IT業界は今後益々多様化し成長していく産業として注目されている業界であり現在世界の資産額トップ10企業のうちIT企業は実に8社も入っています、しかもトップ5は全てIT企業で占められています、トップ10を自動車業界や家電業界が占めていた時代は既に20年以上も前の話になりました。
経済シンクタンク各社はIT産業の成長傾向は今後10年で更に加速度的に進むと読んでいます、多くの業界で淘汰が進む中にあってIT業界の成長は留まる事を知らない勢いです、とりわけ今後大きく成長するとみられているITカテゴリは、デジタルマーケティング(デジタルトランスフォーメーションを含む)・IoT・ブロックチェーンの3つです。
これらに関連してAI技術も上記3カテゴリ全てに連携する特別枠のカテゴリで急成長分野の筆頭として注目されています、AIと言えば近年に凄いことが立て続けに起きました、将棋界ではプロ棋士とAIの対戦で初めてAIがプロ棋士に勝ち小説の分野ではAIライターが直木賞の一次審査を通過という快挙を成し遂げました、このAIライターはブログやパンフレットのセールスレター程度のコンテンツなら数個のキーワードを入力するだけでたったの数秒間で最新情報に基づいた記事を主人のライティング癖をそのままに書き上げてしまいます。
さて本題ですが、IT成長カテゴリ3分野のデジタルマーケティングはまさに24時間働く営業マンとして期待を集めています、多数のWebメディアやSNSを介してPR活動から販売までも人の手を介することなく自動的に行うツールで「売らない、集めない」を旗印にした記事型広告のオウンドメディアと、ショップサイトにキュレーションサイトなどを連携させた複合サイトを母体としています。
1年ほど前から複数の大手企業が一斉に摂り入れたことにより現在加速度的な広がりを見せています、IoTはスマートフォンを端末としてロボットや家電製品などをネットワーク化し遠隔操作や遠隔監視を行える夢のような技術で大きな意味では自走型ドローンや無人兵器などもこの分野に含まれています。
何処に居ても家やオフィスの中の状態を監視でき必要によっては各種の遠隔操作を実現するものでSF映画の世界がすぐそこまで迫っています、家やオフィスだけではありません、工場の完全自動化なども実現できる技術で人間は緊急用の技術要員と部品の供給要員だけでよく地価がタダ同然の山奥に最新式の工場が突如出現する時代になるのです。
また医療分野への応用も期待が高く遠隔手術や遠隔診察なども自動化してきます、そのうち受付と医療マシンの補助要員だけで医師も看護師もいない診療所などが島や過疎地に出現してきます、そこで重要なのが生態など各種のアナログ情報を正確にセンシングするセンサーと小型軽量の駆動装置です、そしてその電力を供給するバッテリーや風力・太陽光に代表される自然環境型の発電装置は日本は世界でダントツ1位の地位を築き上げています。
最後のブロックチェーンはフィンテックに代表されるIT分野でのコア技術です、フィンテックとはITと金融を結びつける技術です、3年ほど前に某大手銀行が独自の仮想通貨を発行すると報じてブロックチェーン関連企業の株価が10倍以上に跳ね上がりました、ブロックチェーンの得意とする信用取引技術はスマートフォン一つですべての買い物や決裁に振り込みなどが行えるようになります、そのうちお金という物質概念が薄れゲームのポイントのような感覚になる時代があっという間に到来します。
また、近く給与もデジタル化されるというニュースが流れています、既に来年度から導入する企業も存在しているようです、そこで保障取引や安全な決裁方式などの優れた技術が必要となってきます、これらがブロックチェーンが齎すメリットに他なりません、更にブロックチェーンはフィンテックに留まらず産業用途のアクセス記録やデーターの正当性を保障するという特性だけを生かした活用法に注目が集まります。
既に先見性のあるITベンチャー企業はフィンテックではなく産業用途のブロックチェーンDApps(分散型アプリケーション)を開発し商品化し始めています、スマーフォンが誕生してから僅か10年足らずです、一度形成された業界は40年目がピークになるという統計があります、その意味では今後も更にIT企業が経済マップを塗り替えていくと言っても過言ではありません。
こんな時代においてITを志向しないなんて私にはとうてい考えられません、アナログ電化製品の代表格であるハイファイオーディオの世界も既にデジタル+ハイレゾ時代に突入しています、デジタル+ハイレゾオーディオ時代は音質を決めるのは真空管やパワートランジスタではなく優れたIT技術を駆使して作られるDAC(デジタル・アナログコンバーター)技術なのです。
