(180~200リットルの規格カスク)よりも10%程度増量されているカスクです。
ホグスヘッドは主にシェリーカスクを再生するのでカスク材質としてはヨーロピアンオークに間違いありません、オフィシャル版12年に比べてかなり色が濃く味も香りも明らかに異なりカリラ12年だとは思えないほど異なります、まさに名言「ウイスキーの味は蒸留所ではなくカスクで決まる」どおりだと納得します。
尚、同シリーズのカリラ8年シングルカスクはそこそこの量を並行輸入されたようで現在ネットで10,000円~15,000円程度で購入可能です、本カリラ12年シングルカスクはそもそも極少数生産品で調べてみたら日本には蒸留酒販売業者によって48本しか輸入されなかったようです。
その為一瞬にして通常購入不可のプレミアムボトルになってしまいました、情報も後追いのため気付いたときにはプレミアム化していた本ボトルですがカリラファンであれば何としても飲んでみたいと思うでしょう。
品名 カリラ12年(2010/2022)シングルカスク ザ・シングルモルト・オブ・スコットランドシリーズ
熟成年数 12年
カスク ホグスヘッド(おそらく元カスクはシェリー)
蒸留所 カリラ(アイラ島)
ボトラー エリクサーディステラーズ
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 59.4度
内容量 700ml
価格 25,000円~35,000(2023年10月時点)
特記事項 極少数生産シングルカスク
アラート 通常購入不可
カリラ・モッホはアイラモルトファン大望のカリラ若熟成のオフィシャル限定版で、ディアジオ社のフレンズ・オブ・クラシックモルト会員向けに販売されたスペシャルカリラで熟成期間は8年ほどということです。
ちなみにディアジオ社とはスコットランド全域に全蒸留所の4分の1に相当する30近くの蒸留所を抱える世界最大のスコッチウイスキーメーカーであり、その蒸留所の中でアイラはカリラだけです。
発売当時はスタンダードの12年とほぼ同じ程度の価格でしたが、限定発売でもあり現在では倍に近い価格となっています。
「モッホ」とはゲール後で「夜明け」を意味しています、伝統あるアイラモルトの巨匠カリラのポリシーが込められているシングルモルトだと考えると何ともいえない至福の味と香りに心が満たされます。
一口目で記憶は70年代後期が蘇ります、二口目に最も狂乱乱舞に沸いた80年代後期のバブル経済期の記憶が蘇ってきます、本当に私の年代にとっては30年以上出会うことができなかった味と香りに再開することができます。
カリラ独特のピーティ&スパイシーの中に広がる深いドライフルーツケーキのようなフルーティ且つ爽やかな酸味と甘みを感じる口当たりは70年~80年代のカリラ伝統の風味を肌で感じます、カリラファンにとって待ってましたとばかりの懐かしいカリラの若熟成の味を思う存分に堪能できるカリラの中にあってレジェンド的な秀作です。
これは私にとってヒドゥン蒸留所ではなくヒドゥン・アイラモルトの一つです、本当にすばらしいアイラモルトに再会できたことに感謝の念しかありません、是非とも味わえるうちに味わっていただきたい超がつくほどのお勧めのアイラモルトです。
品名 カリラ モッホ
熟成年数 不明(ノンエイジ)
カスク 不明(リフィル・バーボン?)
蒸留所 カリラ(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 8,000円~9,000円(2023年10月時点)
特記事項 ディアジオ社フレンズ・オブ・クラシックモルト会員向けのヒドゥン・モルトシリーズの一つ
アラート 品薄状況なのか価格急上昇中
何を隠そう私がこれまでに一番多く飲んだアイラモルトがこの明るい琥珀色に輝くカリラ12年です、一時期はショットバーではこれしか飲まない時期もあったほどです。
一癖も二癖もあるピート臭やヨード臭が強く感じて敬遠する人もいるでしょう、でも一度好きになってしまうとこの香りが堪らなくなってしまうのです。
特にブルーチーズ好きの私にはブルーチーズを美味しく食べるためのウイスキーと言っても過言ではないほどで、アンモニア臭がきつく味が濃いブルーチーズと味も香りも本当に相性が抜群なのです。
ロックで飲むと若干の水分で連鎖アルコール分子が分解して味がガラッと変わるのも楽しいです、ストレートで気になっていたヨード臭も香ばしいカラメルコーティングのアーモンドのような香りに変化するのには驚きます。
アイラモルトの命ともいえるピート臭(スモーキーフレーバ)、ヨード臭(磯の香り)、加えてスパイシーな味を存分に堪能でき私個人的にはリーズナブルな価格ということもありアイラモルトのなかでもイチオシの逸品です。
尚、現在日本で手軽に購入できるカリラ蒸留所の銘柄はカリラ12年に加えてカリラ12年の原酒であるカスクストレングス版などがあります、もしもUD社発売の「花と動物シリーズ」のカリラ15年を現在飲んでみたいと思ったらオークションで落とすしかなく最低でも7万円は覚悟する必要があります、しかし味はカリラ12年に比べてコクが増して甘みが加わり至福の逸品です。
品名 カリラ12年
熟成年数 12年
カスク バーボン
蒸留所 カリラ(アイラ島)
ウイスキー種 シングルモルト
アルコール度数 43度
内容量 700ml
価格 6,000円~7,500円(2023年8月時点)