「ついに日本はドイツに抜かれ名目GDP世界ランキング4位に転落」という報道がされています、でもこれは既に10年以上も前に予測されていたことなので大きな話題でもないように感じるのは私だけでしょうか、ちなみに大方の有識者の予想では2030年までにインドにも抜かれて5位に転落すると言われています。
基本的に言いますと名目GDPは確かに国の総生産を現していますが米ドルに換算した数字でしかありません、超円安の現在ではドル建てで計算すれば4位となるのは当然でしょう。
この名目GDPよりも重要なデータは一人当たりのGDPです、名目GDPは人口が多ければ多くなる傾向になりますが一人当たりのGDPは国民一人当たりの生産性を表すので指標としては現実的な数字だと思います、その一人当たりのGDPでいうと日本は31位という悲観的な順位となります、でもこれが現実の日本の経済力の姿だと思います、つまりけっして裕福な国ではないということです。
一人当たりのGDPが高い国は中東の地下資源を有する原油国や国を挙げての国家事業として漁業・林業・農業を推進している国です、国家事業で国益を上げている国はヨーロッパによく見られます、オランダは面積辺りの収益性は世界一位であり少ない国土を有効活用して少ない労働力でも最大限の収穫を上がられるように巨大な工場のようにシステム化しています。
日本は世界有数の海洋国家であり海底資源としてのハイドロメタン(固体ガス)など期待の海底資源を有しているものの、それを具体的に海底から引き上げて収益化するには気の遠くなるほどの年月と資金が必要であり現時点では期待薄でしょう。
更に海洋資源でいえば高度成長期を影で牽引したクジラ漁も今では各国の非難を浴びて禁止され壊滅状態です、ノルウェーのような国家事業としてマグロやサバ漁をシステム化すれば期待はできますが大きな既得権などの障害が存在していますので簡単にはいきません。
少子高齢化が進む日本では今後総人口と就労人口の急激な減少は避けられず、一人当たりのGDP向上を国を挙げて推進しなければ先進国とは名ばかりの極貧国に転落していくのは目に見えています、未来志向で本当のイノベーションを起こせる強いリーダーが求められる日本ですが真に国の未来を考えイノベーションを起こせる人材がいるかどうかが最大の課題でしょう。
新型コロナパンデミックの終焉により海外からの観光客が日本に大挙して戻ってきました、入国規制撤廃から半年後の日本では至るところで小バブルが発祥しています、特に飲食業界では80年代のバブル景気をも凌ぐ強気の姿勢が見て取れます。
先日オープンした東京湾に面する豊洲の巨大商業施設のフードコートでは外国人観光客向けの高額メニューがニュースにもなっていました、なかでも6,980円の海鮮丼は飛ぶように売れているといいます、ニュースなどで「インバウン丼」と銘打たれたこの海鮮丼は本国の日本料理店で食べるのと同じ価格で具が多く新鮮で美味しいと好評です。
地方の観光地でも同様で4,000円のカツカレーや5,000円のてんぷら定食などがランチメニューに誕生しています、ハンバーガーショップで食事を済ませている日本人観光客を脇目に外国人観光客は大いに円安を堪能しているようです。
都内のレストランでもこれまで多くの店で上限が1万円程度だったコースメニューが最近では2万円や3万円というコースも続々と誕生しています、またクラブやラウンジで10万円を超えるシャンパンやワインを複数本注文する人が私の周辺にも徐々に増えてきました。
飲食業界だけを見るとバブル前夜を思い起こします、景気回復のきっかけは常に飲食業界に始まります、その意味では他の業界の値上げラッシュもしばらくの間は段階的に進んでくるでしょう。
この間の生活は一時的には苦しいのですが各業界で大幅な賃上げのニュースも出始めています、これが一巡すれば30年前までの強い日本経済が形成されてきます、そこまでしばらくは消費者物価と所得水準に目が離せません。
こういうバブル前夜こそ自身にお金の流れを作るのは自身が先にお金を回すしかないことを忘れないことです、次代の成功者は既にこのチャンスを逃さずお金を市中にどんどん回し始めています、不思議なのですがお金はお金を回した人にしか戻ってこないのです。
2024年の今年の暮れ辺りには世界が激変しているかもしれません、私なりにはこんな予測をして世界情勢に目を向けています、さてこの根拠はどこに在るのかを今回お話しましょう。
それは政治経済の主要国で国家元首や議会総選挙が行われるからに他なりません、あまり影響はありませんが日本では自民党の総裁選があります。
台湾は早くも先月新たな総統が決まり国内外の政策の現状維持が何とか期待できます、そして今後はインドネシアの大統領と総選挙・ロシア大統領選挙・インド総選挙・メキシコ大統領と総選挙・アメリカ大統領と総選挙があります、更にはEU議会選挙に加えて状況次第では南アフリカやイギリスでも総選挙が行われるかもしれません、日本もまた解散総選挙になる可能性があります。
これらの政治的変化が起こる国の合計名目GTPはなんと世界全体の55%ともなります、更には人口比では35%です、この結果における影響は大きく世界情勢を変えてしまう可能性を秘めています。