つまりインテルやテキサスインストルメンツのコンピューター用デジタルプロセッサーが音質を大きく左右する時代となったのです、音源もアナログのレコードからデジタルのCDへ、更にはここ数年でインターネットを介してデジタル化された高音質音源を手軽に聴けるネットプレーヤーが主力になりつつあります、ハイレゾ時代のオーディオの合言葉も「インテル入ってる?」になるのでしょう。
新型コロナの緊急事態宣言が予定通りに今月末で解除され抑えられていた消費が戻ると喜びたいところなのですが世間はそう都合よく合わせてはくれないようです、この10月から待ってましたと言わんばかりにタバコ税の引き上げによるタバコの値上げや原料価格の高騰から各業界は一斉の値上げラッシュとなります。
タバコは1本1円のタバコ税が増税となり銘柄により10円~130円の値上げとなります、過去冗談のように語り継がれていた1箱1,000円時代がぐっと近づいてきました、きっとこれを機に禁煙する人も多くなりそうです。
また電力・ガスなどの公共料金も揃って値上がりし小麦は19%もの原料高騰によりお菓子やパンなどの小麦加工食品が一斉に値上がりします、また乳製品やマーガリンも平均12%程度の値上げとなります。
野菜なども新型コロナ禍や大雨などの天候不良によってこの秋の生産量が激減し現在高騰していますが更に来年の夏くらいまでは高値止まりとなると予想されています、セロリや葉野菜の一部は現在市場にもほとんど出回らない状況が続いています、これに伴い外食チェーンでの値上げも相次いで発表されました。
逆に良い方向の話では携帯電話料金が徐々に下がる傾向ということと賃金の最低金額が全国一斉に引き上げられるということです、尚料金には関係ありませんが郵便局の集配達業務が完全週休2日制となり土曜日の配達はなくなります、今後は週末近くだと翌週に配達されるという遅配が予想されますので早めの行動が余儀なくされます。
これまでも値上げは何度も経験してきましたが明るい話題に水を差すようなこのタイミングは何とも言えない気持にさせられます、でも来春以降の本格的な消費回復を願って明るく前を向いて進みましょう。
イギリスの時事経済週刊誌である「エコノミスト」の最新号の記事によると2008年のリーマンショック以降に民主主義指数が大幅に落ちている国が89カ国にものぼると報告しています、ちなみに民主主義指数が上昇した国はわずか27カ国だけです。
これらの民主主義指数が落ちている国の情勢を調査して出てきた成果が極めて興味深いのです、これを記憶に残す目的で私はこの記事を書いています、民主主義指数が下落している国の特徴は「国家危機克服を宣言したリーダーを国民が選出する傾向がある」、「これによって選ばれたリーダーは仮想敵国を作り上げて何かにつけて強引な要求や無意味な攻撃を行う」、「反目する勢力を去勢し退ける」、「メディアを掌握して世論を操作する」というものです。
こういった国状を作り上げているリーダーを「新型独裁者」という名で指摘しています、さて私にはこの4つ全てにずばりと当てはまる非常に解りやすい国が幾つも思い浮かびます、だからと言って私はその国を否定することも嫌悪することもありません、ただ国民自身がリーダーに誘導されていたと気付いた時に国家と自分に失望する時が必ず訪れると思っています。
更にはその状況を慌てて修復するにも膨れ上がった借金の山と誤った方向で築き上げてしまった社会ルールを戻すには気の遠くなるほどの時間がかかることになります、ムードを演出され盛り上がっている時には誰も近未来に訪れる不幸については考えません、感化させられていることなど疑いも無く明るい未来がすぐそこに来ることを信じてリーダーを支持し続けているのです。
先の世界大戦の際には多くの国で民衆は群衆心理を操られリーダーの意のままに地獄へと進んでいきました、歴史は面白いように繰り返します、スペイン風邪から100年後の新型コロナウイルスの出現、先の世界大戦開戦から80年、その前の第一次世界大戦開戦からは105年です。
ちょうど今の世界情勢はまさに産業革命後に起きた第一次世界大戦直後から第二次世界大戦開戦前の世界情勢に酷似していると思うのは私だけでしょうか、先の世界大戦後の混乱から約半世紀に渡る高度技術革新に支えられた平和な時代を余所に今世界は何処へ向かおうとしているのでしょうか。
今回の東京2020オリンピックは史上初の1年延期と無観客という歴史に残るオリンピックとなりました、更に言うと過去最高の大赤字も記録に残るでしょう、開催が決まった時点での開催費用は7300億円でしたが延期と来訪者の新型コロナウイルス感染防止対策などにより最終的な費用はその倍以上の1兆6000億円となりました。
