スポーツの世界最大の祭典がオリンピックなら文化の世界最大の祭典が万国博覧会でしょう、歴史から文化そして最新技術を世界中の人にアピールできる万国博覧会は国力を表示できる最大の舞台と言えます。
その万国博覧会ですが190カ国の参加によってドバイ(UAE)万博が昨年の10月1日に開催されました、新型コロナウイルス禍で18歳未満は入場不可、ワクチン接種証明書か72時間以内のPCR検査での陰性結果書の提示などの入場制限が付き入場者はほとんどいなかったそうです。
どの国のパビリオンもガラガラ状態ですが40度を超える炎天下の中でも2時間待ちの行列ができたパビリオンがありました、それは何と日本のパビリオンなのです、日本のパビリオンは建て物自体がまずグラフィックスのような3Dをイメージさせる構造で展示内容は最新技術がびっしり詰まっており、フロアには3Dグラフィックによる波が投影されていました、歩いたり立ち止まると行動に応じて3Dグラフィックスによる表示が現れ世界中の人々を魅了しました。
そんな万国博覧会ですが次回開催の2025年は日本の大阪で開催されます、2019年12月に開催が承認され決定しました、この事実は意外と日本人も知らないのには驚きます、2020東京オリンピックの話題で忘れ去られた感がありますが世界各国の文化と最新技術が見られる万博に是非一度は行ってみることをお奨めします。
私は1985年のつくば科学万博、2005年の愛知万博、2010年の上海万博と過去3度万博に行きました、いずれも見たいパビリオンが数時間待ちの行列で空いている国のパビリオンと全体の雰囲気しか感じることができませんでしたが大いに楽しめました、2025年の大阪万博には是非とも日本をはじめ世界の未来技術を肌で感じる為にも是非行ってみたいと思います。
米中対立が本格化して久しいですが経済的利権と国力を維持するのに必須なのが自国とパートナー諸国の防衛という安全の確保です、その意味で重要なのが米中の地理学的な位置です、米中は太平洋を挟んで対峙しています。
中国から太平洋に出る為には日本とオーストラリアの間を通過する必要があります、そこでアメリカから見れば日本とオーストラリアは最前線の防衛ラインとなり極めて重要な国となります。
これは海洋だけの話しではありません、上空を通過する飛行物体も含めて早期発見する為にはこの日豪ラインに空海のレーダーをびっしりと設置する必要があるのです、日本とオーストラリアは今後益々米中両国において重要性を増してきます。
これらの地理学的な事項が経済力に及ぼす意味で使われるようになった言葉が「地経学」という言葉です、日本は今後国力増強し繁栄させる為には確実に米中対立の中にあっての地経学を存分に駆使していかなくてはなりません。
そして日豪の協力関係も極めて重要になってきます、そういった政治的な動きは確実に両国の国民の意識に刷り込まれていきます、先の東京2020オリンピックでもオーストラリアの対応はまさに友好的そのものでした、選手村での感謝を込めた垂れ幕掲示に始まり好意的な情報配信は日本人の誰もが以前に増してオーストラリアが好きになったと思います。
今後政治経済を語る場合には確実にこの「地経学」を根拠にしてグローバルな視点で思考していく必要性が増してきます、米中もまた日豪の動きに極めて敏感に反応せざるを得なくなります、日豪はそんな世界情勢の中で地経学を活かして政治経済の戦略を組み立て両国の繁栄に活かしていくことが重要になります。
国の外交戦略もまたビジネス同様に「何をするかではなくどの国と組むか」が未来を決めてしまうのです、日豪両国は近未来においてどのような交流が行われていくのでしょうか、現在は日米豪印の4ヶ国は「クアッド」という政治経済での最重要盟友関係にあります、この4ヶ国(アメリカはハワイを点とする)を結んだ線はひし形をしており、防衛上では「ダイヤモンドライン」とも呼ばれています。
現在では日豪は準同盟国関係にありますが両国はここ最近急接近するかのような政治的外交を繰り出しています、今後日豪同盟が成立し関係強化か図られるのは必須の状況です、ちなみに現在日本が同盟を結んでいる国はアメリカが唯一です、つまり日豪同盟が締結されればオーストラリアは日本にとって第二の同盟国となります。
その意味では現在では日本人よりもオーストラリア人の方が日豪盟友意識が強いように感じます、日本人はもっとオーストラリアを身近に感じるべき時なのかもしれません、ちなみに日豪の飛行機での移動時間は直行便で8~9時間、途中フィリピンやインドネシアをトランジットしても15時間前後、目的と予算に合わせていろいろな国を回りながら渡航できるというのも丁度よい距離感と位置関係にあります。
時間と予算が許せばの話しですが豪華客船で数ヶ国を回りながらのクルージング渡航という手も愉しいかもしれません、日豪は赤道を挟んでいますので季節が逆になります、また時差も1時間程度ですから上手く両国を行ったり来たりして生活すれば常に快適な気候で過ごせるのも魅力の一つです。
ポストコロナ時代は世界の何処に居てもビジネスできる夢のような時代になります、日本人は今後は「地経学」を意識してあらゆる課題を思考するのがよろしいかと思います、世界的にも極めてクリティカルな位置に日本という国が存在しているのですから。