勿論現状維持に収まる可能性もありますが極端な話が現在と正反対の極に向かえばウクライナ情勢やイスラエル情勢も一変し、善い方向に向かう場合もあれば最悪の事態を迎えることにもなります。
この結果において各国は大きく舵を切り直さなければなりません、年初から日本は大きな災害・事故に加えて政治経済界での裏事情問題が多発しています、まさに「何が起きても変じゃない」年になるかもしれないのです、最悪の事態を念頭に置きつつ自身の計画にしっかり織り込んでほしいと思います。
「今年の冬は穏やかです」で始まった今年一番の当ブログでしたが、その夕刻に能登半島沖大地震が発生し多くの犠牲者を出してしまいました、更に翌日には羽田空港で日本航空機と海上保安庁の航空機が衝突・炎上という日本ではあり得ないすわ恐ろしい大事件が発生しました。
羽田空港での衝突事故においては、日本航空機の乗員乗客全員が奇跡的にも脱出でき世界的にミラクルだと報じられ暗い事故の中にもひと安心する話題もありましたが、海上保安庁の航空機乗員の5名の命が失われたことを忘れてはいけません。
政治では現政権が税制問題にはじまる国民の支持離れに加えてパーティー収益のバックマージン闇金騒動で多数の政治家が立件や逮捕されるという末期状態となっています、また地方自治体では財政難による破綻や救済合併事案など至る所で問題が噴出しています。
継続的な問題では、円安・消費者物価上昇・少子高齢化など政治経済や社会問題が山積しています、更には周辺国との領土問題という積年の時限爆弾も抱えたままです、景気回復の兆しを見せつつあった日本の今年は一転して激動の一年となりそうです。
ちなみに今年の干支は「辰」です、「辰」は「振」より派生した文字であり漢書で「陽気が動き万物が振動し整った形を現す」ことを意味していますが、同時に「物事が動き出すことにより摩擦や衝突が至る所で起こる」ということも意味しています。
かくいう私も心穏やかに過ごしたかった今年でしたが、年明け早々周辺のあらゆる物事が善い意味で急速に変化を始めており慌しい一年となりそうな気配を感じています、それであるならこの流れに抗うことなく流れに合わせ変化を愉しむしかないと腹を括りました、何が起きても未来志向でベストを尽くし冷静に対応したいと思います。
今年一年の経済動向を振り返ってみて思うに3つの事象が今後の日本企業における経済課題になると考えています、その3つの事象とはアフターコロナ戦略、インボイス制度の導入、消費者物価の高騰です。
アフターコロナ戦略は言うまでもないのですが3年間の新型コロナウイルスパンデミックにより生活スタイルや就業スタイルなど多くの生活様式や価値観の変化が見て取れます、特に今年の下半期以降には3年間凌いできた外食産業をはじめとしたB2C企業が鬱憤を晴らすように財務体質を改善しています。
その反面で消費者の価値観が変わり衰退していくB2C企業も散見されます、まさに戦略無き企業は衰退していくのです、新型コロナウイルスパンデミックは世界中に平等に齎された危機です、そのなかでアフターコロナ時代という未来を読んで戦略を立て改善してきた企業が大いに活性化し戦略無き企業が衰退していく、いつの時代も大きな事件の後と同様だと思います。
さて次の今年10月から施行されたインボイス制度の導入問題は3年後に影響がピークを迎えると思います、取引先が適格事業者でない場合にはこの3年間は仕事を出したほうが実質的に20%分の消費税を請負側に代わって支払う形になります、これが3年後には50%、更に6年後には100%となりますので業務委託先を確実に選択する時代になります。
そもそもリーマンショック後の政府の起業支援によって年商1,000万円以下の法人はこれまで消費税を貰うだけ貰っておいて支払わなくてもよいという税制面で大きな恩恵を受けてきたのです、それを本来のフェアな状態に戻していくだけであり小規模企業は早々に適格事業者登録し年商を1,000万円以上にすれば全員が同じ土壌となり何の問題も無いのです。
ただこのインボイス制度の導入により極めてフェアな税制社会となりますが年商1,000万円以下で適格事業者登録を行わない小規模事業者は適格事業者との取引が行えなくなります、したがって同類の非適格事業者や個人事業主間での取引に甘んじるようになり存続が危ぶまれる企業が増大します。
つまり確実に勝ち組と負け組みというバブル経済期にも表像化した企業デバイドが確立されてしまいます、特にこの数年間は小規模企業の倒産が相次ぐと予想されます。
最後に消費者物価の高騰ですが実は私は大歓迎しています、なぜならこれまで30年間の日本の物価は他の先進国に比べて半分以下に留まっておりこれがGDP低迷の元凶だったわけです、これを解消するには消費者物価上昇に合わせて賃金を上げれば済む問題です。
強い経済力を得るには市中にお金を回す必要があります、当面は出る一方の苦しい状況が続きますが一巡して収入が増え高騰した価格にも慣れてくれば日本全体の生活水準は自然に上がっていきます。
バブル経済期前夜とは押しなべてこういうものです、経済危難の状況下では抗うよりも慣れて今の状況を未来志向で楽しむことが肝要だと思います、私の年代の人は昭和の時代に何度も何度もこういう状況を乗り越えてきて今があるのですから大きく悲観する人もいないでしょう、30年間の日本の経済低迷期がようやく終焉するときが来たのだと喜べばいいのです。