経済効果も30兆円以上と目論みされていましたが逆に当座は4兆円の赤字になると試算される悲惨な状況です、国内外のメディアは口をそろえて「大失敗」と書き立てていますが果たして本当のところはどうなのでしょうか、あくまでも私見ですが公共メディアで記事を書く人は現実の数字ばかりに気を取られており本来の経済という本質を知らないのではないかとさえ思えてきます。
経済というものを理解していないとこういう記事になっても致し方ないでしょう、しかし一人くらいは正確に経済効果や経済循環を理解して記事を書く人がいてもいいのではないかと思うのです、なぜならそれなりの大学を出て勉強してきているはずなのですから国際情報を配信するメディア企業のリポーターなら少なくても経済循環を理解していて当然だと思うのは私だけでしょうか。
さて経済という観点で今回の東京2020オリンピックを検証するならば4兆円の赤字は未来の収益への投資だと考えることができます、何故ならそのお金は日本国内の市中に落とされ循環するものだからです、IOCへの支払いなど国外に出ていく費用もありますがこれも時間をかけてコンテンツ料収益や日本製品の購買増などで充分に回収可能だと考えています。
つまり国策としての経済起爆剤として考えればこの後の日本国内の経済効果は充分に期待できると思います、むしろ新型コロナウイルスパンデミックによる経済失速を緩和させた効果を考えるべきだと思うのです、こういう記事をメディアの記者はどんどん書いてほしいのです。
4兆円の赤字は水の泡となって消えたのではありません、市中に回されただけなのです、この結果と効果は数年後に明確に理解できるでしょう、だから2030年の冬季オリンピックに日本が手を上げるのは決して反省の無い無謀な判断ではなくむしろ未来志向での思いきった判断だと評価できます。
経済は今だけを見ては大きな判断ミスを犯します、法人経営もこれと何ら変わるものではないのです、終わってしまった過去ではなく今から開かれる未来が重要なのです、常に10年・20年というスパンでゴールを見て今この瞬間何をすべきかを考えましょう、その方が人生が楽しくないでしょうか?
オリンピックというと皆さんはスポーツの祭典という印象が強いと思いますがオリンピック開催地へ齎される経済効果は本来なら計り知れないものがあります、今回の東京2020オリンピックの場合は約3兆円と試算されていました、ただこれはオリンピック関連の直接経済効果であり国民のマインドによる経済底上げ効果はどの機関でも試算不可能なほどの額になるのが普通です。
例えば過去日本が最も大きく経済成長したのは私が生まれた年の1956年から1973年までの「戦後の高度成長期」です、そして前回の東京オリンピックが1964年です、つまりオリンピック開催をきっかけにその前後の数年間は短期間に大きく経済成長しました。
これはどの国でも同じことです、それだけに今回も東京都の予算で行われるオリンピック誘致に安部政権が大きく関与し国をあげての絶大なる支援を行ったのです、特に大震災の復興活動も予想を超えて長期化しそうな気配の中でです、オリンピックにかける意気込みはどれほどのものだったかが伺えます。
案の定オリンピック前の2019年10月1日に予定通り消費税が上がりました、そして高度成長期、バブル期に継ぐ大きな経済成長期の到来を期待していました、ところが新型コロナウイルスパンデミックの襲来で1年延期、そして強引に開催するも無観客での限定的な開催となりました。
ではオリンピック開催国によるオリンピック特需は今回は無かったのでしょうか、いえ私はそうは考えていないのです、まず開催が決まるや否や政府は早くもオリンピック経済特需第一弾を打ち出しました、その内容とは東京を大胆な規制緩和を行う国家戦略特区に指定することを検討するというものです。
オリンピック関連のインフラや競技場を始めとした各種施設の整備に民間の資金や技術を積極的に活用するのです、つまりこれにより民間企業に大きな資金が流れ、それが順繰りに市中を回る経済循環が起きたわけです、また開催に疑心暗鬼だった国民は開催が決まるや大型テレビや録画装置を購入しました、家電量販店は大幅な売り上げ増になりました。
また売れ残りを心配していた関連グッズや応援グッズも開催と同時にネット通販では売り切れ続出です、スポーツ用品もネット通販を始め売れ行き好調だといいます、今回の緊急事態宣言下での東京2020オリンピックですが結果的には失敗だったのか成功だったのか、その結論を今出すのは少し早計だと思います。
重要なのは政府の施策などではありません、国民が新型コロナ撲滅と強い経済大国復活を信じて未来志向の行動をこの機会を逃さずに起こすことなのです、それが数年後に結果的に起こる本当の意味でのオリンピック特需だと思うのです。