新型コロナウイルスパンデミックによりあらゆる業界でパワーバランスに変化が起きています、テレワークなどと合わせて働き方改革が進む中にあって快進撃を続けているのが都市型ミニスーパーマーケットです、今やコンビニエンスストアをも凌ぐ勢いで出店ラッシュが続いています。
都市型ミニスーパーマーケットとは郊外型の家族単位を意識した商品内容ではなく独身や小規模世帯を意識した商品内容にしている小規模なスーパーマーケットです、したがって野菜や肉類などの生鮮食品も冷凍食品もすべてが小分けされた少量のものとなっており食材を無駄なくリアルタイムで購入することができます。
弁当や総菜も充実しており必要な時に必要な量だけ買えるので非常に便利です、ほぼコンビニエンスストアと同じように日用品に酒類やタバコなどの嗜好品もあり価格は20%ほど安くなっています、ただ24時間営業ではないというところだけが違うだけです。
私は家飲み用のビールとおつまみを毎週末に買うのですがマンションの隣にあるミニスーパーが内装工事で3週間ほど休業した際に存在の大きさを改めて知りました、100メートル歩けば別のミニスーパーがあるのですが雨の日でも濡れずに買い物ができるという恩恵を得てきただけにこの時は3週間がとても長く感じたものです。
レンジやお湯も無料で用意されています、オーバーな話しが近くにミニスーパーがあれば家に冷蔵庫や調理機が無くても食生活には困らないほどです、生活スタイルの変化で価値感も変わっていきます、これまで繁栄してきたサービスが苦戦し逆に細々と営んでいたサービスが脚光を浴びるようになります。
2年半前の緊急事態宣言の際にはたして今のような世の中に変わっていくことを一体どれほどの人が予想できたでしょうか、予想して順応してきた企業が繁栄し一時的なものだと高を括っていた企業は衰退する、いつの時代も変化期には優劣が二極分化してしまうのが常です。
「ウィズコロナ」とか「アフターコロナ」という言葉が各方面で使われ始めています、連日のように政治家や経済人が「ウィズコロナ」という言葉を使ったコメントを出しており生活スタイルの大変革が世界規模で起こっています。
この「ウィズコロナ」に「アフターコロナ」は言うまでもなく新型コロナウイルスパンデミックへの各種対応策により働き方や生活スタイルに関する人々の意識が変わり、この意識の変化によってあらゆる社会構造が徐々に変わっていくことを指しています。
AIやブロックチェーンなどのデジタル文化の台頭により近年言われていた「新エコシステム」への移行がこんな形で数年前倒しで世の中に浸透しようとしています、今後はあらゆる社会システム(構造)が変わってきます、それに合わせてビジネス手法も変わってくるでしょうし働き方そのものも変わってきます、そうなれば生活スタイルも変えざるを得なくなります。
これまで常識化していた生活習慣が崩壊し新たなる生活習慣が齎されます、また重要なのが価値観の変化です、これまで価値を認められなかったものが突然のように価値あるものに生まれ変わるのです、またこの逆もあります、その意味では全ての人に平等にチャンスが齎されています。
第二次世界大戦終戦後の日本は10年でまったく新しい国に生まれ変わりました、世界に類を見ない短期間での高速復興でした、そして次々と新たな新興ビジネスが誕生しあらゆる業界で次代のニューリーダーが誕生しました。
日本人は現状をなかなか変えようとしない頑固な民族です、しかし一旦何かが大きく変化するとそれに早期に合せる順応能力のある民族でもあるのです、今回のウィズコロナやアフターコロナによる意識と価値観の大変化、ある意味では新エコシステムに高速移行できる実績と根拠を持つ日本人には大きなチャンスがあると言っても過言ではありません。
それをいち早く受け入れて自身を変化させることができるか否か、これを実現できた人だけが新エコシステム時代に飛躍する人になるのです。
今誰しも早期に新型コロナウイルスパンデミックが収束することを願っていると思います、ところで話しは少し古くなりますが新型コロナウイルスパンデミック発生から半年後のアメリカ経済の3ヶ月経済成長率がマイナス33%という信じがたい調査結果が発表されました。
これは統計開始以来最悪のデーターで14年前のリーマンショック時のマイナス8%をはるかに超える記録的な状況です、当時アメリカの主要経済活動はほぼマヒ状態と言っても過言ではなく、今も尚その状況は大きくは変わっていません。
この傾向を見て瞬間的に脳裏に浮かぶことは新型コロナウイルスパンデミックが収束した後の10年間は、おそらく現存する人類がかつて経験したことのない大不況時代を経験するのではないかということです、リーマンショックでさえ正常化に5年以上かかりました、バブル経済崩壊では正常化に20年かかりました。
アメリカの景気後退は全世界に影響を及ぼします、しかも時間差攻撃でじっくりと回ってきます、これが私が最も恐れる世界規模で起こる最大級の経済不況です、そして日本の場合この2年で国も地方自治体も特別予算を使い果たし財政的に余裕はありません、今後更なる感染拡大が起きても給付金等の支援は期待できません。
真の恐怖は新型コロナウイルスのパンデミックではありません、今後じわりと訪れるであろうアフターコロナ経済不況です、自身の生活は自助努力で守るしかありません、みなさんの心の準備の程は如何でしょうか?